薄毛対策を考える上で重要なポイントは、基礎的なところからしっかりとした知識を持つことです。
いったいどのような形で髪が生えてくるのかを知らなければ、効率的な薄毛対策には繋がりません。
自分の抜け毛を見て本当に薄毛になってしまうかどうかも、知識を持っていれば判断できるようになるでしょう。
なぜ抜けても生えてくるのか
自分が薄毛になってしまうのではないかと思う瞬間は、抜け毛が大量にあると気がついたときでしょう。
自分の髪を手で触った時に、ボロボロと抜け落ちてしまえば、心配になるのが当然です。
シャワーを浴びた時などをでも、排水溝に多くの髪が抜けている状況を見ると、自分の髪を鏡で見てみたくなるのは間違いありません。
誰でも同じような心理を持つものです。
現実的に、薄毛の危険性があるような抜け毛の本数は、100本を超えたあたりからと考えるのが一般的となりました。
人間の髪は一日100本程度は抜け変わるからです。
100本は抜けたとしても、その代わりが生えてくるため、心配はないというのが根拠になります。
そんなに生え変わってくるものなのかと思う人もいるはずです。
100本といえばかなりの本数で、女性の髪としてもかなりの量となって現れてきます。
そこで基礎知識として持たなければいけないのが、生え変わってくるためのヘアサイクルです。
このヘアサイクルを知ると、薄毛になるポイントも見えてきます。
髪の寿命とヘアサイクル
ヘアサイクルとは、髪の寿命と考えると分かりやすいでしょう。
髪は永遠と伸びていくわけではなく、一定の時期が来れば抜けてしまいます。
成長の限界で、古くなった髪は抜け落ちていくのです。
そして、力を蓄え新たな髪が生えてくるというのが一連のヘアサイクルになります。
ヘアサイクルは大きく分けて成長期、退行期、休止期の三つに分けられます。
この分け方が一般的ですが、成長期をもっと細かく分けたりする場合もありますが、基本的には変わりません。
それぞれが重要な役割を持っていますが、これを知ると抜け毛の理由が見えてきます。
まずは成長期ですが、名前の通り髪が成長する段階です。
髪は毛母細胞が細胞分裂をし、押し出していくような形で伸びていきます。
伸びた段階で細胞は死滅した状態となり、それ以上成長することはありません。
このプロセスは爪とよく似ています。
人間の髪は10万本以上あると考えられていますが、そのうちの85%が成長期にあたり、大体2年から6年間成長していると考えられているのです。
そのため髪は長く伸びていくため、なかなか抜けるようなものではないと錯覚してしまいます。
しかし、成長には限界が来るのです。
ヘアサイクルは永遠に続かない
成長期から毛母細胞の細胞分裂が衰えていく時期にあたるのが退行期です。
毛母細胞の細胞分裂が衰えていくということは、髪が伸びにくくなる時期にあたります。
だんだんと力を失い、毛球と呼ばれる部分が衰えていく時期です。
最終的には退化した状態となり、一歳成長しなくなります。
成長の限界を迎える時期であり、1週間から2週間続きます。
成長期に比べると圧倒的に短いのが分かりますが、髪の成長が限界を迎えるという意味でも、とても大事な時期にあたるのも分かるでしょう。
この次に訪れるのが休止期であり、成長は完全にストップします。
これ以上成長することがなくなり、髪は抜け落ちる時期に入るのです。
もう成長をしなくなった古い髪は、維持することもできません。
こちらも成長期と比べれば圧倒的に短い期間ですが、大体3ヶ月から4ヶ月続くと考えられています。
これらは個人差もあり、必ずこの長さになるとは限りませんが、成長期とともにバランスを取っているため、いきなり薄毛になってしまうようなことは起こらないのです。
これを全て一つのサイクルとしてみると、髪は4年から6年で生え変わると言えるでしょう。
もちろん、それぞれで差が出て誤差も存在しますが、正常に働いているうちは、薄くなったりはしません。
このサイクルも永久に続くわけではなく、限界を迎える時期がやってきます。
人間の一生としてみた場合、大体15回から30回が限界と言われているからです。
これは他の細胞も変わりませんが、人間の体は延々と細胞分裂ができるわけではありません。
やがて細胞分裂できない時期がやってきます。
ヘアサイクルも同様で、限界を迎えれば成長することもなくなるのです。
ストレスや生活習慣
ヘアサイクルが正常に働いてるうちは薄毛になる事はありません。
バランスが取れているからですが、どこかでこのリズムが狂うと、失われる髪が増えたりする可能性が出てきます。
例えば成長期に入っている量が少なくなれば、全体のバランスが崩れ、抜け落ちる髪の方が多くなるでしょう。
休止期が長くなれば、抜け落ちる量が増えてしまい、成長が追いつかなくなります。
薄毛にならないようにするためには、ヘアサイクルが正常に働いていなければいけないのです。
ヘアサイクルが乱れる原因はいろいろとあります。
よく知られているのはストレスでしょう。
女性の薄毛の原因としても知られているストレスは、血行に影響を与えるのです。
さらに自律神経にも影響を与えてしまうことから、成長ホルモンの分泌も減少させる要因になります。
どれもヘアサイクルに影響を与えるもので、ストレスは薄毛の天敵と言い換えることもできるのです。
生活習慣もヘアサイクルに大きな影響を与えます。
運動不足が注目されますが、血行にも影響を与える要因で、ストレス発散にも影響を与えるからです。
運動をしていなければ筋力が衰えて行き、血液を送り出す能力が下がります。
軽い運動をするだけで、ストレス発散にも繋がりますが、体を動かしていないと影響ばかりが増えてしまうのです。
乱れた食習慣は危険
生活習慣の中の一つとして、食習慣が挙げられます。
髪が人間の体の一部として頭皮で作られている以上、栄養がなければ作れません。
食習慣が乱れてくると、栄養のバランスが崩れます。
必要な栄養素が体になければ、健やかな髪を育てられなくなるのです。
当然ですが、ヘアサイクルが正常に働いていたとしても、栄養がなくなれば狂いが生じてきます。
髪に力がなくなり、細く弱々とした状態になってしまうのです。
ハリもツヤもなく、針金のようなうねりを持った髪が出てくるのは、栄養バランスの乱れが原因と考えられます。
食習慣によるバランスの崩れは重要ですが、過度なダイエットをしている時にも同じような状況が起きていることに気がつかなければいけません。
何か1品目に絞ったダイエットなどしている場合には、特に注意が必要です。
人間の体は多くの栄養がなければ動きません。
たったひとつの食材で全てをカバーできるほど万能な食材は存在していないと言ってもいいでしょう。
様々な食材を通じて栄養を摂取しているからこそ、生命としての活動が維持できます。
ところが、1品目に絞ってしまえば、必要な栄養は体の中にあるものだけとなり、途端にバランスが崩れてしまうのです。
その栄養も取り合いとなるため、重要度の高いところから消費されてしまいます。
髪に回ってくるものは少なくなるため、ヘアサイクルは途端に崩れてしまうのです。
まとめ
人間の髪が生えるプロセスは、薄毛対策として重要なポイントになります。
どのような構造で生えてくるのかヘアサイクルを知らなければ、対策もうまくできません。
なぜ乱れてしまっているのか、自分で考えるきっかけともなるため、ヘアサイクルはよく理解しておく必要があるでしょう。