仕事や家事、育児との両立など、現代を生きる女性は日々を忙しく過ごしています。
そのためストレスの蓄積や自律神経の乱れ、また女性ホルモンのバランスの変化などが起き、薄毛に悩む女性は増加傾向にあると言われています。
薄毛と聞くと何となく男性に多いイメージがまだまだ強いですが、十分女性にも起こりうるものであるため、普段から注意が必要です。
そこで今回は、女性に起こる薄毛の原因やその改善策について、詳しくご紹介していきます。
女性の薄毛は年齢を問わず増えている
女性の場合、更年期を迎える閉経前後の45歳~55歳頃から薄毛に悩む方が急速に増えてくると言われています。
しかし最近は、20代~30代前半の女性でも、抜け毛や薄毛に悩まされているという女性が増えていると言われているため注意が必要です。
男性型の脱毛症のことをAGAといいますが、一方で女性の脱毛症のことはFAGA、女性男性型脱毛症と呼ばれています。
男性の薄毛は、前頭部や頭頂部が薄くなったり、生え際がだんだん後退していくという特徴が見られますが、女性の場合は全体的に広範囲で薄毛が見られるようになります。
髪のハリやコシが以前よりなくなった、ブラッシングしたりシャンプーをした後に抜け毛が多く見られるようになり、髪全体がボリュームダウンしたという場合には、薄毛の前兆と考えて注意する必要があります。
女性特有の薄毛とは?
以下では、女性に多く見られる薄毛のタイプについて、それぞれ詳しく見ていきたいと思います。
・びまん性脱毛症
女性の薄毛の中で一番多く見られるのが、頭頂部から徐々に広がり、髪の毛の分け目が透けて見え髪全体がボリュームダウンするびまん性脱毛症です。
びまん性脱毛症の主な原因は、加齢やストレスなどであると言われています。
・牽引性脱毛症
ポニーテールなど髪を引っ張るヘアスタイルを長く続けていると、頭皮の特定の部分にだけ負担がかかり、そこだけ髪が薄くなってしまいます。
・分娩後脱毛症
妊娠中の女性は、通常よりも女性ホルモンの働きが活発になるため抜け毛が一時的に減少しますが、出産後はホルモンバランスの変化のため急激に抜け毛が増加します。
しかしほとんどの場合は一時的なものであり、だいたい数ヶ月から一年未満で元に戻るため、あまり心配する必要はありません。
女性に多い薄毛の原因とは?
ここでは、女性の主な薄毛や抜け毛の原因について、詳しく見ていきたいと思います。
・加齢や遺伝的要素
女性の薄毛は閉経後や更年期以降に急激に増加します。
特に50代以降になるとヘアサイクルに変化が起き、成長期が短くなりその代わりに休止期が長くなるため、抜け毛が増え、薄毛になっていきます。
また薄毛は遺伝するとも言われており、家族の中に薄毛の女性がいるという場合は、自身も薄毛になる可能性が高くなるとされています。
・女性ホルモンのバランスの乱れ
女性は年齢を重ねるとともに徐々に卵巣の機能が低下していき、更年期から老年期にかけては、髪質などに変化が現れてきます。
40代から50代に入ると多くの女性は閉経を迎え女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。
女性ホルモンには健康的な髪の成長を促す働きがあるため、ホルモンの分泌量が減少すると髪の成長速度が遅くなり、また退行期が早めに訪れてしまうため、髪が抜けやすくなってしまうと言われています。
さらに女性ホルモンの分泌量が減少するとともに、男性ホルモンの分泌量が増加することにより、FAGAの症状により薄毛となることが考えられます。
・不規則な生活習慣
睡眠不足や無理なダイエットなどの不規則な生活は、血流の悪化の原因となり薄毛や抜け毛を引き起こします。
髪の成長にとって重要な成長ホルモンは、睡眠中にもっとも多く分泌されると言われています。
ですから睡眠の質の低下や睡眠が足りない状態が長く続くと、成長ホルモンが分泌されにくくなり薄毛の引き金となるため注意が必要です。
・栄養バランスの偏った食事
脂質の多い食事や、インスタント食品や加工食品の過剰摂取など栄養バランスの悪い食生活を続けていると、皮脂の過剰分泌が起こり頭皮環境が悪化して、頭皮や髪に悪影響を及ぼします。
・ストレスの蓄積
ストレスが溜まると自律神経や女性ホルモンのバランスが乱れ、頭皮の毛母細胞の働きを阻害して髪の成長を阻んでしまいます。
また自律神経が乱れると血流の悪化につながり、薄毛の直接的な原因となってしまいます。
・頭皮への血流不足
ストレスや運動不足などにより血管が収縮し血流が滞ると、毛母細胞の分裂に影響を与えて髪の成長が遅れ、薄毛の原因の一つとなります。
・紫外線による影響
頭皮は紫外線を浴びると、肌と同様に日焼けによりダメージを受けます。
そうすると毛母細胞の活動が鈍くなり、髪の成長に悪影響を与え薄毛や抜け毛の引き金となります。
・喫煙習慣
髪の成長に必要な酸素や栄養素は血液の流れによって運ばれています。
しかし喫煙することにより、タバコに含まれているニコチンの影響によって毛細血管が収縮すると栄養素がが行き届きにくくなり、頭皮全体に悪影響を及ぼします。
・間違った方法でのヘアケア
1日に何度もシャンプーを行うと、頭皮を保湿するために必要な皮脂まで洗い流してしまうことになるため、シャンプーは多くても1日1~2回にしておきましょう。
また洗う際に爪を立ててゴシゴシと髪を洗うと頭皮を傷つけるためNGです。
さらに髪をブラッシングする際にも、先の細いブラシは頭皮への刺激が強すぎるため、先の丸いものや柔らかい素材のものを選ぶようにしましょう。
・病気が原因となっている場合も
女性の場合、膠原病や慢性甲状腺炎などにより、薄毛や抜け毛の症状が見られる場合があります。
また貧血の悪化により血流が滞り、頭皮に髪の成長に必要な栄養素が十分に送られなくなったりすることもあるため注意が必要です。
女性の薄毛や抜け毛を改善する方法とは?
・生活習慣を改善する
毎日決まった時間に食事を摂るなど、できるだけ規則正しい生活を送るようにしましょう。
髪の成長に欠かせない成長ホルモンは、特に入眠後3時間ほどの間に最も多く分泌されると言われているため、質のよい睡眠を取れるように、眠る1時間ほど前にはスマホやパソコンの画面を見るのをやめるようにしてくださいね。
・食生活を見直す
健康的な髪を育てるためには、毎日の食事からバランスよくさまざまな栄養素をとることが重要です。
ですから薄毛や抜け毛を防ぐためには、できるだけ一日三食きちんと食べることを意識するようにしましょう。
髪の成長に栄養素としては、髪の主な原料となるたんぱく質、髪の合成に必要な亜鉛などのミネラル、頭皮環境を整える役割のあるビタミン類が挙げられます。
これらの栄養素を意識しながら食事を摂ることが、薄毛の改善につながります。
特に女性の場合は、女性ホルモンと似たような働きをする大豆イソフラボンが多く含まれている、豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品を積極的に摂取するようにしましょう。
・適度な運動を行う
更年期に起こりやすいさまざまな体の変化やストレスに対応するためにも、運動は大変効果的です
血流の促進やストレス発散だけではなく、睡眠リズムを整え質のよい睡眠を得ることにもつながるため、薄毛対策したい方には適度に体を動かす習慣を身につけることをおすすめします。
・これまでのヘアケア方法を見直す
シャンプーは朝ではなく、できれば夜寝る前にするようにしましょう。
夜にシャンプーしないと一日の汚れを残したまま放置することになってしまうため、頭皮環境の悪化の原因となります。
どうしても朝にシャンプーしたいという場合には、シャンプー剤を使わずにシャワーのお湯だけで洗い、髪や頭皮への負担を軽減するようにしてください。
また入浴時や就寝前に寝る前などに頭皮マッサージを行うと、血行促進や毛穴の詰まりの解消、ストレス軽減などにつながり、薄毛対策もできるためおすすめですよ。
・しっかり紫外線対策を行う
紫外線は肌だけではなく髪や頭皮にもダメージを与えてしまうため、外出する際には帽子や日傘を使ったり、UVケアスプレーなどで活用するなどして、髪や頭皮を紫外線から守るようにしましょう。
・病院を受診する
甲状腺疾患や脂漏性皮膚炎など、何らかの病気が薄毛の原因になっていると考えられる場合には、放置しておくと抜け毛や薄毛だけではなく健康への悪影響も想定されるため、できるだけ早く病院を受診しましょう。
まとめ
女性の社会進出が進むにつれ、仕事のストレスや家事や育児などのアレルギー負担も重なり、薄毛の悩みは男性だけではなく、女性の多くが抱えている問題であり、けして他人事ではありません。
もし薄毛や抜け毛が気になるようになったら、生活習慣の見直しやストレスの解消など、できるだけ早めに対処することが改善につながるため、普段から自分の髪の状態をチェックしておきましょう。