世界的にみても禁煙する人の数は増えてきました。
健康に大きな影響を与えることが分かっており、禁煙する人も多いでしょう。
タバコの生産量も減ってきている中、 薄毛につながる原因としても考えなければいけません。
日本の女性の喫煙率
東アジアの女性の喫煙率は、男性よりもかなり低いと言われてきました。
これはあまり女性の喫煙といった習慣がなかったせいです。
女性の喫煙率というだけでみれば、10%前後で推移していることからもわかります。
男性の喫煙率は40%弱というところからもいかに低いかが見えるでしょう。
しかし、若年層の喫煙率だけで見れば20%を超えており、細かく見ていくと30%から40%という数値が出る場合もあります。
全体的に見れば減少傾向にある中で、若年女性に関しては上昇しているのが現状です。
これはアメリカと比較してみると、いかに高いかが分かります。
アメリカは男女とも2割前後という数値だからです。
タバコの生産量が多かった時期というのは、第1次世界大戦時期であり、ほとんどの男性が喫煙者でした。
当時は大量の生産が行われていましたが、第1次世界大戦が終わり、兵士からの需要がなくなるとタバコの生産量はかなり落ち込んでいくのです。
その中でタバコを吸うことが一つのトレンドとして宣伝されるようになりました。
さらに女性の社会進出も重なり、喫煙者が増えていったのです。
日本だけでみれば女性で大流行するようなことはほぼありませんでした。
ところが、海外のタバコが手に入るようになり、やはり女性の社会進出などが拍車をかけていたのです。
特にメンソールが輸入されるようになると、女性の間に瞬く間に広がりました。
最近では広告は規制が行われるようになり、タバコの情報を見ることはかなり少なくなってきています。
それでもファッション誌に高級装飾品のような広告が出ていたりすることからも、女性の喫煙率がなかなか下がっていません。
血管の収縮から起きる薄毛
喫煙と薄毛には大きな関係があります。
様々な研究が進んできましたが、タバコにはニコチンが含まれています。
このニコチンが、体に対して様々な影響を与えることが、薄毛にもつながるのです。
ニコチンを摂取すると、体内の血管は収縮してしまいます。
血管の収縮は体の各所で起こり始め、頭皮にも影響がを及んでしまうのです。
頭皮には毛細血管があり、血液が毛根に栄養を運び髪の毛を作り出します。
収縮してしまえば、当然送られる血液の量も減り、栄養も少なくなるので、ヘアサイクルに狂いが生じてくるのです。
ヘアサイクルに狂いが生じてくれば、抜け毛も増えますし薄毛にもつながります。
タバコを吸ってるだけで薄毛になる状況を作るのです。
では、ニコチンが少ないタバコにすれば、頭皮に対する影響も減るのかといえばそうとも言えません。
ニコチン量の少ないタバコは、フィルターを通して吸う紙巻きタバコになるでしょう。
この紙巻きタバコの煙の特徴は、酸性を持っているところにあります。
パイプや葉巻などは、煙を肺に入れず楽しむところが特徴です。
実はこのようなタバコの場合、煙がアルカリ性を示しています。
粘膜に対する刺激が強いため、肺まで吸い込まないようにしているのです。
ところが酸性を示している紙巻きタバコの場合は、刺激が少なく肺の奥深くまで入り込んでしまいます。
さらにニコチンが少なく軽いタバコになれば、肺喫煙率はどんどん高くなってしまうのです。
つまり、ニコチンの少なく軽いタバコであったとしても、吸収される量はそこまで大きな差がないと言えます。
タバコを吸わなければストレスが溜まり、余計に薄毛になるという人もいるでしょう。
しかし、体に対する影響を考えれば、ストレスが溜まる以上に髪にも悪影響を与えます。
タバコは百害あって一利なしと言われますが、薄毛を気にするなら、禁煙してしまうのが一番です。
たった1本で消費されてしまうビタミン
タバコを吸ってるだけでも、様々な栄養素を消費していることが分かっています。
体にとってはニコチンなどは有害物質であり、これを排出するためにはビタミンCが必要です。
体内で活性酸素が生成されてしまうためで、分解するためにはビタミンCが使われます。
この量はタバコ一本で約25mg消費されると考えられていますが、成人男性が1日に必要なるビタミン C の量が100㎎なのと比較すると、いかに大きな消費なのかが分かるでしょう。
これほどの量を、たった一本のタバコが消費してしまうのです。
ビタミンCは、頭皮を含め血管を丈夫にするために欠かせません。
血管が丈夫でなければ、血液も送り出せなくなるため、やはり薄毛につながる要因になるのです。
実際にはビタミンCだけではなく、ビタミンBやEなども消費することが分かっています。
つまり、タバコを吸うだけで、体には絶対必要なビタミン類を無駄に消費してしまうことになるのです。
ビタミンCが活性酸素を排出するために消費されますが、タバコ一本で作り出される量は100兆個とも言われています。
活性酸素は、体内で細胞を老化させることがわかっていますが、この影響は髪の毛にも出てきます。
毛根にある毛母細胞が分裂して髪を作り出しますが、活性酸素があることで老化しこの力を失っていくのです。
力を失えば、当然ヘアサイクルに影響が及び、薄毛に繋がるのは間違いありません。
ビタミン類を失うことで、肌を含め美容に関する影響も出てくるのですから、薄毛の心配を含め、禁煙したほうがいいでしょう。
さらにタバコに含まれているニコチンが、神経を興奮させる働きがあることもわかっています。
自律神経が興奮してくると、汗をかき始めます。
この時に頭皮では皮脂の分泌も促進されてしまうのです。
皮脂の分泌が過剰に促進されるようになれば、毛穴に汗や皮脂が詰まることとなり、頭皮環境の悪化を招くことは間違いありません。
この状況は、抜け毛や薄毛につながる原因となるのです。
タバコが引き起こす多くの病気
喫煙しているだけで、多くの病気を引き起こすことがわかっています。
体の影響は薄毛になるだけでは済まないのです。
関連性が深いところで知られているのが、ニコチンを含め、煙を吸い込むことで起きる肺がんでしょう。
他にも咽頭がんが食道がんなども関連性が指摘されてきました。
さらに心臓病や脳梗塞も喫煙によって確率が高まることが分かっています。
この辺りは、血管に対する影響として考えてもいいでしょう。
女性の場合には、 子宮がんや骨粗鬆症のリスクも高まると言われているのです。
不妊の原因となることも知られており、妊娠中には胎児に対する影響も知られてきました。
妊娠中のみならず、喫煙している結果、血液にニコチンが入り込み、母乳にも混ざることがわかっています。
赤ちゃんに授乳しているだけで、ニコチン中毒を起こす例まであるのです。
喫煙は、非常にリスクの高い行為であり、薄毛を気にするだけではなく、人生の様々な場面に影響を及ぼす可能性もあります。
薄毛に気が付いた時には、今後の健康という面も踏まえ、禁煙してしまうのが間違いありません。
まとめ
喫煙しているだけで薄毛になる可能性が高まる以上、気になるのであればすぐにでも禁煙するべきです。
自分の体にさまざまな影響を与え、死に至る病につながるケースも少なくありません。
髪が薄くなるだけでは済まないことも多くあるのですから、辞められるタイミングがあるのなら、できるだけ早く決断するほうがいいでしょう。
たった1本のタバコがやめられなかっただけで、これだけ多くの影響が出ていることを認識しなければいけません。