女性の薄毛

口臭や歯周病に悩む女性は薄毛にも悩むことになるかも!?

口臭はなかなか自分では気づかないもの。
回りの人も「あなたの口、臭いわ」と面と向かっては言いにくいため、何年も知らずにいるかもしれません。

しかし、口臭やその原因の一つである歯周病が、薄毛の原因となる場合があるのです。

最近のマスク着用で自分の口臭に気づいた方や回りから指摘されたという方は、ぜひこの記事を読んでくださいね。

女性の口臭の原因は6つある

口臭には、口の中から臭っている場合と、肺から臭っている場合があります。
また、女性特有の原因があることもわかっています。
一つずつ見ていきましょう。

食べ物のカスが口内に残って発酵
食べた後歯を磨かなかったり、磨き方が足りなかったりする場合に起こる口臭です。
舌や歯と歯の間などに食べたものが残っていると、口内の雑菌によって分解され、それが発酵して臭います。
臭いの原因となる代表的な成分とそれを含む食材には、このようなものがあります。

・メチルメルカプタン…生の大根、玉ねぎなど
・硫化水素…肉や魚、卵などの動物性タンパク質
・ジメチルサルファイド…乳製品など

これらの成分は、それぞれの食材の腐ったような臭いを放ちます。

唾液の分泌量が少ない
唾液には、食べたものの消化を助ける働きと、口の中を洗浄する働きがあります。
そのため、唾液が少ないほど食べカスが残りやすくなり、口臭の原因となります。

また、唾液には殺菌作用もあり、口内の雑菌が繁殖するのを防いでいます。
唾液が少ないと食べカスが分解・発酵しやすくなるのです。

唾液の量には個人差があり、元々少ない、あるいは加齢によって減るケースもあります。

しかし多くは、食べたものをよく噛まない、あまり話さないなど口を動かす機会が少ないため、唾液腺への刺激が少なくなり、分泌量が減ってしまうのです。
また、口呼吸が習慣になっているとドライマウスとなり、口内が乾燥しやすくなります。

なお、朝口臭がきつくなるのは、眠っている間は唾液腺が働かないためで、特に問題はありません。

舌に白っぽい汚れがついている
舌についている白っぽいものを舌苔といい、食べカスや細菌カスがこびりついたものです。
食事中あまり噛まなかったり舌を使わなかったりすると、舌苔がつきやすくなります。
雑菌が多く含まれているため、悪臭の原因となります。

歯周病になっている
歯周病とは、歯と歯茎の間の雑菌に感染して炎症が起こる疾病です。
歯茎だけの場合は歯肉炎、それが進行すると歯槽膿漏(歯周炎)を起こします。

この原因は、雑な歯磨きによるものが大半です。
歯磨きの際に歯と歯茎の間をしっかり磨かないと、歯垢が溜まっていきます。
歯垢には雑菌が多く含まれており、それがタンパク質などを分解して臭いを発するのです。

女性ホルモンのバランスが狂っている
生理前や生理中、妊娠中、更年期など、女性ホルモンのバランスがくずれると口臭が出やすくなります。

現在のところその原因は判明していませんが、唾液は自律神経と関係が深く、精神が不安定になりがちな時期は自律神経が乱れやすいことから、唾液の分泌量にも影響を及ぼすのではないか、と考えられます。

身体の奥から臭っている
臭いの強い食品を食べ、それが消化吸収されて血中に入り込み、肺に送られて呼気となって出てくることがあります。
ニンニクやアルコールの飲食後臭いがするのはこのためです。

また、空腹時に甘酸っぱい口臭がするのは、ケトン体という成分の臭いです。
体内に蓄積された脂肪が分解されてできるもので、疲労している時や糖質制限をしている時にも臭いが出ることがあります。

口臭が薄毛を引き起こす原因

これら6つからわかる、薄毛になりやすい原因を解説しましょう。

噛まないことで頭皮が血行不良になる
ものを噛む時には、頭部の筋肉が使われています。
特に使われているのがこめかみ部分から広がる「側頭筋」で、咀嚼(そしゃく)の際に顎を動かし口を閉じる時に重要な役割を果たしています。

この側頭筋は頭頂部の帽状腱膜という膜とつながっていて、側頭筋が運動することで腱膜も動き、頭皮の血行を維持しています。

そのため、よく噛まないと側頭筋が使われず、帽状腱膜の上にある頭皮も動かなくなるため、頭頂部や側頭部に充分な血液が届かなくなり、薄毛になりやすくなるのです。

唾液が出ないと消化不良を起こしやすく頭部に栄養が届かない
唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、炭水化物や脂質を分解・消化する働きがあります。
しかし、よく噛まないで唾液が出ないまま食べ物を飲み込んでしまうと、胃が消化するために働かなくてはならず、疲労してしまいます。
それが続くと栄養の消化吸収が充分できなくなり、何とか吸収された栄養素はまず各臓器に送られてしまい、頭皮まで行き渡らなくなるのです。

タンパク質の食べ過ぎで皮脂過剰に
口腔内の食べカスの多くはタンパク質で、これが口臭の主な原因といわれています。
タンパク質は髪の主成分なので髪の健康に不可欠ですが、動物性タンパク質は脂質も多く含まれており、頭皮が脂っぽくなります。

頭皮の皮脂が紫外線に当たると酸化して過酸化脂質となり、毛穴から入り込んで髪の元となる毛母細胞にダメージを与え、髪の成長に悪影響を及ぼすのです。
この場合、頭皮も臭いやすくなります。

ケトン体が増えると消化機能が低下する
糖質制限をしていると脂質がエネルギー源となり、ケトン体ができます。
ケトン体は酸性物質なので、これが血中に増える「ケトーシス」状態になると甘酸っぱい口臭が発生するだけでなく、消化器がダメージを受けるようになります。
すると腹痛や吐き気などの症状とともに、髪に栄養が届きにくくなって薄毛や抜け毛を引き起こすことがあります。

歯周病菌が頭皮に悪影響を及ぼす
歯周病菌は歯肉のアミノ酸と雑菌が結びついて発生する菌で、10~20種類あるといわれています。
その中で最も多いのがポルフィノモナス・ジンジバリスと呼ばれる菌で、血中に入り込んで頭部まで送られ、炎症を引き起こします。
すると毛母細胞が損傷し、髪が正常に育たなくなるのです。

また、口腔内の細菌を構成する成分にエンドトキシンがあり、血中に入り込むと血管にダメージを与えたり炎症を起こしたりする作用があります。
すると血流が悪くなり、頭皮にも悪影響を及ぼすことがあるのです。

口臭を治して薄毛を予防しましょう

口臭は単なる口の中の悪臭というものではなく、薄毛を引き起こす可能性を持った状態です。
一日も早く、口臭をなくしましょう。

しっかり歯を磨く
歯をきちんと磨くのは最も基本的なことですが、虫歯がある成人は約3割、歯周病に悩む人は45歳以上の5割以上といわれており、実際には正しく磨けていない可能性が高いです。

正しい歯磨きのポイントはいくつかあります。

・ブラシの面が小さめなものを選ぶ
・虫歯や歯周病予防には毛先がフラットなものを、歯周病になっている人はギザギザしたもので歯と歯・歯茎の間を丁寧に磨く
・歯の表面は横に磨き、歯の裏や歯と歯の間、奥歯は縦にして磨く
・タフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなども使う
・最低でも3分、できれば10分程度時間をかける
・食後30分後に磨く
・毎食後磨くのが良いが、できない場合は就寝前10分程度かけて隅々まで磨く

ただし、磨き方は歯科医によって考え方が違い、どの部分も縦には磨かない、食後すぐに磨いた方が良いなど、様々な意見があります。
かかりつけの歯科医に確認すると良いでしょう。

舌も歯ブラシや舌ブラシできれいにする
舌苔は雑菌の温床なので、歯磨きの時に一緒に行ないましょう。
歯ブラシでも良いのですが、舌ブラシのほうが面が大きく、より適しています。
軽い力で、奥から手前に向かってやさしくこすってください。
舌専用のクリーナーも販売されています。

よく噛んで食べる
噛めば噛むほど唾液が出て消化酵素が分泌され、栄養を吸収しやすくなるので、頭皮環境を健康に保つことができます。
また、日本咀嚼学会では、30回を目安として、各食品で飲み込みやすい状態になった時が最も良いと考えています。

食事は栄養のバランスを考えて摂る
日本人を始め先進国では糖質(炭水化物や砂糖)の摂取量が多く、様々な不調の原因となっています。
そのため量を控えるのは良いのですが、あまりに控えるとケトーシスとなり、口臭がするだけでなく頭皮にも悪影響を及ぼす可能性があります。

糖質制限中に甘酸っぱい臭いが出るようになったら、糖質の量を増やすようにしましょう。

また、タンパク質は唾液では分解できないため、大量に摂ると胃に負担がかかり、栄養の吸収量が減ってしまいます。
頭皮が脂っぽい場合、動物性タンパク質の摂り過ぎの可能性があるので、量を減らしましょう。

まとめ

口臭は回りの人を不快にさせるだけでなく、薄毛や抜け毛を引き起こす原因にもなります。

栄養バランスの取れた食事をしっかり噛んで食べ、歯を磨き、口臭と薄毛を予防改善しましょう。