アンチエイジングを考えるのは、人間の体の作用から考えてもとても重要です。
年齢とともに老化が進んでいくのは、生物としての宿命であり、あがらえない部分があるのも確かですが、その流れに乗り続ける必要はありません。
古くから使われてきた椿油を活用するのもアンチエイジングにぴったりであり、髪を育てるという意味でもメリットが数多くあるのです。
長く活用されてきた用途の広い椿油
椿油とは、ヤブツバキの種から取り出した植物性の油のことで、カメリア油と呼ばれたりもします。
非常に酸化しにくく固まりにくい性質を持った油であり、日本では古くから利用されてきました。
その利用方法は幅広く、第二次世界大戦の末期には零戦の燃料としてまで利用された逸話が残っています。
もちろん、ガソリンのような効果は発揮できませんでしたが、それでも空を飛ぶことはできたのです。
これも乾燥しにくい性質を持っており、柱や床に塗っておくと木材を守ってくれたりもできます。
これが乾性油と呼ばれる油の性質で、椿油はさらに酸化しにくいオレイン酸が主成分となっているのです。
日本でも長く活用されてきましたが、非常に安全な油として注目されているのも間違いありません。
油性の薬を使った注射をしなければいけない時に、注射用基材として椿油は使われています。
抗生物質の投与に使われているのが椿油で、副作用を抑えたりすることができるのです。
非常に用途の広い油ですが、食用油としても利用されてきました。
天ぷらに使うとカラッと揚がることで知られていますし、地域によってはうどんなどを引き伸ばすときに使われています。
安全性の高さが利用されているポイントでもありますが、非常に用途の広い油であるのは確かです。
椿油の注意点
古い時代から椿油は女性の髪に使われてきた整髪料です。
最近では若い人も多く使うようになりました。
その時代というのは平安時代であり、驚くほど古い時代から女性の髪を守るために使われてきたのが分かります。
酸化しにくく潤いを与えてくれるのが特徴ですが、パサパサになるという人もいたりするのが椿油です。
しかし、椿油の中には人体に悪影響を及ぼすようなものはほぼ入っておらず、ヘアケアとしても重要な役割を持っています。
注意しなければいけないのは何でも同じですが、大量に使えばいいというわけではない点にあるでしょう。
適度に使ってあげなければ、逆効果になるようなことも出てきます。
ヘアオイルとして使う場合には酸化しにくいのは確かですが、それでもゼロではありません。
そこで必ず洗い流し、髪に良い残さないことが大切です。
乾いた髪に使うのも基本的にはNGで、ダメージを与えてしまうものがあります。
これは使用方法などに記載されているので、利用する前には必ず読まなければいけません。
重要なポイントとして、シリコン入りのシャンプーを使っている人は、椿油には注意が必要です。
シリコンは油を吸着しやすい特徴を持っています。
この特徴が椿油とぶつかってしまい、表面に残してしまうことになるからです。
これがダメージを生む原因になるため、普段から使っているシャンプーは何かを確認した上で利用すると良いでしょう。
椿油でヘアケア
椿油はヘアケアに使うと非常に髪になじんでくれます。
油というだけでべたつくようなイメージがありますが、頭皮で分泌する皮脂とは違い、サラサラな状態に仕上がるのがポイントです。
オイルを頭皮に使う場合には、マッサージとの併用が基本となります。
椿油をなじみやすくするだけではなく、頭皮を柔らかくするためにもマッサージは有効です。
その上で椿油の成分が吸収されやすくなるため、効果を高められます。
マッサージをすることにより毛穴などに詰まった汚れを浮き上がらせてくれ、健康な状態を保つのに有効です。
この場合のマッサージは乾いた状態で行うため、適切な椿油を使わなければいけません。
椿油を使った後にシャンプーをするのも乾燥対策として良いでしょう。
髪や頭皮の表面をコーティングしてくれるため、シャンプーによって洗浄された時にも水分をうまく維持できるからです。
マッサージする時には強い刺激を与えると、頭皮が炎症を起こしてしまう可能性があります。
爪などは立てずに指の腹で優しく揉みあげるようにすると良いでしょう。
椿油を使う量は手のひらに500円玉程度の広がりができる程度で十分です。
これを頭皮全体に広がるように広げていきながら、ゆっくりともみあげていきます。
その後にホットタオルを使って髪を包み、10分程度放置するヘアパックも有効です。
毎日行うようなものではありませんが、週に1回程度行うと紙に変化が出てくるのを感じられるでしょう。
シャンプーをした後に椿油を使う方法もあります。
トリートメント効果を狙った使い方で、さらさらした髪を作り出せるのが特徴です。
シャンプーをした後に普段使っているトリートメントのように椿油を使うだけですが、自然な髪の状態を維持するのにはぴったりです。
他にもシャンプーをした後に洗面器にお湯を張り、椿油を数滴垂らしておき、これを髪によくなじませるように使うだけでもトリートメントに活用できます。
直接椿油をつける方法とは違い、全体になじませやすくなります。
後はタオルドライなどをして維持しておくだけで、ヘアケアに活用できるのです。
この方法のメリットとしては洗い流す必要がないところもあるでしょう。
表面にコーティングできるという点では、熱対策としても活用できます。
セットする時にドライヤーを使いますが、この時の熱は髪にダメージを与えやすい存在です。
椿油でコーティングしておくだけでも、ダメージ予防につながります。
他にもある椿油の活用法
椿油は髪に使うだけのものではありません。
同時にスキンケアとして利用するのも良いでしょう。
乳液の代わりに椿油を使う方法で、化粧水を肌に付けた後に利用すれば表面を油膜で覆ってくれます。
ボディケアにも利用できる方法で、まだ水分を感じている間に利用すれば、蒸発を防ぐことができるでしょう。
もっと手軽に使う方法としては、ハンドケアにも活用できます。
髪に塗っている時に手に馴染んでいくのを感じられるはずですが、爪の生え際など乾燥しやすい所にもつけていけば、もっと効果を感じられるはずです。
ささくれだってしまいがちな部分などもカバーできますし、冬の家事などで手荒れが出やすい人にも効果的です。
椿から作られた油ということで、安全性の高さもポイントになるため、毎日のハンドケアとして利用するのも良いでしょう。
少し違った使い方ですが、木製のブラシや櫛を使っている時に、滑りを良くするために椿油を活用する方法があります。
つげの櫛などには椿油が使われたりしますが、木材の性質の維持にも椿油は有効です。
軽くつけておくだけでも髪をとかした時に通り方に違いが出てきます。
簡単な方法ではありますが、ヘアケアとしても重要なポイントになるため、ブラシや櫛を含め、椿油が活用できるか検討してみると良いでしょう。
まとめ
日本人の黒髪を守ってきた椿油は、安全に使えるヘアケア商品のひとつです。
もちろん、過剰に使ったりすればメリットを失うことも出てきますが、使用方法を守れば安全かつ有効なヘアケアとなるのは間違いありません。
髪が乾燥し手触りが悪くなってきていると感じた人は、ダメージが広がり悪化する前に椿油を使ってみると良いでしょう。