生野菜でも冷凍食品でもよく見かけるブロッコリー。
野菜としてはタンパク質が豊富で、しかもビタミンやミネラルもたっぷりです。
最近注目されているものにブロッコリースプラウトやスーパースプラウトがありますが、
これはブロッコリーの新芽で、ブロッコリー以上の栄養価があるといわれています。
でも、スプラウトはどこの八百屋やスーパーでも扱っている訳ではないし、使い道が限られるし…。
ということで、スプラウトのお話も交えながら、ブロッコリーの栄養価や髪の毛への働きについて解説します。
Contents
ブロッコリーってどんな野菜?
ころんとした形がかわいいブロッコリー。
野菜なのに結構食べ応えがあって、健康的なダイエットに良いと言われていますが、どんな野菜なのでしょうか。
ブロッコリーの産地
ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。
キャベツの一種で原産は地中海ですが、当時は花を食用としていました。
それがイタリアに渡り品種改良されたのが、現在のブロッコリーです。
日本で食べられているものの多くは国産で、北海道や愛媛、埼玉などで作られています。
輸入は全消費量の約3分の1で、米国産が主です。
冷凍ではなく生の状態のものを氷が入った発泡スチロールの箱に入れ、船で2週間かけて運ばれてきます。
その他、業務用スーパーでは中国から冷凍されたものが届くようです。
ブロッコリーの栄養成分
ブロッコリーMサイズ1株(約125g)には、これだけの成分が含まれています。
タンパク質
脂質
炭水化物
食物繊維
ビタミンA(β-カロテン)/ビタミンB1・B2・B6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン/ビタミンC/ビタミンE/ビタミンK
ナトリウム/カリウム/カルシウム/鉄/亜鉛/銅/マグネシウム/リン/マンガン/セレン/モリブデン
ビタミンは量が豊富で、たった1株で1日の必要量の1/5~1/3も含んでいます。
特に多いのがビタミンCで、1日の必要摂取量の1.5倍、150mgも摂取できるのです。
キャベツの一種ですが、キャベツよりずっと栄養価が高くなっています。
最近注目の成分スルフォラファン
スルフォラファンはファイトケミカルの一種で、約30年前にアメリカで発見されました。その後も研究を続け、現在以下の効能・効果があるといわれています。
・ガン予防
・抗酸化作用
・肝機能向上
・新陳代謝促進
・血圧降下
・ピロリ菌減少
・紫外線防止
ブロッコリー内にはスルフォラファングルコシノレートという成分で含まれており、これが体内に入ってスルフォラファンに変化します。
1日の摂取目安量は30mg程度とされ、ちょうど1株分です。1回摂れば3日程度効果が持続するといわれています。
ブロッコリースプラウト、ブロッコリースーパースプラウトとは
ブロッコリースプラウトとはブロッコリーの新芽で、発芽後数日の芽です。
その中でもスーパースプラウトと名付けられたものは発芽後3日目の新芽で、最もスルフォラファンを多く含んでいます。
栽培方法などによって大きく変わりますが、最大で20倍以上といわれています。
摂取量でいうと、1.5パック分で1日分を摂取できます。
また、その他の栄養価に関しては、同じ重さで比較すると葉酸やパントテン酸、ビタミンCなどはブロッコリーの方が多いものの、それほど変わりません。
価格的にも、同じ栄養量を摂るにはあまり違いがないので、手に入る場合はブロッコリースプラウトやスーパースプラウトのほうが良いかもしれません。
しかし、これらは栽培方法によってスルフォラファンの量が全く違い、ほとんど含まれていないものもあることが販売会社のデータなどでわかっています。
様々な料理に入れられ、手軽に手に入ることも考慮すると、ブロッコリーのほうが便利ですね。
ブロッコリーの健康への作用
ブロッコリーには健康を維持する作用がたくさんあります。ここでは代表的なものをご紹介します。
活性酸素の除去作用
ブロッコリーにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれています。
この3栄養素は「ビタミンACE」と呼ばれ、それぞれにも活性酸素を除去する抗酸化作用がある上に、お互いの働きを強める働きがあります。
活性酸素は呼吸するだけで体内に取り込まれ、さらに紫外線や生活習慣、ストレスなどでどんどん増えてしまいます。体内には活性酸素を除去するSOD、カタラーゼなどの酵素が存在していますが、加齢とともに減少してしまいます。
そこで、その代わりとなるのがビタミンACEです。活性酸素を除去することで細胞の老化を防ぎ、生活習慣病やメタボを予防・改善してくれるのです。
さらに、スルフォラファンには抗ガン作用もあるといわれ、変異した細胞を正常に戻す効果が確認されています。
肝臓の解毒作用促進
肝臓には有害物質の解毒・分解作用があり、体内に水銀や鉛、カドミウムなどが蓄積されないよう無毒化し、排出させています。
しかし肥満や飲酒などによって肝臓が疲労すると、その機能が低下してしまいます。
スルフォラファンには肝臓に存在する解毒酵素の生成を助け、肝臓の機能を高める働きがあります。実験では、肝炎や肝障害の予防作用があることがわかっています。
胎児の成長を促す
葉酸はDNAの合成と深い関係があり、胎児の成長に欠かせない成分です。
不足すると先天性の心疾患や神経管閉鎖障害の原因になるといわれています。
ブロッコリー1株には大人の必要摂取量の約1.1倍含まれており、妊娠中・授乳中は他の野菜や少量のサプリをプラスすれば、充分な葉酸を摂ることができます。
免疫力をアップする
豊富なビタミンCには免疫力を高める働きがあります。
ビタミンCには病原菌と闘う白血球を助ける働きと、自身が病原菌と闘う働きの両方があります。
風邪を引きやすい人ほどビタミンC不足になっていることがわかっており、ブロッコリーが免疫力を高めてくれるのです。
これら以外にも、むくみ解消や整腸作用、エイジングケアなど多くの働きがあります。
ブロッコリーの頭皮と髪への作用
ブロッコリーは近年育毛業界でも注目されている成分です。
その理由は、頭皮と髪の健康を維持する以下の働きがあるからです。
造血作用で毛母細胞に栄養が届く
葉酸は造血のビタミンと呼ばれ、赤血球の元となる赤芽球を作っています。
葉酸を摂取することで血液が増えると、頭皮に充分な栄養が届くようになります。
また、血液が固まるのを防ぎサラサラにしてくれます。
ブロッコリーには葉酸が非常に多く含まれているので、髪を産み育てる毛母細胞が正常に細胞分裂を行なえるようになり、
育毛効果が期待できるのです。
毛母細胞の正常な細胞分裂を保つ
細胞の中にはDNAやRNAなどの遺伝子情報を持った核酸があり、細胞はこの情報を正確にコピーして新陳代謝や細胞分裂・増殖を行なっています。
葉酸はDNAやRNAの生成に必要な酵素を助け、毛母細胞の分裂が正常に行なわれるようサポートしているのです。
そのため、葉酸が不足すると髪が弱くなったりうねったりしやすく、薄毛の原因となります。
男性ホルモンDHTの分解酵素を増やす
男性ホルモンのテストステロンは、加齢とともに減少すると酵素と結びついてDHTというホルモンに変化しますが、DHTには強い脱毛作用があります。
男性ホルモンは女性も持っており、30代に入って女性ホルモンが減少すると男性ホルモンの働きが強くなり、DHTも増えてしまうのです。
また、ストレスによっても増えることがわかっており、女性の薄毛の原因の一つとなっています。
そこで注目されたのがブロッコリーやブロッコリースプラウトです。
スルフォラファンにDHT分解酵素を増やす働きがあることが、最近の研究でわかってきたのです。
現在のところ動物実験や試験管内実験による結果しか出ていないものの、薄毛専門クリニックの医師も高い効果が期待できる、と述べています。
女性ホルモンの働きを活性化する
ブロッコリーはビタミンEも豊富で、1株で1日の必要量の約半分を摂ることができます。
ビタミンEには女性ホルモンの代謝を促進し、髪の毛の寿命を伸ばして抜けにくくしたり、太くしっかりした髪を作ったりする作用があります。
そのため、ブロッコリーを食べることで女性ホルモンの働きが良くなり、薄毛防止に役立つのです。
まとめ
ブロッコリーはビタミンやミネラル、タンパク質など髪に良い成分がたっぷり含まれています。
しかもカロリーが低く、炭水化物の約85%が食物繊維で、糖質も低くなっています。
ブロッコリーをそのまま、あるいはブロッコリースプラウトやスーパースプラウトを週2~3回食べて、
髪にも身体にも良い成分をたっぷり送りましょう。