女性の薄毛

女性の抜け毛・薄毛には漢方がいい?効果がある漢方と抜け毛の関係を解説

漢方が抜け毛に効果があると、見たり聞いたりしたことがある人もいると思いますが、それは本当でしょうか?

もし本当なら、漢方は抜け毛にどんな効果があるのでしょうか?

結論から言うと、漢方は抜け毛にも効果があり、体質からの根本的な治療が期待できます。

髪の毛は血の余りといわれ、血液に栄養が十分にある状態であれば、全身だけでなく髪にも栄養が行き渡ります。

抜け毛の原因の1つには、漢方で言うところの『血虚(けっきょ)』という血が不足した状態や、血行障害によるものがあります。

この血液が不足した状態や血行不良の状態を改善していくのに、漢方の効果が期待できるということです。

ここでは、抜け毛には本当に漢方がいいのか?効果がある漢方と抜け毛の関係を解説していきます。

抜け毛には漢方がいいって本当?

漢方医学で言うと、抜け毛は『虚血(きょけつ)』という血液が不足した状態が原因の1つです。

血液は命を維持するために必要な場所から栄養分を運ぶため、髪や爪に栄養が行き渡るのは順番的には最後になります。

そのため血流不足で髪まで栄養が行き届かず、細く弱い髪が生え、抜けやすくなります。

ここからは抜け毛に良いと言われている漢方について、詳しく説明します。

そもそも漢方ってどんなもの?

漢方とは中国の中医学からきている薬で、日本には5世紀くらいに伝わったのが始まりとされています。

漢方は身体バランスを整えることを基本とし、植物や動物などの天然素材が組み合わせて作られた薬です。

例えば寒気に対してとか、炎症に対してとか、それぞれの症状に合った薬を選択することで治していきます。

また、西洋医学では原因に対してアプローチしていく治療法が主なのに対して、漢方医学は原因がはっきりしないような不調という形の状態でもアプローチしていくことが可能です。

なによりも漢方はそれぞれの体質や症状によって調合された薬が出されるため、同じ症状でも人によっては違う薬が出されることもあります。

なぜ漢方はいいの?西洋の薬との違いは?

西洋薬は原因がはっきりとしている疾患に強く、病状によって処方される薬がだいたい決まっており、薬の成分は人工的に科学合成された物質がほとんどです。

対して漢方は、原則として二種類以上の天然生薬で作られており、多くの成分を含んでいるため、1つの処方でさまざまな症状に対応することが可能です。

また、西洋薬は病院で特定できない病状のときは、なかなか薬を処方してもらえないこともありますが、漢方は検査などで特定の疾患と診断されない症状でも、薬を処方してもらうことができます。

例えば原因不明の体調不良や慢性的な疾患、体質的な症状にも、漢方であれば対応していけます。

さらに漢方薬は、一人一人の体質に合った薬を調合して処方されるため、同じ症状の人でも同じ薬が処方されるわけでもなく、別の症状でも同じ薬が処方される場合もあります。

西洋薬と漢方薬は、使用方法や用途別に考えて使い分けていくということが大切です。

漢方は組み合わせで作られる

漢方薬は生薬の組み合わせで作られており、原料は草・木・動物・鉱物などの自然界のものです。

漢方薬の基盤は、本来体に備わっている自然治癒力を助けてバランスを整えていき、体の根本的な治療をしていく仕組みになっています。

現在は漢方を使用する医師が9割にのぼると、漢方薬の処方実態調査から分かり、西洋薬では効果が出なかった症状でも、漢方薬での治療を行って効果があったというものもありました。

漢方の効果と抜け毛の関係を解説

漢方が抜け毛にも効果が見られる理由としては、血流に関係があります。

特に近年増えている女性の抜け毛の原因は、血液の不足である『虚血』や、腎の低下である『腎虚』、熱の過剰である『湿熱』であると言われます。

漢方薬は不足を補い、余分は取り除き、滞りを除去していく働きがあるため、症状の原因となっている部分に働きかけることができるので、女性の抜け毛にも効果が期待される薬ということです。

血虚(けっきょ)

髪は血の余りであると考えられているのが、東洋医学です。

血液が不足した状態にある『虚血』は、髪にコシがなくて弱かったりパサついてツヤがなかったりして、髪が抜けやすく薄毛の状態になります。

血液が不足した状態ですから、身体的な症状としても、手足が冷たい・めまいや立ち眩みが多い・乾燥肌や不眠などの症状が現れます。

虚血のタイプの人は血液不足を補って、血の巡りを良くし、体を温める効果がある漢方薬を飲むことで、抜け毛や薄毛を改善していきましょう。

腎虚(じんきょ)

腎はホルモン代謝・自立神経・免疫・生殖・造血などに関わっている器官で、東洋医学では髪と腎は関係があると考えられ、腎が低下している状態の『腎虚』になると、老化も進むといわれています。

理由としては、ホルモンバランスが崩れることや、新陳代謝が悪くなることがあげられます。

腎虚の状態にあると抜け毛や薄毛が気になるだけでなく、白髪も増えて実際の年齢よりも老けてみえてしまうことも少なくありません。

身体的な症状としては、口渇やのぼせなどが見られます。

漢方薬としては、ホルモンバランスを整えたり、自立神経の乱れを元に戻したり、体内の免疫力を上げるような薬を試してみると良いでしょう。

湿熱(しつねつ)

『湿熱』は、体内に余分な熱や水分をためている状態にあるため、頭皮の状態も熱と湿気で悪化させてしまいます。

皮脂の状態が悪化して皮脂分泌も多くなると、頭皮環境が不衛生になり、抜け毛や薄毛に繋がってしまいます。

食欲旺盛の人や、水やお酒が好きでたくさん飲む人、味の濃い料理や脂っこい食べ物などの高カロリー食を好む人や、暑がりで汗をかきやすいタイプの人は注意が必要です。

湿熱の場合は、食生活の乱れが抜け毛に繋がっていることもあるため、脂っぽい食事を控えて野菜や低カロリーの食材を取り入れ、バランスの良い食生活を心掛けることで体内から変えていきましょう。

熱を体内にためやすいということは、運動などで対外に汗を流して発散すると滞りがなくなっていきますので、軽い運動をしていくこともお勧めです。

漢方薬としては、体内の熱を発散して、利尿作用や解毒作用があり、排泄を助ける役割がある薬を選びましょう。

また、滞った血流を改善させるような漢方もオススメです。

脾気虚(ひききょ)

消化器系が弱い体質にある『脾気虚』は、頭皮に行く栄養が少なくなってしまうため、抜け毛や薄毛に繋がってしまいます。

消化器系が弱いということは、食べ物を食べた後に、取り入れた栄養を消化吸収する力が弱いということになるため、頭皮まで運ばれる栄養自体が少ないということになります。

したがって脾気虚の人には、免疫力を上げたり、胃腸機能を整えたりする漢方薬が、虚弱体質を改善する手助けをしてくれるでしょう。

肝鬱気滞(かんうつきたい)

自立神経などに関わりがある肝が弱くなっている状態を『肝鬱気滞』といい、ストレスがたまることでも状態は悪くなります。

ストレスや緊張が強い状態が続くと血流も悪くなって滞ってしまい、頭皮の血行にも影響が出てくることで抜け毛に繋がります。

肝鬱気滞の人には、ストレスへの抵抗性を高める漢方などにより、抜け毛や薄毛の改善を期待していきましょう。

肺気虚(はいききょ)

肺機能が低下している状態の『肺気虚』は、症状としては疲労感や息切れ、咳や痰、呼吸が浅い、汗をかきやすい、風邪などにかかりやすいなどの症状が現れます。

体内に取り込まれた栄養は命を維持する場所から優先的に運ばれるため、基礎代謝や免疫力が低下している状態では順番が最後の頭皮に栄養が行き渡りにくくなり、抜け毛に繋がります。

肺気虚の場合は、消化器系の不調を改善する薬や、頭皮や毛根を活性化させる効果がある漢方を試してみましょう。

まとめ

今回は抜け毛と漢方の効果について解説しました。

漢方薬は西洋薬のはっきりとした原因にアプローチしていくのと違い、根本的な身体バランスを取り戻すための治療薬です。

しかもそれぞれの症状や体質などを考慮したうえで処方されるため、同じ症状でも違った薬が処方されることが少なくありません。

自分に合った薬を服用して薄毛に効果を出していくためにも、きちんと医師や漢方薬局などに相談して、漢方薬を処方してもらいましょう。