私たち女性の髪の毛は単にファッションの一要素などではなく、人体に取って非常に重要な器官であるということは皆さんご存知でしょうか?
その割には髪の毛については知らないことばかりですよね。髪の毛に何かトラブルがあればそれは、身体の中でも不調なことが起こっている場合も少なくありません。
そのためには髪の毛を元気にするための生活を送る必要があるのですが、髪の毛を元気にするためにはまず、髪の毛を知ることが大切です。
この記事では、髪の毛の構造や生理、髪の毛が生えるメカニズムなどについて解説していきますので、髪の毛について正しい知識を深めていきましょう!
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日本人の髪の平均本数と寿命
成人になると全身には約500万本の毛が生えています。頭部全体では約100万本で、そのうちおよそ10%、つまり10万本が頭髪といわれています。
といっても髪の毛の色でかなり違いがあって、色素の濃い髪の毛よりも薄い髪の毛の方が本数が多く、金髪で約14万本、黒髪はそれよりも少なくて10万本というのが平均的なところのようです。
日本人の髪の毛は金髪や褐色の髪の毛に比べると本数は少ないのですが、そのかわり1本1本は太く、普通の人で0.08mm~0.09mm、猫毛と呼ばれる柔らかな髪質の人で0.06mmくらい、硬い髪の人は0.1mm以上、中には0.15mmの人もいるとか。
最も一人一人の髪の毛の中には太い毛が混じっていて、決して均一ではありませんが、それでも軟らかかったり、硬かったりと髪質は違うものです。
また髪の毛は永遠に伸び続けていくかというとそうはいかず、平均寿命はおよそ5,6年。
毛根は6年ほど働いた後3,4か月くらい活動を休止して次の毛をはやすエネルギーを蓄えます。
この時に発毛や育毛に適した条件がそろわないと、次の毛を作る活動を停止してしまうことがあるのです。
毛髪の誕生
次に、毛髪の誕生から脱毛までのプロセスを見ていきましょう。
毛髪の一生は「誕生」から「成長期」「退行期」「休止期」そして「脱毛」というように大まかに分けることができます。
このうち誕生から成長期までの変化は、母親のおなかの中にいる胎児期に起こります。
成長期から抜け毛に至るヘアサイクルは生まれてから何度も繰り返して行われますが、胎児期に起こる変化は一度だけです。
このように毛髪は生命が芽生えてからの9~14週間目頃、皮膚の形成と同じ時期に発生し、すでにその時点で髪の色や髪質、形状などが決まってしまうのです。
毛髪の一生
髪の毛は毛根部にある毛乳頭に接した毛母細胞と呼ばれる髪の毛を作る細胞が分裂し、上に上にと押し上げられていくうちに成長し、角化していきます。
毛乳頭で製造されている毛は休みなく成長し続けるのではなく、成長期は5,6年といわれています。
ただ毛髪の中でも額の生え際だけは4~9ヶ月と成長期が短いのが特徴的です。またどちらかというと男性よりも女性の方が成長期が長いといわれています。
髪の毛の一生は、1本1本の毛は各々異なった固有のヘアサイクル(毛周期)をもっています。
髪の毛を美容院できちんとカットしてもらったのに、3週目くらいになるとどうもヘアスタイルが崩れてくるのを経験したことが誰しもがあると思います。
実はこれが髪の毛のヘアサイクルが1本1本異なるために起きる現象なのです。
髪の毛は1日100本程度抜ける
ぐんぐん伸びている成長期の髪の毛は、毛髪全体の85%~90%を占め、1%が退行期、9~14%が休止期にあるといわれています。
1日に抜ける毛は休止期のうちの70本前後。100本程度までは生理的脱毛で問題ないと考えられていますので、安心してください。
しかし、抜け毛の中に細い毛が目立つようになったら、ヘアサイクルが乱れていることになるので要注意です。
正常なヘアサイクルだと、抜け落ちる前に次の新しい毛が再生されているので本数に大きな変化がないのですが、再生前に抜けてしまうと、その毛穴は空席状態になってしまいます。
成人の毛周期は約6年ですが、新生児の毛周期は約2年、この後生えてくる毛髪の周期は約3年、次は4年の周期へと変化していきます。
そうしていくうちに毛がだんだん太くなり、子供の毛から大人の毛へと変わっていくのです。
一般的にヘアサイクルのピークは男性で20歳、女性で25~30歳といわれています。
毛髪の構造
毛髪の主成分はケラチンという弾力性に富んだタンパク質です。毛髪を、頭皮の下にも生まれている毛根、頭皮の上に出ている毛幹の2つに分けてみていきましょう。
毛根で活発に細胞分裂する毛母細胞
毛根の周りは袋のような毛包で包まれています。
髪の毛を無理やり引き抜くと、根元にぷくんと、半透明の膜状の袋のようなものがついてくるでしょう。それが毛包です。
根元の一番下のところは少し膨らんでいて毛球と呼ばれ、新陳代謝が盛んにおこなわれているところです。
毛球のくぼんでいるところには毛乳頭が入り込んでいます。毛乳頭は皮下組織と繋がっていて、栄養補給をしています。
毛球の中の毛乳頭に接するところにある毛母細胞は、毛乳頭から栄養を取り入れながら分裂を繰り返しています。
次々に生まれてくる細胞は毛包の中で上へ上へと押し上げられ、その成長過程で細胞が角化して毛髪になるのです。
毛幹部のガード役「キューティクル」
一方、頭皮の上に出ている毛幹は3層に分かれていて、中心から「毛髄質」「毛皮質」「毛小皮」呼ばれています。
毛髪の断面図はちょうど巻きずしのような感じです。芯のキュウリやかんぴょうが毛髄質、その周りのご飯がもう皮質、外側のノリが毛小皮といったところです。
一番外側の毛小皮は、よく聞く「キューティクル」のことで、キューティクルがしっかりキレイに揃っている状態の髪の毛はしっかりとガードされており、つややかで美しいです。
キューティクルが傷むと外部からの刺激を受けやすくなり、潤いが保たれなくなって、パサパサした髪の毛になってしまいます。
髪の毛はうそをつかない
細胞分裂を繰り返しながら増殖している毛母細胞には毛細血管を通して栄養が補給されています。
ただし送り込まれるのは、毛の製造に必要な栄養素ばかりではありません。
口から取り入れる食物の栄養素だけでなく、経皮敵に吸収されたものも血液を介して髪の毛に送り込まれるのです。その中には有害な薬物なども含まれます。
たとえ本人が覚せい剤や大麻などのドラッグを使用していないとしらを切ったとしても、髪は正直者。
1本の髪の毛に全てが記録されているので、分析すればウソがばれてしまいます。
そのほか水銀や鉛、アルミニウムなどの有害な金属元素の検出にも毛髪を使うケースが多く、水俣病の患者さんの毛髪から大量の水銀が検出されたのも代表的な一例です。
髪の毛は1本1本生きている身体の大切な器官!
いかがでしたでしょうか?この記事では、女性の髪の毛の構造について解説してきました。
髪の毛にも一生があって、誕生から脱毛まで様々な過程があるのです。髪の栄養の摂り方は植物とよく似ています。
植物は根から土中の養分を吸収しますよね。同様に、髪の毛も毛乳頭から養分を吸い上げ、元気な髪の毛を育てていくのです。
このよう分の元こそ血液です。髪の毛を根本的なところから美しく健やかに育てるためには、血液の質をよくするように心掛けることが大切です!