コラーゲンと言うと、肌をつるつるにしてくれる大事な栄養だと思っている人が多いでしょう。
間違いではありませんが、目に見えている肌だけではなく、頭皮は当然のこと髪にも重要な役割を持っているのです。
薄毛予防という面でも活用できるため、どのような役割を持っているのか理解し、効率よく摂取できる方法を身につける必要が出てきます。
コラーゲンの正体とは
様々なところで美容に必要だと言われていたコラーゲンですが、その正体が一体何なのか理解してる人はそこまで多くありません。
なんとなく体にいいから、肌に影響を与えるからと言って摂取している人が多いでしょう。
コラーゲンはタンパク質の一種です。
それも人間を作っているタンパク質のうち、30%がコラーゲンだと言われています。
つまり、大量のコラーゲンと共に生活していると言っても過言ではありません。
コラーゲンと肌の関係も実は重要です。
肌を構成している組織のうち、70%がコラーゲンで作られています。
水を保持してくれる特性を持っているので、ハリと弾力がある肌を維持しようと思うと、コラーゲンは欠かすことができない存在なのです。
実際に肌だけではなく様々な場所で使われており、血管にもコラーゲンはなくてはならない存在です。
骨粗鬆症は高齢になると注意しなければいけない状態として注目されるようになりましたが、何もカルシウムだけが問題ではありません。
実はコラーゲンの減少も原因の一つとして挙げられるからです。
骨の内側にある組織を柔軟に保つためにコラーゲンが必要であり、失われてしまうと骨がもろくなってしまいます。
これほどまでに必要な栄養だからこそ、コラーゲンは注目されるようになりました。
幹細胞を守るコラーゲン
一般的に見て、髪とコラーゲンはあまりに繋がりが感じないでしょう。
髪の中にある幹細胞は、実はコラーゲンで保護されています。
コラーゲンといっても実は一種類ではなく、現在分かっている範囲で29種類存在しているのです。
そのうちの9種類が皮膚で使われているため、コラーゲン=肌と言う図式が出来上がったと言ってもいいでしょう。
ですが、実際には29種類もあっても、どのような役割をしているのかは正確に分かっていません。
分かっているのはほんのわずかな種類だけなのです。
髪を作る幹細胞は、細胞分裂を繰り返しながら押し出してきます。
細胞分裂を繰り返すと、だんだんと情報が正確ではなくなる現象が起きるのです。
DNAが傷つくという言い方をしますが、この時に修復に使われるのが酵素になります。
この酵素は大変重要な役割を持っている反面、幹細胞を守っているコラーゲンを分解してしまうのです。
そうなると幹細胞は守られている盾を失い、頭皮の表面へ追い出されて抜けてしまいます。
これがヘアサイクルの一つですが、コラーゲンが全くなくなってしまうと、ほとんど抜け落ちてしまうのです。
だからこそ、髪を守るためにはコラーゲンがなくてはいけません。
コラーゲンとアミノ酸の関係
コラーゲンを効率よく摂取する方法は色々と考えられてきました。
実は栄養価としてはほとんど力を持っていないもので、栄養としてはほとんど必要ありません。
しかし、タンパク質のひとつとして、体の中で生み出し続けて行くのです。
実は外部から摂取しなくても、体の中で作れるのがコラーゲンの特徴とも言えます。
ここで重要なのが、タンパク質は摂取しても、人間の体はそのままでは使えないという点です。
摂取したタンパク質を血液に乗せて運びたくても、構造が大きすぎて効率よく使えません。
タンパク質にも色々な種類があり、必要なところでうまく機能させるのも難しくなります。
そこで人間は、タンパク質を一旦アミノ酸に分解し、血液に載せて運搬し、必要な場所で必要なたんぱく質に再合成するのです。
つまり、コラーゲンをとっても、そのまま使われるわけではありません。
では、コラーゲンを摂取することが役に立たないのかといえば、これも違います。
コラーゲンを分解しアミノ酸に変えた時には、コラーゲンを構成していたアミノ酸に戻すだけだからです。
効率よく摂取して行こうと思うと、コラーゲンを摂るのは近道になります。
タンパク質として再構成する為には、アミノ酸だけでは用が足りません。
ビタミンAやビタミンCなどの力を借りて、再構成しているからです。
特にビタミンCは体の中で作り出せないため、必ず摂取していかなければいけない栄養素となっています。
他にも亜鉛などのミネラルも必要で、同時に摂取することが必要です。
1日の目標値も簡単ではない
肌や髪に必要なコラーゲンですが、摂取するのは簡単なことではありません。
1日の目標値であるわずか5gのコラーゲンを摂取しようとした場合、豊富に含まれていることで知られている鳥の手羽先で335gをとらなければいけないからです。
手羽先を335gとなれば、これだけでおなかいっぱいになってしまうほどの量になるでしょう。
他の栄養素も摂取できなくなってしまいます。
過剰摂取の問題も考えなければいけません。
鳥の手羽先でもわかる通り、コラーゲンが含まれているような食材は高脂質なものが含まれてきます。
脂肪を大量に摂取すれば、体全体が脂っぽく感じるように、頭皮にも皮脂が分泌され過ぎてしまい、悪影響を与えるのです。
アミノ酸に分解されてしまいますが、余計なものは脂肪に変換されてしまいます。
体にセルライトができる原因として知られるようになりましたが、必要な量以上は摂らないほうがいいでしょう。
肝臓にも負担をかける要素であり、せっかくの成分がマイナスに働いてしまいます。
だからこそ、目安である量以上は摂取しないようにしなければいけません。
青魚をうまく食べて行こう
コラーゲン自体を摂取したとしても、コラーゲンとして使われるかどうかはわかりません。
アミノ酸に分解されてしまうからです。
しかし、良質なタンパク質であるため、コラーゲンの素として利用されるアミノ酸になれば、効率を高めることができるでしょう。
そのためにはビタミンCが欠かせません。
ビタミンCがコラーゲンの配列を綺麗に保つことができるため、一緒に摂取すれば効率をアップできるのです。
健康な身体をつくるためにもビタミンCは大切な要素になります。
いったん分解されるという点から考えても、コラーゲンドリンクやサプリメントといったものはあまり効果をあげません。
そのまま肌や髪に運ばれていくことはないからです。
それよりも毎日の食生活の中で、良質なたんぱく質を摂取できるように心がけていくべきでしょう。
脂質を多く取らずに、上質な形で摂取できるのが、青魚です。
日本人の食生活としては馴染み深いものですが、アジやイワシにはEPAが含まれており、体にとって非常に優しく有効な食材となってくれます。
良質なコラーゲンを多く含まれており、体にとってデメリットになる部分が少ない食材です。
フカヒレなどもありますが、高価な食材となるためなかなか摂取できません。
そういった点でも青魚であれば、日々の生活の中に上手に組み込んで行けるでしょう。
同時にビタミンが豊富な野菜も摂取していけば、髪にとってもメリットのある生活環境となっていくのです。
まとめ
コラーゲンは勘違いされている部分も多い栄養素です。
タンパク質としてそのままの状態では利用できないのは、本当に理解されていない部分と言えるでしょう。
ビタミンCなども摂りながら、アミノ酸として分解された後、効率よく再構成できるように手助けしてあげる栄養も一緒に摂れば、効率よく利用できるようになるのです。