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始めに
お正月や成人式等のある新年のお祝いには、着物は欠かせない存在です。
あまり日常的に普段着として着るひとは祖母の時代に比べて少なくなりました。
着ていると苦しかったり、着るにも時間が掛かるし、自宅で洗えないのでクリーニングに出す必要があるなど、時代にそぐわない面もあります。
ですが、今では若いひとや一定の層では日常的に着物を普段着として着る文化があります。
家の洗濯機で洗える素材であったり、オシャレとして楽しめることや、古着が手に入り易いなどの面もあります。
最近では、小学校の卒業式でも「袴」を着て出席する卒業生が全体の三分の一を占める時代です。
「やっぱり晴れの日は、着物を着よう!」という意識は日本人には根強く残っているのです。
着物文化は素敵で素晴らしいですが実際に来てみると、着物が苦しいことや、
「髪のセットで続けにくい。普段着で着るのはちょっと・・・。」と、感じます。
特に若い女性であれば、最近はガウチョパンツなどのゆったりとした服が流行しているので、特にそのように感じます。
舞妓さんの勲章
ですが、舞妓さんや芸子さんは中学生を卒業後に修行の道に進みます。
若いうちから髪を結うことを習いますし、そして、舞妓さんや芸子さんの髪のセットは自分の髪を結いつつ、カツラも使用するので、とても頭皮と髪の毛に負担がかかるのです。
カツラ自体は、1週間に一度外すそうです。
それまではずっと髪を結ったまま生活し、文字通りに寝食を共にするのです。
当然、寝るときも外せないので、頭皮の休まる時間はなく、ずっと頭皮と髪の毛を結う状態を維持するため、髪の毛を頭皮から引っ張ったまま生活する状態が続くのです。
そのため、結い方や個人差もありますが、薄毛になる部分ができるのです。
それは決して悪いことではなく寧ろ、「舞妓の勲章」として花街では褒めたたえられるものであり、舞妓さんとして誇るべきものです。
ですが、舞妓さんはほとんどこの薄毛になりのちのち悩みの種になります。
女性の薄毛は、男性に比べると少ないですし、人の目が気になります。
舞妓さんであったならば、人に見られえる職業ですので、普通のひとよりも美意識が高くなり、余計にストレスに感じてしまう、難しい問題です。
人によって薄毛の範囲の大きさの違いはあります。
一本の筋状になっているひとから、大きなクレーター状などの薄毛になっている人まで千差万別です。
なぜ薄毛になるの?
いったん結い上げると、1週間は結ったままの状態で、頭皮に掛かる負担は測り知れません。
ずっと一週間という長い間中は頭を洗うことは叶わないので、頭皮トラブルを起こします。
痒くなったりするなどの炎症が起きても対処することができないため、頭皮ががボロボロになり、毛根が傷つくということです。
普通の生活を送っていても、季節によって頭皮がグジュグジュになるなどの頭皮トラブルを抱えます。
例え毎日頭を洗っていても起きるので、舞妓さんの頭皮トラブルは、薄毛になるほど、頭皮の毛根が死んでしまうほどの状態であったので、痒いし、痛いことは想像が出来ます。
まさに、「舞妓の勲章」なのです。結い上げること自体が頭皮に大きなストレスとして、毎日同じ部分に負担が掛かるのですから、影響がない方がおかしい位です。
髪の毛自体が「自分が生える必要はないのかな?」と、生えてこなくなってしまうのです。
そして一週間が終わったとしても、また髪を結うので、頭皮に掛かる負担は相当のものなのです。
それが長い間蓄積されて、薄毛の部分が出来上がってしまうのです。
治療法は?
治療法を求めるひとは多いようで、舞妓さんや芸子さん専用の薄毛治療の整形外科のメニュー表のある病院があります。
それだけ薄毛に悩む割合は高いのです。舞妓さんや芸子さんは、一般的な女性よりも美意識に対する意識は高いので、鏡の前に座るときや人混みの中などでの悩みの種になることは簡単に想像できます。
治療法はありますが、傷が残ったり時間が掛かったりなど、一般の薄毛治療と同じでまだまだ難題は多いです。
①手術で治す方法について
一つ目の方法は、薄くなっている皮膚の面を切除して、その部分をグイッと持ち上げるように縫う方法です。
皮膚自体切るので、頭に縫い跡が残りますが、髪の毛で見えなくなります。
一番後の生活で目立たなくなる方法であるそうです。
ですが、お医者さんの腕によっては、縫う部分の周りの毛根を傷つけてしまうことでまた新しい薄毛の原因になることがあります。
また、薄毛になっている部分が広すぎると、手術を数回に分ける必要があります。
1回目の手術である程度詰めて、その後に頭皮にゆとりを出して、また縫うことで美しく仕上げます。
何年もかかることもあり、しっかりと病院やお医者さんの評判を聞く必要がありますので、気を付けましょう。
②植毛で治す方法について
二つ目の方法は、薄毛治療としてポピュラーな「植毛」です。
生えなくなってしまった部分に毛を植えてあげることで、元の髪のあった部分をより自然に生やします。
この場合、手術跡などの不自然な部分がないので安心して美しさにより磨きをかけられます。
ですが、上記の手術の場合のほうが見た目が美しいようです。また、金銭敵にも大きな問題になりそれ自体ストレスに感じます。
他の日本の伝統と関わりのある職業の薄毛について
力士について
力士は、髪を結えなくなると引退を迫られます。
髷が結えなくなると、力士は相撲を続けることができないのです。
そのため、いわゆる「若ハゲ」であったひとが、髷を結えなくなり力士になる夢を諦め、別の道に進むことを余儀なくされたという話はよくあります。
髷を結う時は、髪をグイグイと引っ張るので、どんどん生え際が後退していきますし、髪自体面積が狭まっていきます。
ある力士は最初から髪が薄い方でしたが、何年も経るうちにどんどん髷が小さく、細くなっていきました。
そしてとうとう引退してしまいました。
これはどんなに強くても、例外はないのです。
また、力士は毎日頭を洗えないので、舞妓さんと同じように頭皮トラブルにもなります。
例え起こしていたとしても、対処できなくなり、毎日引っ張られるので薄毛に拍車を掛けることになります。
土俵や練習場、毎日の鍛錬により、よごれや汗などにより、頭皮は大ダメージを日々受けていることになります。
日本の伝統文化の先生について
舞妓さんや芸子さんの他にも、日本髪を結ったりする生け花の先生やお茶の先生も、髪の毛をグイグイと引っ張り、生え際が後退していたり、髪の毛が薄くなっているひとをよく見かけます。
このように、日本髪は日本女性の美しさを引き出してくれますが、代償は大きいようです。
終わり
日本の髪の毛の結い方は、結っている本人の頭皮や髪の毛にとても負担をかけているようです。
実際、成人式などで髪を結って貰うときも、日本髪をオススメされず、現代的なふわっとした髪型をオススメされます。
やはり、「頭皮が痛い!」などの苦痛を訴えるは、現代的な髪型よりも大きいのでしょう。
結っている髪型の割合としてもニュースや雑誌、美容院で実際に見ても、現代的な結い方がほぼ占めており、日本髪自体みなくなりました。
「髪を引っ張って結う」ということは、薄毛の要因として大きい割合を占めているようです。
文化としては、残ってほしいですが、実際に自分自身が結ってもらうか?と、考えると、NO という答えになってしまい、難しい問題です。