髪を切ったら、成長が早くなったと感じることがあるはずです。
ある意味では錯覚の部分もありますが、成長が早くなれば、抜けたぶんよりも多く生えてくるため、薄毛にならずに済むかもしれません。
髪の成長速度を知っておくと、自分の髪の状態を早めに観察しダメージを発見できる可能性が出てきます。
髪の成長プロセス
人間の髪は、頭皮の下にある毛母細胞が細胞分裂を起こし伸びていきます。
一旦伸びていった髪は、細胞が死んだ状態で、その後成長したりはしません。
構造としては爪に似ている部分を持ち、毎日少しずつ伸びていくのです。
この速度は1日で0.3から0.4mmと言われています。
もちろん、人によって成長速度には差があるため、誰でもいつでもこの範囲内に収まるというわけではありません。
この値を平均値としてとらえた場合に、一週間で約2.5mmほど、1ヶ月で約1cm弱といった成長速度になります。
1年で約11cmから12cmといった長さになるでしょう。
このように数値で見ると思っていることを成長していないことがわかります。
ですが、12cmというのがどのを程度か想像がつくでしょうか。
意外と分からないのがこのような数字ですが、約12cmというのは350ミリ缶の高さです。
単行本の横のサイズもB6の場合には12cmとなりますが、このように実際の長さで見てみると結構成長していることがわかるでしょう。
人間の頭皮には髪が約10万本ほど生えますが、成長期に入っていればこのような成長速度を見せてくれます。
ただし、全ての髪が成長期に入っているわけではなく、後退期に入った髪は成長を見せずに徐々に抜けて行くのです。
やがて休止期に入り、まったく成長しない状況が出てきますが、この段階では毛母細胞もなくなっています。
新たなも毛母細胞を作るまでの力を貯める期間でもあり、やがて成長期に戻ればまた同じような速度で成長するのです。
男女によっての成長のさ
髪が伸びる速度は人によっても違いがありますが、男女の性別によっても差があるのです。
女性の方が長い髪にしたりするのは、この成長速度が関係しています。
毛周期の男性における成長期の長さは、大体3年から4年です。
意外と長く感じるかもしれませんが、女性は5年から6年も成長期が続きます。
この間、髪が成長し伸びていくことになるとすれば、約2年間の差で25cm近く出てくることになるでしょう。
この差はかなりの違いです。
性別によって髪の伸びる速度に違いがあるのは、女性ホルモンが大きく影響しています。
女性の方が女性ホルモンの分泌が多く見られますが、髪の成長を促進させるためにも大きな影響を与えているのです。
その女性ホルモンであるエストロゲンが多く分泌されやすい女性の方が、髪の成長期が長いと言えるでしょう。
そのぶん成長する期間が長くなるため、男性よりも髪の長い人が多くなるのです。
もちろん、これも個人差があるため、誰でも同じように長い髪ができるわけではありません。
年齢によっても髪の成長速度には差が出て行きます。
若い時の方が髪が伸びやすいのも確かで、この背景にはターンオーバーが隠れているのです。
人間の肌にはターンオーバーがあり、古くなった部分は新しい組織に押し出され、落ちていくことになります。
頭皮も髪も肌の一部であり、何か特別な存在ではありません。
ターンオーバーが正常に行われていれば、そのぶんだけ細胞分裂も活性化していきます。
ところが年齢とともにこの機能が衰えて、ターンオーバーが難しくなっていくのです。
これは基礎代謝の低下が原因であり、血流の悪化もまねき髪の成長にも影響が出てきます。
当然、髪は成長速度を落とすこととなり、だんだんと伸びにくくなるのです。
避けられない部分とはいえ、できるだけ基礎代謝を下げないようにしながら、ターンオーバーを促進できるようにする努力が必要でしょう。
カットしたら成長するのか
薄毛にならずに済むという面では、少しでも髪が成長してくれればいいと思う人も多いはずです。
髪が成長していれば、抜けたり切れたりしても全体の本数を確保できます。
そこでカットすれば長く伸びるという話をどうとらえるかという問題が出てくるはずです。
髪の成長は毛周期によって行われています。
ヘアサイクルと呼ばれる周期がすべてのカギを握っており、ただしサイクルを築いている間には薄毛にはなりません。
髪もしっかりと成長しているためですが、サイクルに狂いが生じてくれば、このバランスが取れなくなるのです。
この基本的な考え方から見た場合に、カットしたからといって髪が早く伸びることはありません。
髪の成長と先端部分を切ることは繋がりがないからです。
しかし、全てが影響なしというわけではなく、髪の重量という面では影響を与える可能性があります。
髪が持つ自重によって毛根にかかるストレスがありますが、カットすることで少し軽くなるからです。
これが負担を減らす結果となり、髪が伸びる速度に影響を与える可能性はゼロではありません。
それでもわずかなものであり、大きな影響を与える要因ではないのを理解しておきましょう。
髪の成長速度を速めるための方法
髪の成長速度を速めるためには、栄養を送り込むための血行促進が欠かせません。
栄養があれば、髪は成長できるからです。
逆に血液の流れが悪くなり栄養を送り込みなくなると、髪の成長は遅れを見せます。
遅れるだけではなく、作れる栄養がなくなれば伸びる量も短くなるため、成長しにくくなるでしょう。
薄毛という部分で考えても、当然大きな影響を与えます。
睡眠も重要な要素になります。
髪を成長させるためには、成長させるための指令が必要です。
これは女性ホルモンだけではなく、成長ホルモンが関わっています。
成長ホルモンの分泌がうまくいかなければ、髪は成長できません。
成長速度のレベルではなく、成長したいがうまくいかなくなるかもしれないのです。
成長ホルモンが多く分泌されるのが睡眠時で、夜10時あたりから2時あたりの時間がピークになると言われてきました。
肌のターンオーバーを司る成長ホルモンですが、髪の成長にも多く利用されているため、出来るだけ多く分泌されなければ利用できないのです。
ただ寝ているだけでは意味がなく、良質な睡眠も影響してきます。
人間は横になっただけでは良質な睡眠にはならず、数時間周期で睡眠のリズムが変わるため、できるだけ早く休むことが必要です。
栄養のバランスと相反する部分も出てきますが、食事をとったあと3時間程度は置かなければ、消化が進んで行きません。
この間に就寝してしまうと胃の中に残ってしまうため、血行を悪化させる要因となるのです。
睡眠をとる時間を逆算していくと、6時から7時までには食事をとり、夜の睡眠に入る準備をするのが髪の成長速度を速めるために必要な条件になります。
ストレスをためない生活も大切で、自律神経に影響を与えます。
自立神経が高ぶると、良質な睡眠がとれません。
普段からストレスをためないように発散できる方法を身につけると共に、オンオフを切り替えるなど自分でスイッチを入れられるようにすると良いでしょう。
まとめ
髪の成長速度は人それぞれ違いがありますが、多くの条件がかかわって変化するのは間違いありません。
その条件を揃えてあげることにより、髪の成長速度を速め薄毛にならないような対策もとれるようになります。
ただし、即効性が高いものではないので、普段の生活の中から注意しておかなければいけません。