女性の薄毛

出産後1年以上抜け毛が止まらない!薄毛が進行してしまう女性の原因

産後抜け毛に悩む女性は少なくありません。

この原因は女性ホルモンの分泌量の減少によるもので、抜ける量は人によって違うものの、ほとんど誰にでも起こります。
また、半年から1年もすれば抜け毛は止まり、妊娠前の髪量に戻っていきます。

しかし、中には抜け毛が止まらない、あるいは髪質が細く変化してしまい、地肌が見えるほどになってしまう女性もいます。

その原因と改善方法について、解説します。

出産後に髪が抜ける理由

約7割のママが、出産後抜け毛が増えたという体験をしています。
その代表的な原因は、急激な女性ホルモンの減少です。

女性ホルモンの分泌量の減少とは

ここでいう減少とは、あくまで妊娠中と比較して、ということで、妊娠前と同じ量に戻ることをいいます。

妊娠中は妊娠を維持し出産に備えるために、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが増えます。

特にエストロゲンは妊娠前の100倍といわれています。

しかし、出産すると2つの女性ホルモンは急激に減少し、1週間程度で妊娠前の分泌量に戻ります。

妊娠中、エストロゲンは胎児の成長に伴って子宮を広げたり、母乳を作る身体へと変化させたりする役割がありますが、それ以外に髪の毛の寿命を伸ばす働きもあります。

通常女性の髪の毛の寿命は4~6年ですが、妊娠中はこのホルモンの影響で抜けるべき髪の成長期間が伸びているのです。

しかし、出産後はエストロゲンの働きが弱くなるため髪の成長期が終わり、退行期の2~3週間、休止期の2~3ヶ月を経て抜けていきます。

そのため、出産後しばらくすると急に抜け毛が増えるのです。

抜けるのは主に根元から浮き上がって来た休止期の髪の毛ですが、退行期の時期にすでに毛根部からの栄養はほぼストップしますから、ブラッシングなどで髪を引っ張ることで抜けてしまうこともあります。

いずれ抜け毛は止まります。

女性ホルモンの減少が抜け毛の原因の場合は、抜けるべき髪が抜けただけなので、心配する必要はありません。

人によって違いますが、半年から1年もすれば落ち着くことがほとんどです。

1年以上経つのに抜け毛が止まらない!その原因と改善法

しかし、中には1年以上経っても抜け毛が止まらず、薄毛が進行してしまうケースがあります。

その原因と改善法をご紹介します。

女性ホルモンは一生でティースプーン1杯しか分泌されない

男性ホルモンは運動によって増やすことができますが、女性ホルモンは注射などで外から取り込まない限り、不可能だとされています。

一生でティースプーン1杯程度しか分泌されず、妊娠するごとに大量消費してしまいます。

そのため、二人目、三人目になると女性ホルモンが残りわずかになってしまい、髪の毛の健康を維持することができなくなる、と考えられています。

<改善法>

女性ホルモンを増やすことはできなくても、「女性ホルモン様成分」を増やし、働きを助けることは可能です。
この成分は大豆製品に多く含まれているイソフラボンで、食品から手軽に摂ることができます。
特に良いのは味噌や醤油など発酵したものなので、これらの調味料を使用した豆腐料理を多く摂りましょう。
時間がない時は、豆腐をレンチンして醤油をかけるだけでも良いのです。

高齢出産で体力が消耗する

女性は30歳前後が女性ホルモン分泌量のピークで、それ以降は減少していきます。
また、血流の低下など体内環境も悪くなってくるため、出産後も体調が戻りにくくなります。
すると脳がそれを感知し、出血でさらに体力を消耗しないよう、エストロゲンやプロゲステロンの分泌を止め、生理が来ないようにしてしまうことがあります。
その結果髪の寿命が元に戻らず、抜けやすくなるのです。

<改善法>

産後は赤ちゃんの世話で、自分の栄養摂取がおろそかになりがちです。
しかし、体力を戻すためにはしっかり栄養を取ることが大切ですから、スーパーの総菜やレンチン料理など、簡単に用意できる料理を工夫しましょう。

また、不足しがちなビタミンやミネラルは、サプリメントから摂取することもできます。
医師と相談し、良いといわれるものを選ぶようにしましょう。

ストレスが溜まりやすくなる

出産後は、生活がガラッと変わります。

寝る間もなく赤ちゃんの世話をせねばならず、特に初産ともなれば何をするにも不安がつきまといます。

しかも、義両親や両親、先輩ママなどの意見に振り回されたりして、心身にどんどんストレスが溜まりやすいのです。

ストレスや寝不足は交感神経を活性化させ身体を緊張させる作用があり、血管の伸縮を止めてしまいます。
すると血流が悪くなり、頭皮まで充分な栄養が来なくなってしまうため、抜け毛がいつまでも減らない、薄毛になるといったトラブルが起きやすくなります。

さらに、育児に慣れてくると今度は回りの赤ちゃんとわが子との差が気になり出します。
赤ちゃんの成長には個人差があるとわかっていても、よその子とわが子の差が新しいストレスとなってしまうと、抜け毛が止まらなくなってしまうのです。

<改善法>

短時間の昼寝でも良いので、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。
また、週に1回以上20~30分入浴タイムを確保し、のんびり湯船に浸かるようにしてください。
15分ほど浸かるだけで血行が良くなり、副交感神経が活性化するので筋肉の緊張もほぐれます。

また、各自治体が育児相談を受けているので積極的に利用し、育児ストレスをできるだけ溜め込まないようにしましょう。

運動不足になり血行が悪くなる

赤ちゃんの世話は非常に体力がいりますし、全身運動をしているようなものです。

しかし、全身の筋肉をバランス良く使う訳ではないため、負担がかかる部分の筋肉が硬くなってしまいます。

するとその部分から上に血液が流れにくくなるため、髪が栄養不足となり抜けやすくなるのです。

特に、赤ちゃんがママに抱かれていないと眠らない場合、肩や腕、背中などに何時間も負担がかかり続けるため上半身の筋肉が凝り固まり、血流が非常に悪くなってしまうのです。

<改善法>

産後の骨盤矯正を兼ねて、下半身を中心に軽い運動をすることをおすすめします。
特に足には全身の筋肉の7割が集まっているため、足を動かすことで効率的に筋肉を強化することができます。
また、足を動かすには腰や背中の筋肉も使うため、上半身のこりにも効果があります。

1回5分程度でも、1日のトータルが20分前後あれば脂肪は燃焼するという実験結果もありますから、ダイエット効果も期待できますよ。

スマホやパソコンの見過ぎ

今は昔と違い、育児情報が簡単にスマホやパソコンで手に入ります。

しかし、その分これらの機器から発せられるブルーライトを浴び続けることになります。

ブルーライトは脳を興奮させる働きがあり、交感神経が活性化してしまいます。

すると血流が悪くなり、頭皮まで栄養が届かなくなってしまうのです。

また、スマホを見続けるとスマホ首となり、骨が変形して首や肩の筋肉に負担がかかってしまうため、これも血液の流れを悪くする原因となります。

スマホ首は一度なってしまうと自然に治ることはないため、産後1年以上経っても抜け毛が止まらない原因となります。

<改善法>

情報収集をスマホやパソコンに頼り過ぎないことが大切です。
かかりつけの医師や自治体の育児相談を利用したり、ブルーライトを浴びすぎないよう本や雑誌から情報を得たりするなどの工夫をしましょう。

また、疲れやすい目を休めるために、目にホットタオルを乗せるなど温めるようにしましょう。

さらに、目の上下には眼精疲労に効くツボがあるので、押して痛いところを中心に軽く押すようにするのも効果的です。
なお、この時眼球まで刺激してしまうと毛細血管が切れてしまうことがあるので、必ず目の「回り」だけを押すようにしてください。

シャンプーが合わなくなった

出産後、肌質が変わる女性は少なくありません。

多くの場合敏感になり、それまで使用していたシャンプーの洗浄力や脱脂力によって肌荒れしやすくなるのです。

しかし、肌に合ったシャンプーをじっくり探す時間はなく、ネットで良い商品を見つけても市販品に比べると高額な場合が多く、今後の出費を考えるとつい我慢してしまいがち。

すると頭皮の荒れがひどくなり、毛根部まで炎症が広がってしまい、毛母細胞がダメージを受けて細胞分裂できなくなってしまいます。

髪は毛母細胞の新陳代謝によって伸びていくため、髪の毛が伸びなくなったり短い状態で抜けやすくなったりしてしまうのです。

同じシャンプーを使い続ける限り頭皮への刺激が続くため、出産後1年以上経っても抜け毛が減らない原因となるのです。

<改善法>

最近は、頭皮にやさしいアミノ酸系シャンプーが販売されているので、それを購入すると良いでしょう。
また、ベビーシャンプーも刺激が弱いので、敏感になったママの肌におすすめです。

さらに、お湯だけで洗う湯シャンも効果的です。

軽く頭皮をマッサージしながらぬるめのシャワーでお湯をたっぷりかけると、血行が良くなる上に必要な皮脂は残してくれるので、頭皮が荒れにくくなります。

この時、お湯は38℃前後にしてくださいね。

まとめ

女性は元々妊娠・出産に耐えられる身体をしている、といわれます。

しかし、そうはいっても抜け毛が止まらないのはとても不安ですよね。

産後のママ用の育毛剤なども販売されていますが、まずは頭皮に刺激を与えない方法で血行を良くし、頭皮環境を改善することから始めましょう。