卵は非常に栄養価が高く、健康維持にぴったりの食材です。
その卵を頭皮のパックに使う方法が、薄毛の予防改善に効果ありと評判になっています。
卵を塗るの?と思うかもしれませんが、卵白を洗顔剤や顔用のパックとして使用している人がいるくらいで、頭皮にだって使えるんです。
今回は、卵白を使った頭皮パックとその効果についてまとめました。
卵白には頭皮や肌に良い成分がたっぷり
普段何気なく食べている卵ですが、非常に多くの栄養素を含んでいます。
特に卵白は頭皮やお肌の健康を維持するための成分がたっぷりなのです。
卵は非常に豊富な栄養を含んでいます。
タンパク質や脂質、ビタミンA、B群、D、E、K、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素など、完全栄養食に近いのです。
また、タンパク質には必須アミノ酸9種類が含まれており、質がとても良いので、健康維持にもってこいの食材です。
また、卵白にはお肌に良い成分がたっぷりつまっています。
・リゾチーム
溶菌酵素と呼ばれ、高い抗菌・殺菌作用があります。
雑菌の繁殖を抑える効果が証明されており、医薬品にも配合されている成分です。
・アルブミン
卵白の65%がこの成分で、保湿・保水作用や血行促進作用があります。
さらに抗酸化作用もあり、紫外線による髪や肌のダメージを予防してくれます。
・含硫アミノ酸
硫黄を含んだアミノ酸のことで、グルタミン酸やアスパラギン酸などが含まれています。
これらには肌に残った古い角質を取り除く作用があり、しかもアミノ酸なので肌なじみが良く、負担がかかりません。
・グロブリン
天然の界面活性物質で、乳化作用があります。
表面張力を弱くする働きがあり、頭皮や髪、肌の過剰皮脂を無理なく落としやすくしてくれます。
卵白には、以下の効果が期待できます。
余分な皮脂を無理なく落とす
皮脂は毛穴内の皮脂腺から分泌され、皮膚を紫外線や外部刺激から守り、水分が蒸発しないよう保湿する大切な成分です。
その他殺菌作用や柔軟作用もあり、皮膚の健康維持は皮脂がなくては成り立ちません。
しかし、皮脂分泌量が多すぎると雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみや炎症、フケなどの原因となります。
また、過剰な皮脂が紫外線を浴びると過酸化脂質に変化し、肌に吸収されて真皮のコラーゲンやエラスチンを劣化させてしまいます。
すると頭皮や肌の柔軟性がなくなり、さらに硬くなった皮膚が毛細血管を圧迫するので栄養が届きにくくなり、薄毛の原因となるのです。
卵白のグロブリンやアルブミンには皮脂を乳化し落としやすくする作用があるので、毛穴内につまった皮脂汚れも無理なく取り除いてくれるのです。
頭皮表面にはマラセチア菌という常在菌がいて、皮膚を弱酸性に保っています。
しかし皮脂をエサにしているため、分泌量が増えるとマラセチア菌も大量発生してしまいます。
すると脂肪酸を放出し、かゆみやフケの原因となったり、毛穴内に詰まって脂漏性皮膚炎を起こしたりして、髪が抜けやすくなってしまうのです。
卵白に含まれるリゾチームは強い抗菌・殺菌作用があり、マラセチア菌の増殖を抑えてくれます。
皮膚の新陳代謝が正常であれば、いつもうるおいや柔軟性が保たれ、老化しません。
しかし加齢とともにターンオーバーサイクルが長くなるため、古い角質がいつまでも残ってしまうようになってきます。
古い角質には保水・保湿作用がなくなっているので硬くなり、肌がごわつくようになったり、乾燥フケが出やすくなったりするのです。
また、古い角質が蓄積されて硬くなると、下の毛細血管をつぶしてしまい、頭皮に充分な血液が回ってこなくなります。
すると髪が細く弱くなったり、抜けやすくなったりするのです。
含硫アミノ酸には古い角質を剥がしてくれる働きがあり、衰えて来たターンオーバーサイクルを促進してくれます。
しかも一般のピーリング剤と違い肌に含まれている成分なので、負担がかかりにくいのです。
卵白パックの作り方とやり方
いよいよ、卵白パックのやり方のご紹介です。
いくつかありますので、やりやすい方法を選んでくださいね。
使用する個数
卵の大きさや卵白の量によって違いますが、目安は以下の量です。
・ショート…卵白1~2個分
・セミロング…卵白2~3個分
・ロング…卵白3~4個分
余ってしまった場合は顔に塗ると、美肌効果バツグンで一石二鳥ですよ。
行なう回数
1~2週間に一度でOKです。
皮脂を取り除く作用が強いので、乾燥肌の人は最初は様子を見ながら行なってください。
また、乾燥肌用には他の方法もあるので、後ほどご紹介します。
卵白パックの作り方
パックの作り方はいくつかあります。
・卵白を取り分け、そのまま塗る
・泡立て器で混ぜてから塗る
・ネットで細かい泡が出るまで揉み、泡を塗る
・ドリンク用のシェイカーでよく振ってから塗る
卵白をそのまま塗るのは結構大変で、つるっと落ちてしまうこともあるので、できれば泡立てたほうが良いでしょう。
泡立てネットを使うのが一番簡単で、後始末も楽です。
卵白パックの塗り方
指、あるいはハケを使い、頭皮に塗っていきます。
髪をかき分けながら、頭皮全体に塗るようにしましょう。
塗り終わったらクシで髪の毛にも伸ばし、シャワーキャップを被って10分程度置きます。
皮脂が多くすぐに頭皮が脂っぽくなってしまう人は、この時軽くマッサージするとより効果的です。
なお、髪の毛は乾いた状態でも濡れた状態でも効果は変わりませんが、濡れていると塗っていない部分がわかりにくくなるので、乾いた髪のほうが良いでしょう。
洗い流し方
時間が来たら、ぬるま湯で洗い流します。
卵白はタンパク質なので、あまり高い温度だと固まって髪に絡まってしまいます。
40℃前後であれば問題ありませんが、38℃以下のほうが落としやすいです。
卵白パックで注意すること
①卵白は乾きやすいので、塗ったら必ずシャワーキャップを被るようにしてください。
乾いてしまうと髪にこびりついて、落とすのが大変です。
②食物アレルギーがある人は特に、必ず事前にパッチテストを行なってください。
最初は数分の放置から始めると安心です。
③卵白には硫黄成分が含まれているので、洗い流した後も若干ニオイが残ります。
翌日にはなくなりますが、気になる人は洗い流した後シャンプーすると良いでしょう。
または、オーデコロンやエッセンシャルオイル、レモン汁などを1~2滴入れたお湯で、最後のすすぎをしてください。
頭皮が乾燥している人は
卵白パックは髪にも栄養を与えるので、ツヤツヤになってハリやコシも出てきます。
頭皮や髪が乾燥している場合は、卵白にはちみつを小さじ1ほど加えると保湿効果が高まり、乾燥肌の人でも安心して使用できます。
卵黄でパックする方法も
卵黄パックは、頭皮が乾燥気味で細かいフケが出やすい人におすすめです。
卵黄は卵白よりビタミンやミネラルが豊富で、しかもレシチンが含まれています。
レシチンは皮膚から栄養素を浸透させる働きがあるので、栄養素がしっかり頭皮や髪に届くのです。
やり方は次の通り。
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<材料>
・卵黄 1個分
・小麦粉 大さじ1~2
・はちみつ 小さじ1
・水 大さじ1程度
<パックの方法>
①材料をすべて混ぜ、垂れない程度の硬さにします。
水は最初少なめに入れ、適宜足していくと良いでしょう。
レモン汁を1~2滴混ぜると、ニオイが気になりません。
②頭皮を中心に塗ります。
塗り終わったら粗めのクシで髪全体に伸ばしましょう。
③シャワーキャップを被ってそのまま10~15分放置し、ぬるめのお湯で洗い流します。
まとめ
たった数個の卵を週1回程度使うだけですからコスパが非常に良く、しかも頭皮環境が改善されて抜け毛や細毛が減る効果も期待できます。
さらにツヤやコシのある健康な髪に近づいていきますから、ぜひやってみてくださいね。