私貧血なのと言っている女性を見回りしてみると、何だか毛量が少なめだったり、更に薄毛に進行している人が多い気がするのは、気のせい?単なる偏見?
とお考えの貴女。
実は、貴女がふいに考えられたその説は、あながち間違っていないのです。貧血は、女性の薄毛を進行させる隠れた原因になります。
そこで今回は、貧血と女性の薄毛との関係を詳しくご紹介し、その予防法をお伝えしたいと思います。
もし、貴女が貧血でお悩みなら、是非今日からでも、その予防法を実践し、薄毛を回避しましょう!
そもそも貧血って何?具体的な症状とは?
あっかんべーをしてみて、下眼瞼の部分が血の気がなく、白くなっていたら貧血、なんて言われた経験って、一度や二度はあると思います。
では一体、貧血の女性の体に何が起こっているのか、具体的にお分かりになりますか?
男性と違い、生理が毎月来るため、貧血で悩んでいる女性も多くいるように感じますが、実は、その実態を知らない方が多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、血液量が少なくなっているわけではなく、「血が薄くなる」病気です。
体内の鉄分が不足することで、赤血球の成分であるヘモグロビンの濃度が低下した状態になります。そのため、通常よりぐっと赤みが少ない血液になってしまうわけですね。
症状としては、立ちくらみやめまい、動悸、息切れ、疲労感、頭が重く感じたり、だるさ、集中力の低下、食欲不振、胸の痛み等があります。
一般的な原因として考えられるのは、毎月来る生理や出産、授乳、更に後程、予防法のところで詳しくはお話ししますが、ダイエットや偏食による、鉄分やタンパク質、亜鉛といった栄養分の不足が大きな要因になります。
ただし、これら一般的な原因以外にも重大な病気が隠れている可能性があります。
例えば、消化器ガンや再生不良貧血といったものです。
健康診断で貧血検査に引っ掛かったなら、安易な自己判断で放置せず、必ず医療機関を受診して、原因を特定するようにして下さいね。
また、健康診断で引っ掛からなくても、必ずしも安心はできません。
隠れ貧血「鉄欠乏性貧血」なるものがあるのです。
実は、体内の鉄分の全てが血中にあるわけではありません。その6~7割は血中に、残り3~4割は肝臓や脾臓に貯蔵されています。
それを貯蔵鉄といい、血中の鉄分が不足しているときのために蓄えられているものです。
一部の女性の中には、この貯蔵鉄を使うことで、辛うじて血中の鉄分量を保っている方がいます。
貯蔵鉄は日に日に減っており、底をついてしまったら、貧血へとまっしぐらになるのです。
ちなみに、健康診断の血液検査の項目に、フェリチンの値を測ることを加えてもらえば、その貯蔵鉄の減り具合も知ることができますよ。
気になる方は、検査項目を増やしてみてはいかがでしょうか。
次に、貧血と薄毛の関係についてお話しします。
貧血が女性の薄毛を進行させる?
貧血の仕組みについては、お分かりいただけたかと思います。
先に話題に上がったヘモグロビンですが、鉄分を原料としています。役割としては、肺から体の隅々まで酸素を運び、また、代謝の際に発生した二酸化炭素を肺まで戻すというものです。
貧血になると、その大切な役割を果たされなくなり、全身が低酸素状態になります。更に、細胞分裂が正常に行われなくなるという恐ろしい状態に陥いるわけですね。
特に代謝の早い部分である皮膚や髪、消化器は、真っ先に症状が出てきます。
具体的には、皮膚のかさつきやかゆみ、抜け毛、胃腸の不良といったものですね。
では、本題の貧血と薄毛の関係に入ります。
貧血になると、本来、血中のヘモグロビンによって頭皮にまで届けられる酸素や栄養が、送られなくなってしまうのです。
すると、頭皮は酸欠と栄養不足状態になり、髪を成育するための細胞分裂が行われなくなります。これにより髪は抜け落ち、育たなくなり、薄毛を進行させてしまうわけですね。
更に脳も酸欠になるため、常に心身がイライラしたストレス状態になります。すると、体が緊張して強張り、血管が萎縮するため、より一層頭皮の酸欠と栄養不足を増長させてしまうのです。
また頭皮に直接的な影響はありませんが、貧血により全身が酸欠状態なら、ポンプの役割である心臓にもかなり負担がかかってしまいます。症状に動悸、息切れ、胸の痛み等あるのは、そのためなのです。
更に深刻なのが、食生活の乱れによる貧血です。
生理等が理由で血液が薄くなり、頭皮に酸素や栄養が回ってこなくなるだけではなく、口から取り込む栄養自体が足りていないのですから、髪を成育できるはずがありません。
もしも、心当たりがあるなら、是非、食生活の改善から行いましょう!
次に、その具体的な方法をご紹介します。
貧血を予防して育毛をしよう!
食生活を改善して、貧血を予防するためには、何よりバランス良く食べることが重要です。
大まかに分けると3つになります。
髪の主成分となる<strong>タンパク質、タンパク質の働きを助けするビタミン・ミネラル類、体を動かすエネルギーとなる炭水化物ですね。
この栄養素だけ食べれば良いのではなく、それぞれに働きがあるので、まんべんなく食べることが重要です。
その上で、更に余裕があれば、貧血予防に重要な栄養素を補強します。
代表的なのが「鉄」ですね。鉄分もまた、これだけを食べれば良いわけではなく、組み合わせることでより効果を発揮してくれます。
肉・魚貝類に含まれている「ヘム鉄」と、芋や豆類、卵、乳製品に含まれている「非ヘム鉄」があります。
具体的には、ヘム鉄は、レバーや牛もも、ヒレ肉、カツオ、マグロ、イワシ、カキ、アサリ、シジミなどで、
非ヘム鉄は、卵、チーズ、ホウレン草、小松菜、水菜、枝豆、きな粉、豆腐、ゆば、高野豆腐、豆乳、ひじき、ワカメ、プルーン等があります。
ただし、ヘム鉄は単体でも吸収が良いのですが、非ヘム鉄はタンパク質やビタミンCと組み合わせて食べることで、吸収が良くなります。
芽キャベツやいちご、キウイ、柑橘類、ジャガイモ、ブロッコリー等と合わせるのがお勧めですよ。
ただ、ビタミンCは水溶性なので、茹でてしまうと、大切な栄養素が半減してしまいます。蒸したり、炒めたり、電子レンジ調理にした方がより効果的です。
また、摂取する際の注意点としては、一気に大量に食べるのではなく、毎食ごとに少しずつ食べることで、蓄積されていきます。
次に貧血予防には、鉄だけではなく、亜鉛も必要になります。
なぜなら、赤血球の膜を作り、細胞分裂を助ける役割があり、また、タンパク質を合成するためにはなくてはならない存在だからです。
亜鉛が不足していると、ヘモグロビンも赤血球も作られなくなってしまいます。
そして、髪にとっても重要な栄養素です!
なぜなら、先にお話しした通り、髪の主成分はタンパク質になります。亜鉛のアシストなしでは、タンパク質を合成して、髪を作ることができません。
また亜鉛には、薄毛を促進させしまう原因となる、ストレスを軽減してくれる作用もあります。
欠かさず摂りたい栄養素ですね。
まとめ
薄毛の隠れた原因である貧血についてお話ししてきました。薄毛と貧血の間には、深い関係があることがお分かりいただけたかと思います。
やはり、健康診断で貧血だと判明したなら、原因を知るためにも、まずは医療機関にかかることをお勧めします。重大な病気が隠れている可能性も捨てきれませんからね。
また、生理が原因なら治療が必要です。
最後に残った原因の、食生活の乱れならば、今すぐ無理なダイエットや偏食は止め、食事のバランスを整えることを心掛けてみて下さいね。
次にタンパク質や鉄分、亜鉛の補給を考えます。
貧血の改善は、抜け毛を減らし、髪質を向上させるだけではなく、生活全般の質も上げてくれます。
今日からでも改善に向けて動き出しましょう!