女性の薄毛

今さら聞けない女性ホルモンの基礎知識!薄毛との関係は?

「昔よりも、抜け毛が増えた気がする……」

フサフサだった髪の毛が徐々に減り、薄毛が気になりだしたという女性は多いです。

もしかしたら、女性ホルモンの働きによるものかもしれません。ホルモンバランスの影響で、女性の体には少しずつ変化が。

「女性ホルモンって大事らしいけど、あまりよく知らない」という声にお応えして、今回は女性ホルモンの基礎知識を解説します。

この記事を読むと、女性ホルモンが減ると起こる症状や薄毛との関係、女性ホルモンを増やす方法が分かりますよ。

女性ホルモンとは

ホルモンとは、体の様々な働きを調整してくれる物質のこと。女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあります。

エストロゲン

エストロゲンは、女性らしい体づくりを手助けするホルモンです。

8歳ごろから分泌が始まり、初潮が始まる12歳前後から徐々に分泌が増えます。20~30代前半をピークに、その後は分泌量が減少します。

妊娠、出産に深く関わっているほか、髪や肌の調子を整えたり、骨の密度を保ったりする働きが。

また、脳や自律神経にも作用し、記憶力や集中力を高める働きも。

プロゲステロン

プロゲステロンは、妊娠の準備と手助けをするホルモンです。

エストロゲンとともに、周期的に分泌されます。プロゲステロンは、生理開始2週間ほどで排卵が起こるタイミングで増加します。

子宮内膜を整え、基礎体温を上昇させる働きによって、妊娠維持に活躍。

妊娠が起きていない場合はプロゲステロンが減少し、子宮内膜がはがれ落ちることで生理が起こるのです。

女性ホルモンの仕組み

エストロゲンとプロゲステロンは、月経に深く関わっています。

エストロゲンが最も分泌されるのは、生理の後。自律神経の働きが安定し、ポジティブに過ごしやすい時期です。

プロゲステロンは生理前に分泌。体温が上昇し、妊娠に適した状態に。

一方で、胸のはりや便秘、肩こりといった不調が出やすく、イライラしたり、やる気が出なかったりする時期でもあります。

また、女性のライフステージにも、女性ホルモンが大きく影響しています。

45歳~55歳頃は更年期と呼ばれ、エストロゲンの分泌が急激に低下。月経周期は変化し、閉経を迎えます。

この期間は心身ともに不快な症状が起きやすいです。

55歳以降、エストロゲンはわずかな分泌となり、不快な症状は徐々に落ち着きます。

ただ、体を守る働きが低下するため、生活習慣病や骨粗しょう症になりやすくなります。

女性ホルモンが減ると?

女性ホルモンが減ったり、バランスが崩れたりすることで、自律神経に悪影響が及びます。

自律神経が乱れることで疲労がたまりやすくなったり、動悸、めまい、のぼせ、冷えなどの症状が出たりします。

また、肌の水分量が減ってしまい、シワや乾燥などの肌トラブルを引き起こすことも。

女性ホルモンによる不調は、40歳を過ぎた頃から、加齢とともに現れることが多いです。

ただ、20代前後の世代でも、無理なダイエットや睡眠不足、不規則な食生活などを原因として、ホルモンバランスの乱れが見られることがあります。

女性ホルモンと薄毛の関係

女性ホルモンの分泌が減ると、薄毛が進みやすくなる可能性が。

女性ホルモンが減ることで、髪の毛が細くなったり、コシやツヤがなくなったりします。髪の毛が成長しづらくなり、抜け毛が増えることも。

閉経後は、エストロゲンが急激に減少。びまん性脱毛症と呼ばれる、つむじや分け目から地肌が目立ち始めて広がっていくタイプの薄毛が進行しやすいです。

全体的に髪のボリュームが減っている場合は、今までは1つの毛穴から3本生えていた髪の毛が、1~2本しか生えなくなっており可能性が。

女性ホルモンが減ることで男性ホルモンが相対的に増加。額の生え際や頭頂部の髪が薄くなるなど、男性型脱毛症の症状が発生することもあります。

出産後も、抜け毛の症状が出やすいです。

妊娠中は女性ホルモン濃度が高く、出産後にホルモンバランスを戻そうとする反動で女性ホルモンが減少するため、抜け毛の原因に。

女性ホルモンを増やすには

大豆イソフラボン

大豆食品に含まれる「大豆イソフラボン」は、エストロゲンと似た構造をしています。

大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをするため、摂取することで女性ホルモンに関するトラブルを防ぎやすくなる可能性が。

薄毛や肌荒れを改善しやすくなったり、イライラしにくくなったりする効果が期待できます。

納豆、豆腐、豆乳、煮豆などに、大豆イソフラボンは含まれています。

大豆イソフラボンの摂取量の上限は、1日で70~75mgと食品安全委員会が指針を出しました。

納豆1パックは約37mg、豆乳200ccは約52mgの大豆イソフラボンが含まれているので、極端に食べ過ぎる必要はありません。

日常的に大豆製品をほとんど食べていないという人は、納豆や冷奴を食べる習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

食習慣の改善

食習慣の乱れは、女性ホルモンに悪影響を及ぼします。

極端なダイエットによる食事は、栄養価が偏りがち。女性ホルモンを調整するための栄養が不足してしまいます。

朝ごはん抜きの習慣もよくありません。1日3食、栄養バランスを考えて食べるようにしましょう。

また、食品添加物が使われているインスタント食品やファストフードは、体のミネラルの働きを妨げ、ホルモンの分泌を阻害する可能性が。

インスタント食品は便利ではありますが、食べ過ぎには気を付けましょう。

動物性脂肪や塩分・糖分のとり過ぎにも注意を。女性ホルモンは繊細なので、偏った食事の影響を受けやすいです。

加えて、脂質・塩分・糖分の摂取過多は血液をドロドロにしやすく、血液が本来運ぶはずだった栄養が、髪の毛に行き渡らなくなることも。

食習慣を見直し、改善点があれば少しずつ直してみましょう。

睡眠時間の確保

女性ホルモンを正常に保つには、良質な睡眠が必要です。

女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、分泌の指令を出すのは脳や神経。卵巣、脳、神経のすべてが正常に働くことで、ホルモンバランスが保たれます。

睡眠不足が続くと、脳には大きな負担が掛かります。その結果、女性ホルモンの分泌にも影響が及んでしまうのです。

日々のスケジュールを見直して、十分な睡眠時間が取れるように習慣づけるのがおすすめ。

また、寝る前にスマホやパソコンのブルーライトを浴びると、良質な睡眠が取りづらくなります。

ブルーライトには眼精疲労に加え、体内時計を狂わせてしまうこともあるので、夜遅くの使用は控えめにしましょう。

ストレスを減らす

大きなストレスを受け続けると、脳や自律神経の機能が乱れていきます。

女性ホルモンは脳や神経の指令を受けて分泌されているため、脳や神経が乱れれば女性ホルモンの分泌にも影響が。

日々のストレスが女性ホルモンを不安定にしている可能性があります。

日常的にストレスを抱えている人は、生活を見直し、負担を減らしたりストレスを発散したりするのが望ましいです。

まとめ

女性ホルモンは、生理や妊娠、ライフステージに大きな影響を与えます。

ホルモンバランスが崩れると、自律神経が乱れ、体の節々に不調が起こります。

薄毛も、ホルモンバランスの乱れから起きている可能性が。女性ホルモンの減少で、細くてコシのない髪の毛になったり、抜け毛が増えたりするのです。

女性ホルモンのバランスを安定させるには、「大豆イソフラボンの摂取」「食習慣の改善」「睡眠時間の確保」「ストレスを減らす」ことが挙げられます。

日常生活を見直し、できることから少しずつ改善していくことで、ホルモンバランスの安定につながります。

薄毛対策の第一歩として、今日から取り組めることにチャレンジしてくださいね。