抜け毛や白髪、フケなど、髪の毛には様々なトラブルがつきものです。
しかし皆さんにはあまり知らないような髪の毛のトラブルも実はたくさんあるのです。
よくあるくせ毛の悩みから、まれにみるトラブルまで一挙に解説していきますので、トラブルに悩んでいる方は是非参考にしてください!
Contents
くせ毛の悩み
日本人の髪の毛は、その形状として、黒くてまっすぐというイメージが昔からありますが、本当にまっすぐな髪の毛の人は5割程度です。
直毛の中に波状毛が混ざっているくせ毛交じりの人や、くせ毛の人もかなりいます。
くせ毛の表面
くせ毛の表面を顕微鏡で観察すると、湾曲していて太さが一定ではありません。また断面を見てみると、楕円形やおむすび形をしています。
直毛は表面が滑らかな曲面で、断面がま円形をしています。毛根の状態も異なっていて、直毛の場合はある角度をもってまっすぐに皮膚の中に伸びていますが、くせ毛は変形していて成長速度により変形状態も変化するようです。
くせ毛が混ざっている場合、外見および手触りは、デコボコしていて艶がなく、髪の毛が跳ねてスタイルが作りにくくなります。
くせ毛は遺伝
くせ毛は遺伝的なもので、残念ながらその形状を直毛のように変えることはできません。
また、子供のころは直毛だったのに、思春期の頃からだんだんとくせ毛になったという人もいるようです。
しかしこれは潜在的にくせ毛の素因を持っていた人が、第二次性徴の発現とともに、ホルモンのバランスが変わり、髪の毛の成長速度などが変化したことによると考えられています。
くせ毛の種類
髪の毛の形状の分類としては、直毛・波状毛・縮毛の3種類に大別することができ、直毛以外をくせ毛といいます。
髪の毛の色と同様に、髪の毛の形状も人種と大きくかかわりがあり、日本人は直毛から波状毛が多く、縮毛はまれにしか見られません。
フケの悩み
フケは誰にでもある生理的現象ですが、頭皮の新陳代謝が活発になり角化のスピードが早まると、フケが増加します。
フケ症の人のフケを顕微鏡で拡大してみると、角化が不完全で細胞核がしっかり残っているものが多く見られます。
乾性フケ
もともと肌が乾燥しやすく皮脂が出にくい人には、乾性フケが目立ちます。乾性のフケは細かくパラパラとしていて、肩などに落ちてきます。
フケの細胞を調べてみると、角化が不完全で細胞の中に核が存在します。ビタミンA欠乏、貧血、栄養不良も関係するようです。
脂性フケ
皮脂量が多く含まれる脂性のフケは、乾性のフケに比べるとやや大きな塊となって、頭皮にこびりついていることが多いようです。
男性ホルモンに関係深く、皮脂腺の分泌する活動が活発な場合や、胃腸障害、ビタミンB2 、B6の欠乏も影響します。
脂肪分や炭水化物の多いものをとりすぎないように注意が必要です。
病的なフケ
フケが病的に多く発生すると、まれに脱毛を伴う場合があります。乾性のフケは粃糠性脱毛症、脂性のフケは脂漏性脱毛症と関係があるようです。
病的なフケは薄毛や抜け毛の原因となりますので、早めの治療や対策が必要となります。
その他のトラブル
その他のトラブルとして、髪の毛に白いフケのようなものがついているけれども、原因がなんだかわからないというような場合があります。
肉眼で見た場合、どれも同じ白い付着物として見えます。通常、結節性裂毛・ヘアキャスト・アタマジラミの3つが原因として考えられますが、最近ではヘアスプレーなどの固まり(フレーキング)が、まれに付着することがあります。
結節性裂毛
ロングヘアーの毛先部分に、白い点々がいくつか点在していることがあり、つまんで引っ張ってみると白い点のところから切れてしまいます。
これが「結節性裂毛」と呼ばれているもので、損傷毛の一種です。化学的・物理的な要因により髪の毛を傷めた結果です。
特に濡れた状態での無理なブラッシングや、ブロー仕上げによる物理的な力が原因となっています。
櫛でとかすときなどは、毛先のもつれを解いてから、優しくとかすようにしましょう。
ヘアキャスト
髪の根元付近に、白い付着物が髪の毛を取り巻くようについていて、指先でつまんで移動させると簡単に動くものがあります。
これはヘアキャストと呼ばれ、ポニーテールや三つ編みのように、束ねたり引っ張ったりして繰り返し毛根に力がかかった場合、髪の成長に伴って、毛根を包んでいる毛包の一部が髪の毛に付着したものです。
丁寧な洗髪でほとんど除去することができますが、それでも残っている場合は、指先でつまんで毛先方向へ移動してとってください。
極度の引き詰め髪や一点に力がかかる髪形を避ければ、再びついてくることはありません。
アタマジラミ
アタマジラミは、戦前、戦後の一時期までは見られましたが、その後すっかり姿を消してしまいました。
ところが最近、小学校の低学年の子供たちの間ではやったことがあります。プールやタオルの貸し借りなどで広がったようです。
アタマジラミは髪の毛の根元付近に寄生していて、1回に40個くらいの卵を髪の毛に産みつけます。
この卵は髪の毛の、やはり根元付近にしっかり固着していて、肉眼ではヘアキャストと同様に白い点として見えますが、指先でつまんで簡単に動かすことはできません。
孵化には普通5~16日間かかり、成虫になると頭皮から血液を吸い、この時にかゆみなどの症状が表れます。
アタマジラミの駆除方法
駆除の方法としては、殺虫剤による方法が最適で、アタマジラミ用の殺虫愛が薬局で販売されています。
この殺虫剤は成虫にしか効かないので、散乱してから孵化までの最低約2週間以上の連用が必要です。
そのほか、毛髪を短くして、毎日シャンプーをすることが大切です。小さなお子様はシャンプーが上手にできないので繁殖しやすいようです。
様子を見て大人がたまにシャンプーしてあげるのもいいでしょう。
フレーキング
近年、ヘアスタイルの多様化に伴い、局部的にヘアスプレーや整髪料を使うことが増えました。
多量に使うと液が髪の毛に零状に付着して、乾燥後白く見えることがあり、これをフレーキングと呼びます。
フレーキングはヘアキャストと類似していますが、これは簡単に移動しません。また発生部位も根元部分に限らず、スプレーをしたいたるところにできます。
またスプレーによっては、スプレー後、乾燥した髪の毛に櫛やブラシを通すと、樹脂が破壊されて白く見える場合があるのです。
これもフレーキングと呼んでおり、通常フレーキングは洗髪で落ちるものですが、多量に付着している場合は、より丁寧に洗髪する必要があります。
フレーキングを防ぐためには、整髪料などを大量に使わない、近距離で使わないなどの対策が必要です。
まとめ
原因と症状を明確にし適切な対策を!
いかがでしたでしょうか?この記事では髪の毛にまつわる様々なトラブルについて解説してきました。
よくあるくせ毛やフケの悩みから、めったに聞かない疾患まで。髪の毛はとてもデリケートなので、だれでもこのようなトラブルに悩まされる可能性が考えられるのです。
それぞれ原因が様々ですが、大切なことは日々のヘアケアを丁寧に行うことです。
髪の毛を乱暴に扱っていると、その分トラブルに見舞われるリスクが高くなってしまいますので、要注意です。
フケなどの悩みを改善したい方は、まずは頭皮の血行を促進し、頭皮環境を整えることが大切です。
トラブルの様々な症状から原因を明確にし、適切な対策で予防・改善することが大切ですので、この記事を参考に、健康的な毛髪環境を維持していきましょう!