寒い冬には空気が乾燥するため、静電気に悩まされているという方も多いのではないでしょうか。
静電気はショートヘアやロングヘアなどヘアスタイルに関係なく起こり、髪のパサつきなどのダメージにつながる場合もあるため、くれぐれも注意が必要です。
そこで今回は、静電気が髪に与える影響や、空気が乾燥するこの時期に静電気の発生を抑えるためにはどうすればよいのかについて、詳しく見ていきたいと思います。
Contents
そもそも静電気とは?
人間の体はもちろん、地球上に存在する物質は全てプラスとマイナスの電気を保持しており、普段はそのバランスが安定した状態になっています。
しかし乾燥や摩擦などが原因により、プラスとマイナスのバランスが乱れると、電気が蓄積されていきます。
この溜まった電気のことを静電気といい、体に蓄積された静電気は気づかないうちに少しずつ放電されています。
特に水分は電気を通しやすい性質があるため、湿度の高い夏などには、自然と静電気は放電されていくと言われています。
しかし空気が乾燥している冬には、大気中の水分が少ないため、静電気は放電されにくく体に溜まりやすい状態になります。
そのような状態で車のドアや部屋のドアノブなど電気が流れやすいものを触ると、一気に静電気が流れるため、バチッという音とともに体の外に放電されるという仕組みになっています。
静電気の起きやすい環境と?
静電気は、1〜3月の最も寒さが厳しくなる時期に頻繁に起こり、特に湿度が40%未満になると起こりやすくなると言われています。
また洋服の素材の組み合わせや、ブラッシングによる起こる摩擦により静電気が発生しやすくなるとされています。
例えばポリエステル素材の洋服に、ウール素材のニットやナイロン製の上着などを合わせると、静電気が発生しやすい状態となります。
これはウールやナイロンがプラスの電気を、ポリエステルがマイナスの電気を帯びているためです。
元々髪や頭皮の表面は皮脂で覆われており、これが頭皮を乾燥から守り、髪同士の摩擦を抑える役割を果たしています。
しかしナイロン製のブラシなどでブラッシングすると、この皮脂が取れてしまい静電気が起こりやすい状態となってしまいます。
髪が傷んでいる方ほど静電気には注意が必要
実は傷んでいる髪ほど静電気を帯びやすくなるとも言われているため、髪によく静電気が起こる場合というには、すでに髪がダメージを受け傷んでしまっている可能性が高いと言えます。
ヘアケアが十分に行われていなかったり、パーマやヘアカラーを繰り返すと髪は水分量が少なくなり乾燥してパサパサになるため、摩擦も起きやすくなり、静電気が発生してしまいます。
またダメージを受けた髪は、髪同士が擦れあっても摩擦が起きやすくなるため、さらに傷みを進行させてしまうことにもつながります。
さらに美容院で縮毛矯正やブリーチを行っている方は、健康な状態の髪に比べて水分量が半分以下になっている場合もあるため、特に注意が必要です。
そうなってしまうとトリートメントやコンディショナーでケアしても効果が表れにくくなり切れ毛が増えてしまい、ダメージを受けた部分はカットするしか方法がないため、特に乾燥している冬の時期のヘアケアは非常に重要であると言えるでしょう。
ちなみに髪は頭皮の近くより毛先の方が水分量が少ないため、静電気が起こりやすく傷みやすいとされているため、さらに入念なケアが必要であると言えます。
乾燥肌の方は静電気を溜めやすい?
一般的に肌の水分量が少ない乾燥肌の方は、静電気が起こりやすいとされており、髪にも悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
人間の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織に分かれています。
表皮の一番外側にある角層の細胞の隙間はセラミドという脂肪で埋められています。
このセラミドには水分を吸着する役割もあり、この働きにより角層には常に水分が蓄えられた状態となっています。
一方で皮膚の外側は皮脂膜という薄い膜で覆われており、皮膚から水分が失われないように守られており、これらセラミドと皮脂膜の働きによって、肌の水分量は正常に保たれています。
しかし加齢や乾燥などなどさまざな原因により皮脂膜が減少すると、少肌の水分が蒸発しやすい状態となり、さらにセラミドの水分も失われてしまうため肌が乾燥してしまいます。
肌と頭皮は一枚の皮膚でつながっているため、乾燥肌だと頭皮も乾燥しやすい傾向にあると言われています。
ですから元々乾燥肌だという方は、静電気の発生を抑えるためには頭皮や髪の乾燥に注意する必要があります。
髪の静電気によるダメージを防ぐ方法とは?
ここでは、静電気による髪へのダメージを抑える方法について、詳しく見ていきたいと思います。
常に保湿を心がけ乾燥を防ぐ
乾燥すると静電気が起こりやすいのはもちろんですが、髪自体もパサパサしたツヤのない髪になってしまいます。
特に空気が乾燥している冬には、室内の湿度を50~60%に保てるように加湿器をうまく活用するようにしましょう
湿度が40%以下になると、髪がダメージを受けやすくなるため注意が必要です。
また外出先ではヘアスプレーなどを使い、髪を保湿するように心がけましょう。
洋服の素材に注意する
ポリエステルやナイロン、ウールなどの素材は静電気が起きやすいため特に注意が必要です。
静電気が起こりやすい冬にはこれらの素材をできるだけ避けて、比較的静電気が起こりにくい木綿や麻、シルクなどの素材の洋服を選ぶようにするといいですよ。
ヘアケア方法を見直す
髪の乾燥が気になるという場合には、天然の保湿成分が配合されている保湿力の高いアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。
またシャンプーだけでなくトリートメントを変えてみることも必要かもしれません。
特に髪の乾燥がひどく静電気が気になるという場合には、保湿力に優れたミルクタイプの洗い流さないトリートメントを使うのがおすすめです。
ヘアブラシを変える
特に髪がすでにダメージを受けている場合には、冬にブラッシングすると髪とブラシの間で摩擦が起き、静電気が生じてこともあるため注意が必要です。
実は豚毛や猪毛などの動物由来の毛から作られているヘアブラシには、元々油分が含まれているため静電気が起こりにくいという特徴があります。
ですから適度な水分と油分が髪のキューティクルを整え、静電気を抑えながら髪をまとめてツヤのある髪にしてくれます。
一方でプラスチックやナイロン、塩化ビニール製のヘアブラシは静電気が起こりやすいため、冬には使用を避けるようにしましょう。
一旦静電気が起こってしまうと、ヘアスタイルがきまらないだけではなく髪や頭皮にダメージを与える原因になってしまうため、ヘアブラシ選びも慎重に行う必要があると言えます。
就寝前に髪にオイルトリートメントをつける
実は就寝時にも枕と髪との摩擦により、気が付かないうちに静電気を溜めてしまっているため要注意です。
そんな時々には、寝る前に乾いた状態の髪に少しオイルトリートメントをつけてみてください。
そうすることにより寝ている間も髪は保湿され、摩擦を抑えることができます。
シャンプー後に行うとよい髪の静電気対策とは?
ここでは、夜のシャンプーの後や寝る前に行うと効果的な髪の静電気の対策方法について詳しく見ていきたいと思います。
ドライヤーをかける前に洗い流さないトリートメントを重ね付けする
冬場の乾燥する季節には、洗い流さないトリートメントを重ね付けするのがおすすめです。
まずミストタイプのトリートメントをつけてからオイルタイプを、というように異なる種類のものを重ねることで、髪の保湿力をアップさせることができますよ。
マイナスイオンドライヤーを使う
マイナスイオンドライヤーとは、送風口からマイナスに帯電した酸素と水分が結合したマイナスイオンが放出されるドライヤーのことをいいます。
このドライヤーを使用すれば、一般のドライヤーとは異なり髪に溜まったプラスの静電気を中和し、マイナスイオンを髪に浸透させることで髪の保水力をアップさせる効果が期待できます。
普段から髪がパサつきやすいと感じている方やクセ毛の方、髪がうまくまとまらないという悩みを抱えている方にもおすすめですよ。
まとめ
髪が傷んでいると静電気が起こりやすくなり、さらに乾燥肌の方は髪のダメージを受けやすい状態になっているため、特に空気の乾燥する冬などには注意する必要があります。
そんな時には加湿器を使い室内の乾燥を防いだり、外出先でもヘアスプレーなどを使うなどして、できるだけ髪を保湿するようにすることが重要です。
また洋服の素材を工夫してみたり、これまで使っていたヘアブラシやシャンプーを見直してみることも大切です。
乾燥による静電気から髪を守るためにも、普段から保湿ケアを行い髪を健康的に保つように心がけましょう。