ブラッシングしたときや髪を洗ったとき、大量に抜ける髪を見てびっくりしたことはありませんか。
髪が自然に抜けること自体は、おかしなことではありません。
また、季節によって、髪が今までよりたくさん抜けることもあります。
そのため、多少抜け毛が増えていても、それほど慌てる必要はありません。
とはいえ、あまりに抜け毛の本数が多いときは注意が必要です。
ここでは、髪が自然に抜ける理由や平均的な抜毛の本数、抜け毛が増える季節などについて紹介します。
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髪のサイクル
髪は平均して10万本ほど生えていて、1日に0.3mm、1カ月に1cmほど伸びます。
ただし、何もしなければいつまでも伸びるかというと、そうではありません。
ある時期まで伸びると自然と抜け落ちます。
抜けた毛穴からはしばらく経つとまた伸びてくるため、通常は髪が薄くなることはないのです。
この「伸びて抜けまた生えてくる」サイクルを毛周期と呼びます。
毛周期を構成するのは次の3つの時期です。
成長期:毛母細胞(髪の元となる細胞)が盛んに分裂し伸び続ける時期。髪の場合は2~6年あり、全体の8~9割を占める。
退行期:毛母細胞が分裂をやめる時期。毛母細胞と髪が分離しはじめる。2週間程度度。全体の1%ほどがこの時期の髪。
休止期:毛母細胞が完全に休止し、次の準備を始める時期。3~4カ月程度で、全体の約1割程度をしめる。
つまり、髪は休止期に入ると自然に抜けるのです。
抜け毛の数は、1日あたり平均して50~100本程度といわれています。
約100本抜けるとして1カ月に約3000本ですので、意外と多いことがわかるでしょう。
これだけ抜けても、次の成長期に入れば自然と生えてくるため、心配はいりません。
ただし、髪はずっと毛周期を繰り返し続けるわけではありません。
15~30回ほど繰りかえすと終わります。毛周期を終えた毛穴からは毛が生えてこなくなります。
成長期が5年あるとして15回繰り返せば75年になるため、毛周期が正常なリズムを保っていれば、生涯を終えるまでにすべての毛穴の毛がなくなることはありません。
しかし、加齢やストレスによるホルモンバランスの乱れなどが原因で、毛周期のリズムが乱れることがあります。
成長期が短くなって休止期が長い状態に陥ると、抜け毛が増えて全体の毛量が減り、薄毛が目立つようになります。
そのため、明らかに1日に100本以上抜けているなど、あまりに抜け毛が多いときは毛周期が乱れている可能性があり、注意が必要です。
抜けやすい季節は春と秋
髪が抜ける本数が明らかに100本を超えていても、それが春や秋であればあまり心配しなくて良いこともあります。
なぜなら、この季節には抜け毛が増えることが一般的だからです。
この時期は1日に150~200本ほど抜けることもあります。
この抜け毛の増加は、およそ1カ月ほどで収まることが一般的です。
1カ月以上経っても一向に抜け毛の量が減らないときは、意識してケアしたほうが良いでしょう。
春に抜けやすくなる理由とは
春は、進学や就職などで生活環境が大きく変わる季節です。
環境の変化は人にストレスを与えます。
過度のストレスが溜まると、ホルモンバランスを崩したり自律神経を乱したりしがちです。
これらが毛周期のリズムを乱すことが、春になると抜け毛の量が増える原因と考えられています。
また、犬や猫のような動物には換毛期があります。
これは暖かくなってくると冬毛から夏毛に生え変わる性質のことです。
人間が春に抜け毛が増えるのも、動物の換毛期と同じ現象だとする説もあります。
秋に抜けやすくなる理由とは
春よりも秋のほうが抜け毛が増える傾向があります。
これには、主に次のような理由が考えられます。
夏に受けた紫外線によるダメージの蓄積
夏のエアコンによる頭皮の乾燥
ひんぱんにかいた汗や分泌が増えた皮脂による頭皮の荒れ
夏の疲れ
気温が下がり始めたことによる自律神経の崩れやホルモンバランスの乱れ
過酷な夏を過ごし、秋の頭皮は疲れています。そのうえ、気温の変化などが加わって抜け毛が増加するのです。
抜毛がおさまらない!どんなケアをすればいい?
季節の変わり目に抜け毛が増えることは、ある程度はしかたがありません。1カ月ほどすると収まるので、それほど心配することもないでしょう。
ただし、ケアすることで必要以上に毛が抜けるのを防ぐことは可能です。また、抜け毛が収まらないときは対策が必要です。
そこで、どのようなケアの方法があるか見ていきましょう。
頭皮に優しいシャンプーを使う
抜け毛を増やさないためには、頭皮を健やかな状態に保つことが大切です。
そこで、まずは今使っているシャンプーを見直してみましょう。
シャンプーは毎日のように地肌に直接触れるものであり、頭皮に与える影響が大きいからです。
洗浄力が強く、爽快感のある洗い上がりのシャンプーは刺激が強すぎる可能性があります。
アミノ酸洗浄剤が配合されている、保湿成分がたっぷり入っているなど、頭皮に優しい低刺激のものを選ぶのがおすすめです。
頭皮マッサージや運動で血行を促進
毛根に充分な栄養が届けば、髪はしっかり育ち、抜けにくくなります。
夏場のエアコンで冷えた身体は血行不良に陥っている可能性があるため、頭皮マッサージや運動を生活に取り入れ、血行を促しましょう。
頭皮マッサージといっても特別難しいことはなく、指の腹を使って優しくもみほぐしていけばOKです。
湯船にゆっくり使っているときなど、少しの時間をみつけてやってみると良いでしょう。
このとき、爪でうっかり頭皮を傷つけないようにすることが大切です。
また、ウォーキングなど有酸素運動を取り入れるのも良いでしょう。
日頃から紫外線ケアを
紫外線は頭皮や髪にも大きなダメージを与え、抜け毛を助長します。
そのため、肌だけでなく、髪や地肌も紫外線対策をとることが大切です。
特に、秋の抜け毛を抑えたいなら夏の間にきちんと紫外線対策をする必要があります。
あまり日差しの下を歩かない、帽子や日傘を使って日差しをシャットダウンする、UVスプレーを使うなどに気をつけましょう。
なお、紫外線は一年を通して降り注いでいます。夏以外の季節もきちんと対策することが望ましいです。
抜け毛が治まらないときはクリニックに相談を
自宅でのケアをがんばっても抜け毛が減らず心配なときは、頭髪専門クリニックなどで相談するのも1つの方法です。
抜け毛や薄毛は皮膚科でも診てもらえますが、専門性の高い頭髪クリニックのほうがより適切な治療が受けられます。
頭髪専門クリニックは初診料やカウンセリング料が無料のところもあるため、相談してみると良いでしょう。
まとめ
春と秋は抜け毛の季節!対策しつつ心配しすぎないように
はらはらと足元に落ちたりシャンプーの際に手にからんだり、抜け毛はやっかいなものです。あまりに多く抜けると、心配になるでしょう。
髪は毛周期のリズムによって毎日50~100本程度は抜けています。春や秋にはその量が200本程度にまで増えることも多いです。
心配しすぎたりイライラしたりするのは髪にもよくありません。ある程度抜けてしまうのはしかたないと考えましょう。
ただし、シャンプーを低刺激なものにかえる、頭皮マッサージをする、紫外線対策を怠らないなどの対策をすることで、必要以上に抜けないようにすることも可能です。
できる範囲でしっかり対策しましょう。