最近、さまざまなメディアでヘアドネーションという言葉をよく耳にすることがあります。
しかしその詳しい意味や方法、また条件の有無などについて、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
「せっかく手入れをしてきた大切な髪だから、カットしてそのまま捨ててしまうのはもったいない」
「自分の髪を、誰かのために役立てたい」
そんな風に思っている方には、ヘアドネーションがおすすめです。
そこで今回は、ヘアドネーションとはそもそもどんなものなのか、その内容について詳しく見ていきたいと思います。
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ヘアドネーションとは?
病気や事故、さまざま疾患などが原因で髪を失った18歳以下の子供達のために、自分の切った髪を提供するボランティア活動のことを、ヘアドネーションと言います。
元々はアメリカの団体「Locks of Love」などが行っていた活動で、この団体の代表者は、自身も脱毛症で苦しんだ経験からヘアドネーションの活動を始めたと言われています。
ちなみに日本では、2009年からNPO法人「JHD&C」(ジャーダック)がヘアドネーションの活動を開始しており、現在はその他にもさまざまな企業や団体が参加しています。
ヘアドネーションの条件とは?
ヘアドネーションで寄付できる髪は、実は各団体ごとに条件が異なります。
ですから必要な髪の長さや髪の状態などを事前に確認し、どこの団体に寄付をするのか事前に決めておくようにしましょう。
以下では、それぞれに共通している条件について詳しく見ていきたいと思います。
寄付できる髪の長さは?
髪の長さは団体により異なり、31センチ以上と15センチ以上の場合があります。
31センチ以上髪はそのままウィッグ作りに使われますが、15センチ以上の髪は、髪の毛付きニット帽作りに利用されます。
寄付できる髪の状態は?
ヘアドネーションとして髪を寄付する場合は、衛生面に配慮し完全に乾いた状態の髪でなければなりません。
髪は濡れたまま放置しておくと細菌が繁殖したり、匂いがつきやすくなったりします。
また髪全体が濡れていなくても、一部が濡れているような場合にも注意が必要です。
ヘアドネーションにより髪を寄付する方法とは?
ここでは、ヘアドネーションにより自分の髪を寄付する場合の具体的な方法について詳しく見ていきたいと思います。
ヘアドネーション協賛美容院を利用する方法
まずはヘアドネーションを行っている団体や企業の公式ホームページにアクセスし、協賛している店舗を探します。
なおカットの予約は、自分で行います。
その時に必ずヘアドネーションを希望していることを伝えるようにしてください。
後は予約した当日に美容院に行き、ドネーションカードなどに記入してからカットして、ヘアドネーションを行っている団体に郵送してもらいます。
ちなみに切った髪を一旦持ち帰り、自分で郵送することも可能ですよ。
ヘアドネーション協賛美容院以外を利用する方法
行きつけの美容院などを予約する際にヘアドネーション希望であることを伝え、対応可能であるかどうかを確認しておきましょう。
対応可能であれば予約当日に美容院サロンに行き、担当者にヘアドネーションすること説明した上で、長さなどを伝えるようにしてください。
自宅でカットして寄付する方法
1:髪が完全に乾いた状態にしておく
自宅でカットする場合、事前にシャンプーしておこうかなと考える方もいるかもしれません。
しかし、ドライヤーでの乾かし方が不十分だったりして髪が少しでも濡れていると雑菌が繁殖する原因となり、せっかくの髪が使用できなくなる可能性もあるため、カット前のシャンプーは避けるようにしましょう。
2:毛先から31cm以上の所で、髪をいくつかに分けて結んでおく
髪を自宅でカットしやすいように、例えば31cmを寄付する場合には、毛先から31cm以上の場所で髪をヘアゴムでいくつかに分けて束ねておきましょう。
そしてゴムから1~2cmほど上で髪をカットするようにします。
この時の結び方がゆるいと、髪がバラバラになってしまうため注意が必要です。
また髪の量が多い方などは、あまりひとつの束が太いとカットした際に切り口がギザギザになってしまうため、できるだけ細い束を作ることをおすすめします。
全ての束のカットが終わったら、ひとつのヘアゴムで結びまとめておくようにしてくださいね。
髪が短いという方には募金や寄付金を送る方法も
自分は髪が短いけれどヘアドネーションの活動に協力したいと考えている方には、ヘアドネーション賛同美容室の中には募金箱を設置している店舗もあるため、そちらに募金するのもひとつの方法です。
またヘアドネーションを行っているJHD&C(ジャーダック)などでは、クレジットカートや銀行振込で500円から募金することが可能となっています。
さらに500円以上の募金はもちろん、クレジットカードによる毎月定額の寄付金を送る方法もあります。
集められた寄付金は、ヘアドネーション活動により郵送されてきた髪のトリートメントや、ウィッグ製作のための費用に充てられるため、活動に参加してみたいけど事情がありなかなか髪を伸ばせないという方、また男性の方などにはこちらの方法がおすすめです。
丈夫な髪を作るために必要なこととは?
せっかくヘアドネーション活動に参加するのであれば、できるだけ髪を健康的な状態に保ち、いい髪作りを心がけていたいですよね。
そこでここでは、ヘアドネーションにふさわしい丈夫な髪を作るためには、どんなことに気をつければよいのかについて見ていきたいと思います。
これまでの食生活を見直してみる
丈夫な髪を作るために基本となるのが、栄養バランスの整った食事です。
脂肪分を取りすぎず野菜を多めに取り入れるなど、髪にも体にもいい食事を心がけましょう。
また髪の成長を促すために特に意識して摂取したい栄養素としては、たんぱく質やミネラル、ビタミン類などが挙げられます。
髪の原料となるたんぱく質はもちろん、たんぱく質の一種であるケラチンを合成する際に必要な亜鉛などのミネラル、たんぱく質を摂取する際に手助けをするビタミンB2などのビタミンは、健康的な頭皮環境を維持するためには欠かせない栄養素であると言えるでしょう。
たんぱく質は肉類や魚類、卵などに多く含まれ、ミネラルは海藻類や牡蠣、チーズなどの乳製品に多く含まれています。
さらにビタミン類は野菜や果物、レバーなどに含まれているため、毎日の食事のメニューを考える際に意識して取り入れてみてくださいね。
また実は水や白湯など水分を多く取ることも、血流や酸素の流れを良くして頭皮に髪に必要な栄養素をスムーズに送るためには、非常に重要であると言えます。
日々の生活習慣を振り返ってみることも大切
睡眠の質を高めることは、直接髪の健やかな成長につながります。
髪を成長させるために重要な役割を果たしている成長ホルモンは、眠りに入ってから3時間以内に最も多く分泌されることがわかっており、毎日6~8時間は睡眠を取ることが、髪にとって理想的であるとされています。
また定期的な運動や、ストレスを溜めずにこまめに発散すること、シャンプーを自分の頭皮や髪質に合ったものに変えてみることも、髪にとってとても大切です。
このように毎日の生活習慣を見直すことは、頭皮の血行促進や頭皮環境の改善にもつながるためおすすめです。
髪を切るなら誰かのために
実はせっかく寄付した髪でウィッグを作っても、子供は成長するとともに当然頭も大きくなるため、そのつど買い換える必要があります。
実はオーダーメイドのウィッグの価格は、だいたい30〜50万円ぐらいとかなり高額になっており、定期的に買い換えなければならない場合は、金銭的に大変な負担となります。
ですから自分の髪を無償で提供するヘアドネーションという活動は、大変意義のあるボランティアであり、一人でも多くの方が賛同しぜひ参加してほしい活動のひとつであると言えるでしょう
長く伸ばした髪をせっかく切るのであれば、ヘアドネーションであなたの髪を子供達のために役立てることを検討してみてはいかがでしょうか。