人間の体はたんぱく質でできています。
髪も例外ではなく、たんぱく質を摂取しなければ薄毛になってしまうのは当然です。
ただ、なんでもいいわけではなく髪に作り変えることができる、良質なたんぱく質を摂取していかなければいけません。
人間の髪を構成しているたんぱく質
人間の髪は、勝手に生えてくるわけではありません。
抜け落ちてしまうことからも、自分の体の一部だという事実を忘れがちです。
皮膚などと変わらない人間の体の一部であり、体の中で摂取した栄養素を使い作り出されています。
この構造を忘れてしまうと、いくら外部的な薄毛対策を施したとしても、髪は生えてきません。
作り出せないのですから当然です。
大事なこととして、体の中で髪ができやすい状態を作らなければいけません。
髪は、体の他の部分と同様にたんぱく質でできています。
たんぱく質は食事から摂取しなければいけないものがあります。
髪はたんぱく質ですが、食べたものがすぐに髪に変わるわけではありません。
食事から摂取したたんぱく質たんぱく質は構造的に大きすぎて運びきれないのです。
そこで一旦アミノ酸に分解し、血液に乗って必要なところに運んでいくのです。
その場でたんぱく質に再合成して使われます。
この構造によって色々な形に変わっていくと考えればわかりやすいでしょう。
髪を構成しているたんぱく質が、99%がケラチンと呼ばれているものでできています。
硫黄を含むたんぱく質の総称で、爪や皮膚の角質も同じような構造です。
水分を含む弾力性のあるたんぱく質で、内部のアミノ酸の割合によって違いが出てきます。
中でも特徴的なのは、シスチンと呼ばれるアミノ酸が非常に多い点です。
体内でも合成できるアミノ酸の一つで、非必須アミノ酸と呼ばれています。
他のものからでも合成できてしまうため、絶対に必要というわけではないのです。
ところが、他のアミノ酸であるメチオニンからも合成できます。
このメチオニンは、体内で合成できない必須アミノ酸です。
つまり、食事から摂取しなければ、髪を作り出すたんぱく質として必要な栄養素が足りないと言う事実が見えてきます。
これらの必須アミノ酸を含むような食品を、良質なたんぱく質と呼んでいるのです。
薄毛対策として食事を考えるのであれば、いかに良質なたんぱく質を摂取できるかがカギを握っているのがわかるでしょう。
1日に必要な量はどれぐらいか
たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。
高分子結合と呼ばれますが、この組み合わせの量や種類によって働きも変わってくるのです。
このうち体内で合成できるものは非必須アミノ酸となりますが、11種類存在します。
残りの9種類が、体内で合成できない必須アミノ酸です。
つまり、多くのものは食べ物から摂取しなければ、足りなくなってしまいます。
日本人の1日に必要なたんぱく質は、摂取エネルギーに対して13%から20%が理想的な数値と言われている状態です。
現在の日本人の食生活を見ると、摂取エネルギーの多くは脂質に偏り始めました。
脂質はエネルギー換算しやすい特徴を持っているため、量が増えてしまうと、たんぱく質の量も必然的に減らすことになります。
栄養のバランスがしっかりしていなければ、良質なたんぱく質の摂取量も減ってしまうことになるでしょう。
ここから計算できる量は、成人男性で1日約60g、女性の場合は1日50g程度必要となります。
意外と少ないと思うかもしれませんが、これは勘違いです。
例えば豊富に含まれているとされている鶏のささみ肉の生の状態で可食部100gあたりの成分量を見てみるとわずか24gしか含まれていません。
1日60g摂取が必要とするのであれば、1枚で約40gとなるので、250g近く摂取するためには6枚以上食べることになるのです。
簡単にできるものではないのがわかります。
もう少し大きなもので考えると、豚のロース赤身肉で100gあたり23g程度です。
一枚が約200gで売られているとすると、1枚半ぐらいは食べなければ摂取量に満たない計算となります。
女性でも豚ロース一枚でようやく摂取量を満たすという事実からも、なかなかうまく摂取できていないことが分かるのです。
生命活動という面で考えた場合、一つの栄養素ではいけません。
様々な栄養をバランスよくとらなければ、影響が出てしまうのは子供でもわかることでしょう。
そうなると、良質なたんぱく質に集中して取るというわけにもいかなくなるのです。
薄毛対策という面でも良質なたんぱく質は大切ですが、他の栄養素も摂取しながら60gを目指さなければいけません。
そのためさらに適切な量の摂取は難しいのです。
たんぱく質のスコアと不足したらどうなるのか
良質なたんぱく質という考え方で見ると、たんぱく質スコアという数値があります。
それぞれの必須アミノ酸について評価をした数値ですが、一般的に動物性のたんぱく質の方が良好な数字を出します。
肉や魚といったものが良好な数字を持っており、穀類などはスコアが下がるのです。
ところが、スコアが高いから良質なたんぱく質ではないとは言い切れません。
全てが同じようなバランスで含まれているわけではないからです。
ある必須アミノ酸は豊富に含まれているけれど、他は少ないといったことも起きます。
どうしてなたんぱく質が含まれてるからといって、すべて動物性のものに頼るのは危険です。
薄毛対策という面も含め、人間の体からたんぱく質が不足したらどうなるのかも考えておく必要があります。
薄毛が進行する可能性もありますが、そもそも生命活動を維持するために欠かせない栄養素です。
酸素やホルモンなどの機能を調節する役割を持っていますし、免疫機能としても大切な要素になります。
体を構成している栄養素ですので、たんぱく質が不足すれば筋力の低下を招くのです。
筋力の低下を招きば、冷え性などを引き起こす可能性が高くなり、様々な病気を治せる基礎を作ってしまいます。
体を支える力も弱くなり、バランスが取れないような状態も生まれるでしょう。
内臓に関しても問題を抱えるようになります。
髪が薄くなるといった問題だけではなく、健康な状態を維持できなくなるのですから、良質なたんぱく質を摂取できるように、バランスの良い食生活を考える必要があるのです。
野菜とともに摂取する
良質なたんぱく質を摂取しやすい食生活として大切なのは、バランスを崩さないところにあります。
例えばゆで卵を食べるというのは、ボディビルダーやプロレスラーが行なったりする有名な摂取方法です。
しかし、これだけ食べていれば薄毛対策になるといった結論には繋がりません。
サラダチキンなども良質なたんぱく質を多く含む食材で、塩分だけ注意すればかなり有効に使えます。
ここで大切なのは、野菜などが持つ豊富なビタミンと共に組み合わせていく必要がある点です。
手軽に買って来れるようなものだけではなく、1日20品目以上摂取できるような組み合わせを考えていくといいでしょう。
その中心として良質なたんぱく質を取るように心掛けていけば、薄毛対策にもつながるのは確かです。
ただし、勘違いしてはいけないのは、たんぱく質は体全体で必要とされる栄養素で、髪だけで使われるわけではありません。
まとめ
良質なたんぱく質を摂取するのは、生命活動としても大切な意味があります。
ただそれだけを取るのではなく、毎日の食生活として健康な状態を作るというのが薄毛対策にもつながる大事なポイントになるでしょう。
偏った食事は必須となる栄養素を失う可能性があるのを忘れてはいけません。