おしゃれ染めや白髪染めなど、さまざまな種類があるヘアカラーですが、実はヘアカラーしたことが引き金となり、アレルギーを発症する場合があると言われていることをご存知でしょうか。
そこで今回は、ヘアカラーの薬剤の種類や、アレルギーの原因や症状とはどんなものなのか、また発症後の対処法などについて詳しく見ていきたいと思います。
Contents
ヘアカラーの薬剤の種類とは?
美容院では、それぞれの目的に合わせて薬剤を使い分けてヘアカラーを行います。
そこでここでは、その種類や特徴について詳しく見ていきます。
おしゃれ染めや白髪染めに使われる永久染毛剤
医薬部外品である永久染毛剤は、成分が髪の内部の奥深くにまで浸透して染めるため、色落ちが少なく長持ちし一度でしっかり染めたい方におすすめです。
特に永久染毛剤の中でも酸化染毛剤は、髪のメラニンを脱色するため明るめの色にも暗い色にも染めることが可能となっています。
しかしカラーした後は髪が傷みやすくなったり、かぶれやかゆみの原因になったりすることがあるため注意が必要です。
ヘアブリーチなどの脱色剤や脱染剤
髪を明るい色にしたい方や、一度染めた髪の色を抜きたいという方には、医薬部外品であるヘアブリーチなどがおすすめです。
脱色剤には髪の色素であるメラニンを、また脱染剤にはカラーで染めた色とメラニンを一度に脱色する効果があります。
酸化染料が配合されていないため、かぶれなどのアレルギーを起こすことはめったにありませんが、きちんとヘアケアしないと髪を傷めてしまう可能性があります。
ヘアマニキュア、カラートリートメントなどの半永久染毛剤
ヘアマニキュアは一度だけの使用で、色素を髪の内部まで浸透させ染めることが可能となっています。
一方でヘアカラーリンスやカラートリートメントは、何度か繰り返し使い続けることにより、髪の表面に色素がつくことである程度時間をかけてカラーリングしていきます。
これらは髪へのダメージが少ないため、髪を守りながら髪を染めていきたいという方に特におすすめです。
またアレルギーによりヘアカラーが使えない方でも、使用することが可能となっています。
ヘアマニキュアの色持ちは、だいたい約2~4週間程度であると言われています。
しかし汗や雨などで落ちることもあり、また肌や爪の間に入ってしまうと、なかなか取れなくなってしまうため注意が必要です。
ヘアマスカラやスプレーなとの一時染毛料
部分的に染めたい方や、短時間手軽にカラーを楽しみたい方におすすめです。
ヘアマスカラは、着色剤を髪の表面に塗ることにより、一時的に染めていきます。
この方法であれば髪へのダメージはほとんどありませんし、シャンプーすれば落とすことが可能となっています。
ただし雨などでも色落ちするため、衣服に色がついてしまう場合があるので気をつけましょう。
ヘアカラーによるアレルギーの原因は?
ヘアカラーに対してのアレルギーのほとんどは、1剤に含まれているパラフェニレンジアミン、通称ジアミンが原因であるとされています。
アレルギー症状はヘアカラーした当日の夜や翌日に出ることが多く、一度アレルギーが起こると完治するのは難しいといわれています。
現在ヘアカラーのアレルギーを持つ方はごく少数であるとされていますが、もしかしたら今後増加していく可能性もあるかもしれません。
ヘアカラーによるアレルギーの症状とは?
アレルギー症状が起こると、頭皮や髪の生え際、まぶたやおでこ、首などにかゆみや赤み、腫れや湿疹などができ、さらに重症化するとアナフィラキシーを起こす可能性もあるため、くれぐれも注意が必要です。
アレルギー症状の多くは、ヘアカラーに含まれているジアミンに対する過剰反応であるとされています。
これまで何年にもわたり、特に問題なくヘアカラーを行っていたという方でも、風邪などをひいたりして免疫力の低下などがあると、ある日突然アレルギーを発症する場合があります。
特に女性の場合は生理の時などには、肌が敏感になるためヘアカラーを避けた方がいいと言われています。
また季節による温度や湿度の変化により、頭皮の状態が変わることも考えられます。
例えば湿気が多く暑い夏場は、髪の中が熱でこもりやすくシャンプーの回数も増えることにより、頭皮のかき壊しが起きることがあります。
こういう時にヘアカラーを行うと、薬剤が染みて頭皮のトラブルが起きやすくなるため注意が必要です。
また頭皮が乾燥しやすくなる冬にも、頭皮を無意識にかいてしまうことがあり同様のことが起こるため、やはり気をつけなければなりません。
このように夏や冬など季節の変わり目には、頭皮が荒れやすくなるため、アレルギー症状を起こす可能性が高くなります。
さらに症状が軽くすぐに治まったからといって放置しておくと、悪化して息切れやせき、動悸やめまい、血圧の低下などのアナフィラキシーの引き金となるため、注意するようにしてください。
ヘアカラーによるアレルギーは治る?
残念ながら、ヘアカラーに含まれているジアミンによるアレルギーの症状が完全に治ることはありません。
それどころか、ヘアカラー後にかぶれやかゆみなどの症状があるにも関わらず我慢していると、ますます症状が悪化していくこともあります。
ですからジアミン含まないヘアブリーチやヘアマニキュア、またノンジアミンカラーで髪を染めるといいでしょう。
ジアミンによるアレルギーは遺伝するの?
ジアミンによるアレルギーが遺伝することはありません。しかし親子で体質が似ているという場合、アレルギーを発症する可能性は高くなると言えます。
ヘアカラーで異常を感じた際の対処方法は?
ヘアカラーにより、かゆみや赤みなど何らかの異常が感じたら、すぐに施術をやめて皮膚科などの専門医を受診するようにしましょう。
もしその後にヘアカラーをしたいという場合は病院でアレルギーの検査を受け、ノンジアミンで自分の体質に合ったものを使えばヘアカラーをすることができます。
また最近は、子供のうちから髪を染めるケースもありますが、子供の皮膚はまだ未発達なため化学物質の影響を受けやすいと言われており、髪を染める場合には特に注意が必要です。
あまり年齢の低いうちからヘアカラー剤を使うと、アレルギーを発症するリスクが高まるとも言われているため、できれば避けるようにした方がいいでしょう。
事前にパッチテストを行うことがおすすめ
アレルギーに対して不安がある場合は、美容院にアレルギーのことを前もって知らせておき、パッチテストを行ってから施術を受けることをおすすめします。
パッチテストは腕などの目立たない箇所にヘアカラー剤を塗り、10分〜20経った後に洗い流します。
48時間以上経過して何も症状がない場合は、通常通りヘアカラーして問題ありません。
アレルギー症状にくれぐれも注意しよう
ヘアカラーによるアレルギーは突然発症することもあり、また一度発症してしまうと治らないため、少しでもかゆみや湿疹などの症状があった場合には、決して我慢せずにすぐに施術を中止してください。
そういう方はヘアブリーチやマニキュアなどで髪の色を変えたり、ノンジアミンカラーを行うといいでしょう。
アナフィラキシー症状が起こると重篤な状態になる可能性も否定できけないため、アレルギーに対して不安のある方は、自分の身を守るためにも美容院などでパッチテストを行ってから、ヘアカラーするように心がけることが大切です。