薄毛に悩んでいる女性は年々増加しています。
女性の薄毛の原因の多くは加齢によるものだと考えられていたのですが、現代の日本では20代から30代前半といった若い女性の薄毛が急増しており、深刻な問題となっているのです。
では一体、どういった理由で若い女性が薄毛になってしまうのでしょうか。
本日はその原因や、改善策をご紹介していきたいと思います。
過度なダイエットの影響
多くの女性は、ダイエットの経験があると思います。
しかし食事を極端に制限するようなダイエットは、薄毛を招く原因になってしまうと言われています。
特に3か月で10㎏といった急激なダイエットを行った女性には薄毛はもちろんのこと、髪のパサつきや切れ毛・枝毛といった髪トラブルが多く見受けられるのです。
というのも、私たち人間は健康や美容に欠かすことのできない栄養素の多くを、日々の食事から摂取しています。
しかしダイエットのために食事の量を極端に減らしたり、偏った食事内容になることで頭皮や髪に栄養素が行き渡らなくなり、髪をつくり出す毛母細胞や、毛根に存在する毛乳頭細胞などの働きが悪化してしまうのです。
すると新しい髪が製造されなくなってしまい、徐々にヘアサイクルが乱れていき結果的に薄毛を引き起こします。
また、ダイエットによるストレスも薄毛の原因になると言われています。
食事制限をしている時の空腹感はストレスとなり、イライラを助長させます。
すると自律神経のバランスが乱れてしまい全身の筋肉が緊張状態に陥り、毛細血管が収縮してしまうのです。
本来は血液と共に頭皮や髪に行き渡るはずだった栄養素や酸素も、血管が収縮することによって流れが遮断され、頭皮が栄養不足になります。
頭皮の栄養が不足した状態が長期間続くことで、髪はどんどん痩せ細り抜け落ちやすくなってしまうのです。
また新しく製造される髪の質も低下してしまい、細くて弱い、脆い髪になりがちです。
さらに過度なダイエットは、女性ホルモンのバランスを乱れさせたり分泌量自体の減少を引き起こします。
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2つで構成されており、月経周期に合わせてバランスをとりながら増減を繰り返しています。
この2つのホルモンの中でも、髪にとって大変重要な働きをしてくれるのがエストロゲンだと言われています。
エストロゲンは髪の成長を促進したり、頭皮の血流を改善する作用があるため不足すると薄毛の原因になりかねません。
また女性ホルモンは抜け毛を引き起こす原因の1つだと言われている男性ホルモン・テストステロンの分泌を抑制する働きがあるため、豊かで健やかな髪に必要不可欠なのです。
女性ホルモンの分泌量が少しずつ減り始めるのは本来であれば30代後半からなのですが、極端なダイエットにより体内のエネルギーや栄養素が不足することで20代や30代前半といった若い年代の女性でも分泌量の減少が見受けられるそうです。
この栄養不足や精神的ストレス・女性ホルモンの減少は、女性に多く見られるびまん性脱毛症の原因になるのです。
びまん性脱毛症とは髪が全体的に薄くなるタイプの薄毛で、男性の薄毛とは違い局所的に髪が薄くなるわけではないことから、自分では気が付きにくい脱毛症だと言われています。
そのため自覚した時には症状がかなり進んでいるというケースも少なくありません。
しかし、こういった極端な食事制限がきっかけで発症した薄毛は比較的改善しやすいと言われているため、早期発見・早期治療が重要になってきます。
栄養不足によって引き起こされたびまん性脱毛症改善のために心がけたいのは、バランスのとれた食事をとることです。
鶏肉や豚肉・卵などに多く含まれるタンパク質や、イチゴや柑橘系に含まれるビタミン類、また牡蠣などに多く含まれる亜鉛を代表とするミネラルをバランスよくとるようにするだけで、頭皮や髪は応えてくれるはずです。
また豆腐や納豆といった大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た働きをしくれるのでダイエット中でも積極的にとるようにしましょう。
ヘアースタイルやヘアカラーも薄毛の原因に
女性であれば、あらゆるヘアカラーやヘアアレンジを楽しみたいですよね。
しかし、そういったものも薄毛の原因の1つなのです。
というのも、現代の日本女性の間で牽引性脱毛症が急増しているのです。
牽引性脱毛症とは、頭皮が引っ張られ続けることで引き起こされる脱毛症を指します。
発症する原因としては、ポニーテールやお団子ヘアといった地肌を強く引っ張るヘアスタイルを続けていることが考えられます。
また地毛に毛束を編み込んで使用するエクステンションも、牽引性脱毛症を引き起こす原因だと言われているのです。
地肌を長時間に渡って引っ張ることで頭皮の血行が悪化し、必要な栄養素が頭皮や髪全体に行き渡らなくなってしまうのです。
すると新しい髪をつくり出す細胞の働きが鈍ってしまい、ヘアスタイルが乱れを招き薄毛を引き起こしてしますのです。
また長時間引っ張られ続け、ダメージを受けた頭皮は回復までに時間がかかることが多いため、牽引性脱毛症は根気強い治療が必要な脱毛症だと言われています。
この脱毛症を改善するためには、ポニーテールやお団子ヘアといったまとめ髪を避けたり、エクステンションの使用を控える必要があります。
また、ずっと同じ分け目だとそこだけ強い負荷がかかり薄毛の原因にもなってしまうため、時折分け目を変えるといいでしょう。
普段から同じ髪型ばかりしていたり髪を触るクセのある方は、知らず知らずのうちに髪を引っ張っており地肌に刺激を与えているため注意が必要なのです。
牽引性脱毛症は基本的に頭皮への刺激による血行不良が主な原因なので、頭皮マッサージによって血流を改善するのも改善策として有効です。
お湯でシャンプーをした後に5分程度、頭皮全体を優しく揉みほぐすだけで血流の改善が期待できますから、日々のケアに取り入れてみましょう。
しかし、こういった方法を試しても一向に改善しないという方もいらっしゃると思います。
そういった方はセルフケアだけではなく、皮膚科や美容皮膚科といった医療機関を受診し、専門家の指示に従って治療をすすめることをお勧めします。
また、ヘアカラーも薄毛の原因になると言われています。
ブリーチ剤やヘアカラー剤には多くの化学物質が含まれているため、頭皮に付着することで炎症を引き起こす可能性があるのです。
また頭皮にヘアカラー剤が残留することで頭皮の毛穴が詰まり、毛穴内に細菌や雑菌が繁殖してしまい頭皮が深刻なダメージを負うといったケースもあるのです。
さらにヘアカラー剤に含まれる化学物質によってアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性も考えられます。
こういったダメージが徐々に頭皮に蓄積されていくことで、20代30代といった若年層であっても薄毛を発症してしまうのです。
ヘアカラー剤による薄毛や抜け毛を避けるためには、一定期間時間を空けてカラーリングをする必要があります。
頭皮がカラーリングによって受けたダメージの回復には、個人差があるものの1か月から2か月かかると言われているため、最低でも1か月は間を空けてから次のカラーリングを楽しむようにしましょう。
また薄毛予防のためには、市販のカラーリング剤の使用を避ける必要があります。
市販のカラーリング剤はすべての髪質の方がきちんと染まるよう、成分が大変強いのです。
さらに塗布する際も頭皮にべったりと薬剤をつけてしまいがちですから、頭皮の必要以上のダメージを与えかねないのです。
カラーリングをする際は美容院にいき、専門家に施術してもらうことでダメージを最小限に抑えましょう
女性の薄毛には、栄養不足やヘアカラー・ヘアースタイルなどが大きく関わっています。
自分の薄毛の原因をきちんと把握し対策をしていくことで、薄毛の予防・改善をしていきましょう。