シャンプーは頭皮マッサージを兼ねる
「毎日シャンプーをするのは洗いすぎですか」
これは、頭髪に悩みを抱える方の定番の質問です。確かに、硬水で髪がゴワつきやすいヨーロッパなどでは毎日洗う人のほうが珍しいかもしれません。
けれど、まず忘れてはいけないのは、シャンプーは汚れを落とすためだけに行うものではないということ。
もともと「シャンプー」というのはヒンズー語で「マッサージ」という意味で、血行を促す効果がとても高いものなのです。
シャンプーを通じて毛根や頭皮に加わるいい刺激は、髪のエイジングが気になる世代にとって欠かせません。
また、「夏は汗をかくから1日2回、冬はあまり汚れていないので2~3日に1回しか洗わない」という方もいらっしゃいます。
これは理論からするとまったくの逆。冬こそ寒さで皮脂が固まって毛穴をふさぐし、血行も悪くなりがち。首や肩がこって頭皮もかたくなりがちですから、必ず毎日シャンプーして温めるべきです。
逆に夏は汗は出ますが、頭皮ケアという観点では洗いすぎに注意してほしい時期です。シャンプーは洗い流す目的だけでなく、頭皮マッサージの一環ととらえて毎日行いましょう。
正しいシャンプーの仕方
シャンプーは髪を洗うものではありません。頭皮の汚れを落とすものです。
まずはていねいにブラッシングし、お湯で1~2分かけてしっかり予洗いすることが大切。
実は、きちんと洗えている人は1割程度です。
よくみなさんがやっているのが、髪を上から下に洗っていくやり方。それだと頭皮まで指が届かず、ただ髪をこすっているだけになってしまいます。
必ず下から上に向かって、地肌に届くように指を入れ、頭皮の汚れを押し出すよう注意しましょう。
また、やたらとゴシゴシ力任せに洗っている人もいます。
みなさん、顔を洗うときはていねいにやさしく手を動かしていますよね?
頭皮も顔とつながっている1枚のです。
顔だと思って丁寧に優しく洗ってください。
ブラッシングとお湯洗いをしたあと、シャンプー剤を同量の水でゆるめて全体に。
指の腹で下から上へ小刻みにさする。メイクをクレンジングで浮かせるくらいのソフトタッチで。
頭頂部に向かって、指の腹で皮膚と皮膚を寄せ、皮脂をしっかりしぼり出すように揉む。
力加減は、手の甲の皮膚がややよれるくらい。こすると肌にダメージを与えるので注意。
シャンプー迷子がこんなに多いワケ
以前はシャンプーといえば、悲しいことにバストイレタリーのカテゴリーでした。
しかしここ最近、スキンケアブランドからもシャンプーが発売され、またヘアケア専門ブランドもシャンプーにこだわり開発するなど、美容カテゴリーとして認識されて
きました。
ドラッグストアに行くと、シャンプーコーナーには「ノンシリコン」「スカルプケア」「ダメージケア」「エイジングケア」「艶とまとまり」などなど、さまざまな商品が並んでいて、まさに何を選んでいいのかわからない!シャンプー迷子が続出しています。
シャンプー選びに迷う理由
こんなにも迷ってしまう理由の1つは、「ヘアケア=シャンプー」という思い込みです。
シャンプーを替えれば髪質も変わるはず、そんな過度な期待をかけてしまうからシャンプー選びも迷ってしまうし、結果が出なかったとき裏切られたような気持ちになってしまうのです。
シャンプー剤の目的は、肌に負担をかけずにやさしく汚れを落とすこと。以上です。
たとえば肌のたるみが気になったとき、洗顔料を替えたらたるみが改善するなんて思いますか?
マッサージしたり、美容液を使ってみたり、いろいろ他にやれることを考えるでしょう。シャンプー選びも同じことです。
自分にあったものを選ぶ
キャッチコピーにひかれてシャンプーを選ぶ方もいると思いますが、使ってみたときのご自分の感覚、つまり好き・嫌いを重視してみるのもいいでしょう。
冒頭のような質問をされたときは、「髪ではなく頭皮の状態に合わせて選びましょう」とお答えしています。
人によって合うものは異なりますし、そのときの状態によっても違うものです。
オーガニック製品の普及
ヘアケアはじめコスメのオーガニック市場は今、非常に活気があります。
食だけでなく、安全な成分を髪にも取り入れたいというヘルシー志向が10~20代を中心に広まっています。
ただ、気をつけていただきたいのは、オーガニックは敏感肌にも使えると勘違いしている方も多いということ。
「オーガニック=肌にやさしい」という考えは、100%そうとも限りません。
現に山芋やうるしなどは、かぶれを起こす方も多く注意が必要です。
オーガニックは肌にいいか悪いか、ではなく、植物の育て方がそもそも違うのです。
オーガニック=有機栽培のことで、化学合成農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料などで栽培する農法のことを指します。
オーガニックは肌に合わない場合もある
オーガニック製品は環境に優しく、太陽と大地の恵みをたっぷり受け、パワフルに肌へアプローチします。
それが肌質によっては合わなかったり、パワフルさに負けてしまう事もあるのです。
オーガニックならなんでもいい、ではなく、選択肢の一つとして考えましょう。
ヘアケアアイテムを含む化粧品には、オーガニックの正式な定義が統一されていません。
お店の人に聞いたり、成分表示をチェックして、理解して選び、使うことが大切です。
シリコンは髪と頭皮にどんな影響を与えるのか
「シリコンを使用しないほうが髪のためになりますか?」「ノンシリコンは髪にいいですか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
シャンプーやコンディショナーに「シリコンフリー」と表記されていると、シリコンは髪に悪いもの?と思って敬遠してしまう人もいるかもしれません。
ある時期、シリコンが毛穴につまり髪や頭皮に悪影響をおよぼすのでは?という根拠のない噂がたったこともありました。
答えを先に申し上げると、シリコンは毛穴につまることも、髪や頭皮にダメージを与えることもありません。
シリコンとは
シリコン自体は、シャンプーだけではなくファンデーションなどのメイクアイテムやクリームなどのスキンケアにも採用され、身近にある日用品や食品、医療の分野でも使われている、とても安全性の高い成分と言えるでしょう。
シリコンは熱や光に強く、艶やかな質感を出せるのが特徴です。
ヘアケアに配合されることで、シャンプーやすすぎのときに毛の摩擦が抑えられ、髪がからまるのを防いだり、さらさらに仕上げる働きもがあります。
とはいえ、汚れを落とすシャンプーには必ずしもシリコンはマストな成分ではないというのも事実。
しっかり皮脂を取り除きたいというのであれば、ノンシリコンがいいでしょう。
また、ダメージヘアで髪がきしみやすいのであればシリコンの力を借りることも必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では、薄毛になりにくい髪質・頭皮を作る方法について解説してきました。
薄毛などの髪の毛のトラブルを防ぐためには、日々のシャンプーによる頭皮ケアを習慣づけることが必要です。
しかし、ただシャンプーで髪の毛を洗うのではなく、「頭皮を洗う」ことに意識を変えて行うようにしましょう。
また、シャンプーは順序を守り正しい方法で洗わないと頭皮が乾燥し、薄毛や抜け毛の原因となってしまいますので注意してください。
自分に合ったシャンプーを選び、日々正しく使用することで、薄毛にならない髪質・頭皮を作り上げることができますので、是非この記事を参考にしてみてください!