ヘアケア

女性の薄毛の原因は酵素不足?発酵食品と生野菜で補給しよう

「酵素」という言葉は非常によく聞くものの、健康に良いらしい、という程度しか知らない人が多いのではないでしょうか。

しかし、酵素が充分ないと、薄毛になる可能性があるのです。

酵素とは?薄毛との関係は?そんな疑問にお答えします。

酵素の働きと身体に与える効果

酵素は私たちが生きていくために不可欠な成分の一つで、ミネラルをタンパク質が包んだものです。

食事で摂った食品を消化・吸収したり、エネルギー源に代謝したりするのが酵素の役割で、「消化酵素」「代謝酵素」「食物酵素」の3種類があります。

酵素の特徴

酵素の特徴は、1種類の酵素が1つの仕事しかできないことです。

例えば、食品に含まれる炭水化物を分解する酵素とタンパク質を分解する酵素は違います。

そのため、人間の体内には5,000種類もの酵素が存在します。

また、酵素には働きやすい温度があり、体温が35℃~40℃前後の時に最も活動が盛んになります。

冷たい物を食べると下痢するというのは、胃の中のタンパク質を分解する酵素が低温によってうまく働けなくなり、消化吸収できなくなるからです。

さらに、環境が中性の時に最も活動しやすく、アルカリ性または酸性に傾いたところでは働きが弱くなります。

例外として、胃液に存在するペプシンは強酸性の胃液の中でもしっかり働きます。

消化酵素の働き

食べたものを分解して消化する酵素のことで、栄養素を吸収しやすくする働きがあります。

消化酵素には、炭水化物(でんぷん)を分解する酵素、タンパク質を分解する酵素、脂肪を分解する酵素の3種類に分かれます。

さらに、食材によって酵素の種類も違い、消化酵素だけで3,000種類以上あるといわれています。

代表的な消化酵素にはこのようなものがあります。

・炭水化物分解酵素
アミラーゼ、ラクターゼ、サッカラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ など

・タンパク質分解酵素
プロテアーゼ(ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメラインなど)カルボキシペプチターゼ など

・脂質分解酵素
リパーゼ など

これらは体内で合成され、口や胃、腸などに存在し、消化をサポートしています。

代謝酵素
消化酵素によって分解・消化の後吸収された栄養素を、生命維持のためのエネルギーとして利用するのに必要な酵素です。

具体的には、呼吸や運動、肌の新陳代謝、免疫、自律神経調節、体温調節、老廃物排泄など、全身の臓器や組織の活動を支えています。

食物酵素
食物に含まれている酵素で、生野菜や果物、生の魚や肉、発酵食品に多く含まれています。
よく使われているのが大根で、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの消化酵素を含んでいます。

消化酵素と代謝酵素を併せて「潜在酵素」といい、一生のうちに生成される量は遺伝子に組み込まれており、生まれる前から決まっています。

また、20代の体内潜在酵素量を10とすると、40代で5、60代で3程度と、どんどん減少してしまいます。

そのため、年を取ってくると様々な不調が出てくるのです。

これを改善するためには、食物から酵素を摂取することがとても大切です。

酵素が減ると薄毛になりやすい理由

ここでは、酵素と髪の毛の関係について説明しましょう。

・タンパク質は酵素によって髪の毛のケラチンに変化する
私たちが食事で摂った肉や魚、大豆製品などのタンパク質は、まず消化酵素で分解され、アミノ酸になります。

その後、代謝酵素によってアミノ酸18種類が結合し、髪の主成分であるケラチンタンパク質に合成されます。

そのため、消化酵素や代謝酵素が少ないと健康な髪が生まれず、抜けやすくなるのです。

・毛母細胞は代謝酵素によって髪を成長させる
髪の毛は、毛穴奥の毛球にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長していきます。

この細胞分裂は新陳代謝によって行なわれるため、代謝酵素が少ないと髪が伸びなくなったり、短いうちに抜けてしまったりする原因となります。

・頭皮の柔軟性を保つコラーゲンは代謝酵素によって作られる
皮膚の真皮層には、コラーゲンという肌の柔軟性を保つ成分が含まれています。

これもケラチン同様食べたタンパク質が消化酵素でアミノ酸に分解され、代謝酵素によって再合成されたものです。

しかし酵素の働きが低下しコラーゲンが減ると、頭皮の柔軟性が失われ硬くなります。

すると髪の根元をしっかり固定する力が失われ、少し引っ張るだけでも抜けやすくなります。

さらに、頭皮のすぐ下には毛細血管があるため、硬くなった頭皮に潰されて血行が悪くなったり、血管そのものが消滅したりしてしまい、充分な栄養が届かなくなるのです。

・頭皮の水分を維持する成分もアミノ酸から作られたもの
皮膚の一番上にある角質層には、アミノ酸から合成されたセラミドや天然保湿因子(NMF)があり、頭皮の水分が蒸発しないようにしています。

これらの成分も消化酵素と代謝酵素によって生成されたものなので、不足すると頭皮が乾燥してしまいます。

すると頭皮が硬くなって血行不良を引き起こすほか、皮脂がなくなることで紫外線が直接皮膚に当たることになり、毛母細胞のDNAが損傷してしまいます。

すると髪が生えにくくなったり、髪質が変わって細く抜けやすくなったりすることがあるのです。

活性酸素が増えると代謝酵素が減る

活性酸素は、呼吸するだけでも体内に取り込まれます。

さらに、食生活や生活習慣の乱れ、運動不足、睡眠不足、紫外線、ストレスなどによってどんどん体内に蓄積され、正常な細胞を攻撃してしまいます。

体内には活性酸素を除去する代謝酵素の一種、抗酸化酵素が存在します。

しかし、活性酸素が増えすぎるとこの酵素が消費されてしまいます。

さらに抗酸化酵素は加齢とともに減少するため、活性酸素の働きが強くなっていきます。

すると毛母細胞も攻撃され、髪の成長に支障をきたしてしまうのです。

食物酵素をたっぷり摂って不足分を補いましょう

食物酵素は多くの食材に含まれているため、以下のことに注意しながらたっぷり摂りましょう。

・生野菜や果物を食べる
酵素は熱に弱いため、生で食べられるものが最も効率的に摂取できます。

そこで、生野菜や果物がおすすめです。

大根や玉ねぎ、ニンジン、トマト、キャベツ、生姜には様々な消化酵素が含まれています。

また、パイナップルやキウイ、りんご、バナナ、イチゴ、グレープフルーツも良いでしょう。

なお、生野菜や果物は水分が多く身体を冷やす作用が強いため、温かいものと一緒に食べるようにしてください。

・発酵食品を食べる
発酵食品とは、食材に含まれる微生物が生み出す酵素の働きで、成分のタンパク質や炭水化物が分解されてできたものです。

多くの酵素を含むため、少量でも効率的に摂取することができます。

代表的な発酵食品には、次のようなものがあります。

・調味料
味噌、醤油、みりん、米酢、黒酢、果実酢、豆板醤、コチュジャン、塩こうじ、醤油こうじ など

・肉、魚

・かつおぶし、生ハム、サラミ、塩辛、くさや、チョリソ、ペパロニ、アンチョビ、なれ寿司 など

・乳製品
ヨーグルト、チーズ、発酵バター、サワークリーム など

・漬 物
奈良漬、わさび漬け、ぬか漬け、野沢菜漬け、粕漬け、高菜漬け、キムチ、ピクルス、ザワークラウト、メンマ など

・お 茶
ウーロン茶、プーアール茶、紅茶 など

・その他
納豆、パン、甘酒、日本酒、ビール、ワイン、焼酎、マッコリ、ナタデココ、バニラビーンズ など

ほとんどの方が、発酵食品と知らず食べているのではないでしょうか。

意識して摂取するようにすれば、不足した消化酵素や代謝酵素を増やすことができますよ。

まとめ

人間は酵素がなければ生きていくことができません。

しかし、加齢や様々な原因によってどんどん減ってしまいますから、毎日の食事で野菜や果物、発酵食品を積極的に摂り、薄毛の改善に役立てましょう。