髪の毛の持つイメージは、女性にとって大切なものですよね。
朝、髪型が決まると一日が気分よく始まるのに、逆に、まとまりが悪く納得いかない髪型で出かけなければならない時などは、すっきりしない気分になってしまう。
髪の毛は女性の外見を決めるうえで大切なパーツの一つですが、実は髪の毛の構造やその働きは私たちの体を守る役割があるのです。
この記事では髪の毛の構造を理解して、健康的な髪の毛を保つようにしましょう。
Contents
髪の毛は皮膚の一部が変化したもの
髪の毛は、外見上のイメージのためだけにあるのではありません。そもそも髪の毛は身体を覆う皮膚の一部です。
皮膚は表皮と真皮と脂肪層からなるというのはスキンケアの知識として、ご存知の方も多いと思います。
厳密には、髪の毛は表皮から発生する皮膚の一部であり、私たちが日常生活を送るうえで欠かせない働きをしているのです。
たとえば体温が急激にぶつかったときにはクッションの役目をして、その衝撃を軽減してくれたり…。
そして、頭髪のトラブルは、隠れた病気のサインである場合もあります。
髪の毛の構造と働き
髪の毛は複雑な構造でできており、それぞれ役割があり、働きも異なります。生え方や毛根部分の構造も具体的に解説していきます。
見える髪の毛は死んだ細胞
頭皮から出ている髪の毛といわれる部分を毛幹といいます。毛幹はケラチンと呼ばれるタンパク質からできています。
頭皮の中に溜まっている部分が毛根で、髪の毛を作っているのはこの毛根部分で、毛幹はすでに死んでしまった細胞です。
斜めに生えているのは保湿のため
髪の毛は頭皮に対して斜めに生えており、雨などの水滴が表皮に直接当たらないようにして、急激な体温低下を防いでいます。
体温を一定に保たなければならない恒温動物の人間にとって、髪の毛は保湿をつかさどるとても大切な役目もになっています。
ここが髪の毛の製造工場
髪の毛の成長で大切なのが、毛根の一番下の部分にある毛球。髪の製造工場といえるのが、くぼんだ部分である毛乳頭です。
ここでは髪の毛のもととなる毛母細胞があります。毛母細胞が酸素や栄養素を取り込み、細胞分裂を繰り返していくことで髪の毛が伸びていきます。
髪の毛は、健康な人で1日平均0.35cmほど伸びます。
髪は新旧が入れ替わっています。
シャンプーやブラッシングをした時に髪の毛は抜けます。でも、髪の毛がなくならず、一定の量を保っているのはなぜでしょう?
髪の毛にも寿命というものがあります。毛母細胞から生まれた髪の毛はどんどん成長していきますが、それもやがて寿命を迎え、自然と抜け落ちてきます。
人間の髪の毛は10万本あるといわれていますが、1日に80本~100本くらいは自然に抜けていくもの。
でも髪の毛がなくならないのは、次から次へと新しい髪の毛が生えてくるからです。
ヘアサイクル
髪の毛の一生には、古い髪の毛が抜け、新しい髪の毛が生えてくるというサイクルがあり、これをヘアサイクル(毛周期)といいます。
ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3つのステージに分かれます。
3つのステージではそれぞれ、髪の毛はどのような状態にあるのかを示していますので、具体的に解説していきます。
成長期
毛母細胞の細胞分裂が活発で、毛球部で毛がどんどん製造される期間。つくられた毛を上部へと押し上げます。毛量全体の約90%が成長期の役割にあります。
退行期
次にやってくるのが退行期。この時期は毛母細胞の細胞分裂が衰えます。髪の毛の色を決定する色素細胞の活動も弱まります。
休止期
毛母細胞の細胞分裂が止まってしまう時期で、髪の毛の製造が止まります。この後成長期がやってくる前に、古い髪の毛は抜けていきます。
女性の薄毛の原因は一つではない
髪の毛の役目やヘアサイクルについて理解できたでしょうか?ここからは女性の薄毛や抜け毛のメカニズムについて解説していきます。
前項で解説したヘアサイクルから見ると、「成長期が短くなって休止期毛の割合が増えれば薄毛になる?」と思われるかもしれません。
これは男性の薄毛の原因に限って言えば正確といえるでしょう。でも、女性の薄毛の原因にはそれとは異なるメカニズムが働いているのです。
もちろん女性であっても年齢を重ねるに従い、退行期や休止期にある髪の毛の数は増えていき、薄毛の原因となります。
しかし、これ以外の様々な原因が重なって、薄毛が進行することが断然多いのです。
薄毛を促進する6大要因
女性の薄毛を促進する要因は大きく6つあります。思い当たることはありませんか?
これらが髪の毛のハリやコシをなくし、ボリュームのない髪の毛…つまり薄毛を作ってしまうのです。
加齢
彼に伴いヘアサイクルも変化。成長期が短くなるのは、加齢による影響が大きいとされます。髪のハリやコシなど髪質も悪化してきます。
ストレス
仕事や人間関係、生活の変化によるストレスもホルモンバランスや血流に悪影響を与え、薄毛を進行させます。
良くない生活習慣
睡眠不足、偏った食事、運動不足、喫煙といった生活習慣が、血行不良を招きます。髪質や頭皮環境の悪化につながり、薄毛の原因になってしまうのです。
ホルモンバランスの乱れ
更年期になると、女性ホルモンなどが急激に減り、バランスが崩れます。髪の毛が細くなるのは、女性ホルモンが減少するためです。
頭皮トラブル
自分の髪の毛に合わないヘアケア商品の使用などは頭皮トラブルを招き、髪の毛が生える土壌となる頭皮に悪影響を及ぼします。
過度なダイエット
極端な食事制限などによるダイエットをすると、髪の製造工場となる毛根部に必要な栄養や酸素が行き渡らなくなります。ミネラル摂取不足も注意。
頭皮に負担の少ない髪型に
頭皮状態が良好で、健常毛であれば、ロングでもショートでも髪型が頭皮の負担になるということはありません。
ただし、どちらかといえば、長い間、極端なロングヘアにしているのはやはり毛穴に負担がかかるのは事実です。
ロングの場合、切れ毛や枝毛などが気になってきたときは、毛先を切ってそろえたほうがボリューム感は保てます。
特定の髪型を作るために、逆毛を立てたり、スタイリング剤を毎日大量に使ったりすることを繰り返せば、当然、頭皮環境にはマイナス。
無理に作ったヘアスタイルのせいで、頭皮の血流が阻害されたり、髪や地肌を傷めてしまう事も多いのです。
また、長期間エクステンションを付け続けるのも毛穴にかなりの負担をかけます。
さらに、ずっと縛った髪型も、すでに紹介した牽引性脱毛症を引き起こしかねません。
頭皮に負担をかける髪型は結婚式やパーティーなど、短時間だけにしておいた方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では髪の毛の構造やその働きについてまとめてきました。
髪の毛と一口にいっても、複雑な構造や働きがあります。さらにヘアサイクルが正常に回ることによって新旧が入れ替わっています。
女性の方で薄毛になってしまうので、様々な原因がありますので、ある日突然毛髪量が減少しているという方は、まずは心当たりのある原因を見つけ、一つ一つの原因に合った対策をしましょう。
また、オシャレのためにセットしている髪型が、頭皮に負担をかけて薄毛を引き起こしてしまう可能性もありますので、できるだけ頭皮に負担をかけずにオシャレを楽しむことが大切です。