女性の薄毛

薄毛に悩む女性へ。育毛成分ピディオキシジルについて

ピディオキシジル」という育毛成分をご存知ですか?

近年新しく開発された育毛成分の一つで、もしかしたら薄毛の悩みをもつ方にとっての救世主になるかもしれない成分です。

育毛成分って色々ありすぎてどれがいいのか分からない…

と、お悩みの方に向けてこの記事では、元育毛カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、今話題の「ピディオキシジル」について、解説していきます。

ピディオキシジルとは

ピディオキシジルは、医薬品として唯一発毛成分が認められている「ミノキシジル」に非常に似た成分で、別名「ミノキシジル誘導体」とも呼ばれています。

「誘導体」とは、酸化、還元、原子の置き換えなどを行っても、その母体の構造や性質に大幅な改変がなされない化合物のことを指します。

ミノキシジルがもともと高血圧の薬を開発していく過程で偶発的に発見された成分であるのに対し、ピディオキシジルはその効果を期待できる育毛成分として開発されました。

ピディオキシジルはその分子構造自体がミノキシジルと非常によく似ており、発毛効果は同等以上とされていながら、ミノキシジルよりも副作用の心配が少ない優れた育毛成分です。

ピディオキシジルの効果

ピディオキシジルのもつ効果には、以下のものが挙げられます。

血管を広げて血行促進

毛母細胞の活性化

グロスファクターによる毛母細胞の再生

順に見ていきましょう。

血管を広げて血行促進

薄毛の原因として代表的なものが、「頭皮の血行不良」です。

血液の循環が滞ってしまっている状態の頭皮は、髪の毛を成長させるための栄養などをしっかりと行き渡らせてくれません。

ピディオキシジルには、この血行不良を解消させるため、血管自体を拡張させて、血行促進をさせる効果があります。

毛母細胞の活性化

ピディオキシジルには、毛母細胞の分裂を活性化させる効果があります。

ヘアサイクルの乱れた毛包は、全体的に弱くなり、小さく萎んだような状態になります。

毛母細胞の分裂を活性化させることで、毛包全体の動きが活発になり、結果として健康的な髪の毛が育ちます。

また、本来のヘアサイクルは女性は約4~6年と言われていて、そのなかで一番長い期間は「成長期」です。

ですが、ヘアサイクルが乱れてくると成長期の時期は短くなり、代わりに「休止期」の期間が長くなってしまいます。

毛母細胞を活性化させることで、この短くなった「成長期」を伸ばし、逆に「休止期」を短くさせ、ヘアサイクルを整えることにもなります。

グロスファクターによる毛母細胞の再生

血行不良により状態の悪くなっている頭皮は、毛母細胞の活動が弱くなり、眠ったような状態になっています。

もともと数の少なくなってる毛母細胞であっても、死滅してさえいなければ再び呼び起こすことは可能です。

グロスファクター(成長因子)と呼ばれる、人間が身体にもともと持っている再生能力を引き上げてくれる細胞の作用で、弱くなり眠っている状態の毛母細胞を起こし、再生させる効果があります。

ミノキシジルよりも浸透しやすい

ピディオキシジルは、ミノキシジルよりも頭皮への浸透がしやすい成分です。

もともとがミノキシジルを改良して開発された育毛成分なので、ミノキシジルよりも分子構造を小さくしており、より浸透しやすくなっています。

小さくなった分子構造によって、育毛成分がより頭皮の奥までしっかりと入っていきので、高い発毛効果が期待できます。

女性にも使える?

ピディオキシジルは、女性の方にも問題なく使用できます。

ピディオキシジル配合の女性向け育毛アイテムも多く販売されており、インターネットなどでの購入も可能です。

ストレスや加齢などが原因のヘアサイクルの乱れには、男性、女性の区別がありません。

ピディオキシジル配合の育毛アイテム

現在販売されているピディオキシジル配合の育毛アイテムは、

育毛剤

育毛シャンプー

の2種類です。

それぞれに女性向けのアイテムも多く販売されていますが、いくつかの注意点もありますので、順に見ていきましょう。

育毛剤

育毛剤は、育毛アイテムのなかでも一番効果的なアイテムです。

しっかりと使用していけば、ピディオキシジルの効果によって髪の毛の状態は良くなってくれるはずですが、使用方法を間違っていてはもったいないもの。

育毛剤は基本的に、一日2回の朝、夜使いましょう。

鼻を通った正中線上に、生え際からつむじにかけて4プッシュ、その両サイドに3プッシュずつの計10プッシュを頭皮に塗布します。

その後、生え際やつむじ付近などのご自分で気になる箇所に数プッシュし、全体的に優しくマッサージしてあげます。

これを毎日欠かさず行い、効果が出るまでに3か月~半年ほど続けます。

育毛アイテムのなかで一番効果の出やすい育毛剤ですが、「つけ忘れ」や「うっかり」が一番起きやすいのも育毛剤です。

しっかりと「継続する」ということを意識するようにしましょう。

育毛シャンプー

ピディオキシジル配合の育毛アイテムには、育毛シャンプーもあります。

育毛アイテムのなかでもシャンプー剤を今まで使っていたものと替えるだけで済む育毛シャンプーは、使いやすさと継続のしやすさが良く、おススメです。

ですが、シャンプー剤には界面活性剤と呼ばれる洗浄成分が入っています。

この洗浄成分には「石油系」に属するものがあり、このタイプのシャンプーは、髪の毛や頭皮の油分を取りすぎてしまう恐れがあります。

おススメなのは「アミノ酸系」に属する界面活性剤です。

髪の毛や頭皮の油分を取りすぎず、刺激の少ない優しい洗浄力で、髪の毛にも頭皮にも潤いを残してくれます。

育毛成分とは少し違った話ではありますが、せっかくピディオキシジル配合の育毛シャンプーであっても、強すぎる洗浄力で髪の毛や頭皮に負担をかけてしまっては本末転倒。

ピディオキシジル配合の育毛シャンプーを使用する際は、シャンプー自体の洗浄成分にまで注目するようにしましょう。

副作用は?

ピディオキシジルは似ている発毛成分である「ミノキシジル」とは違い、副作用の報告がほとんどありません。

医薬品であるミノキシジルに対して、このピディオキシジルは化粧品に属しているので、もともと副作用というリスクは少なくなっています。

ですが、育毛剤であれ、育毛シャンプーであれ、頭皮につけるものですから、ご自分が本来もっているアレルギー反応による「かゆみ」や「フケ」などは出る可能性があります。

もし使用後に違和感を感じるようなことがあれば、専門医に相談するようにしましょう。

注意点

副作用の心配はほとんどないピディオキシジルですが、注意点があります。

それは「5aリダクターゼを阻害する作用はない」ということです。

5aリダクターゼとは酵素の一種で、男性ホルモンを作るために必要な物質です。

これに「テストステロン」と呼ばれる人間がもともと持っているホルモンが反応することで、「DHT(ジヒドロテストステロン)」と呼ばれる物質に変化します。

この物質によって起こる脱毛の症状を「AGA(男性型脱毛タイプ)」と呼びます。

ミノキシジルがこの大元となる5aリダクターゼを阻害する作用があるのに対し、ピディオキシジルにはその作用がないため、AGA(男性型脱毛タイプ)の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制することはできません。

まとめ

ミノキシジルと比べられることの多いピディオキシジルですが、育毛成分としてはとても優秀な成分です。

特に副作用が心配でなかなか育毛アイテムを試すことのできなかったような敏感肌の方には、初めて使う育毛成分としては使いやすいのではないでしょうか。

使用の際は注意事項をよく読み、正しく使っていただければと思います。