ゴマ、特に黒ゴマは白髪の予防に良いといわれています。
確かにあの色を見ると、何となくそんな感じがしますよね。
でも、それって白ゴマや金ゴマは効果なしってこと?
いいえ、そんなことはありません。
ゴマは黒でも白でも金でも、髪の毛の健康に素晴らしい力を発揮するのです。
Contents
ゴマってどういうもの?
ゴマって種?実?まずはゴマの特徴について簡単に説明しましょう。
ゴマの原産地と日本の状況
ゴマはアフリカ原産といわれ、紀元前14世紀頃にはすでに栽培が始まっていました。
私たちが「ゴマ」と呼ぶのは実の中の種子です。
現在、日本に出回っているゴマは、国内ではほんのわずか鹿児島や茨城、沖縄で作られているのみで、
ほぼ100%がナイジェリア、パラグアイ、スーダン、ミャンマー、中国などからの輸入品です。
なお、日本ではよく使われる黒ゴマは、欧米では使われていません。
また、金ゴマは生産量自体が少なく、トルコからの輸入がほとんどです。
黒ゴマ・白ゴマ・金ゴマの違い
ゴマの種子の違いは品種によるもので、どれもほぼ同じ成分とされています。
ただし、東洋医学では「黒」=「腎」と考えられ、黒ゴマは他のゴマより髪の健康により高い効果があると考えられています。
ここでいう「腎」とは成長・発育・生殖など生命の根源のことを指し、腎が弱ると老化現象が起こり、抜け毛や白髪が増えるとされているのです。
そのため、中国では黒ゴマ、黒豆、黒きくらげ、昆布、シイタケなどの食材をとても重要視しています。
また、黒ゴマの黒色はポリフェノールのアントシアニンなので、高い抗酸化作用があります。
こういったことを考えると、黒ゴマが一番薄毛や抜け毛に効果が期待できるかもしれません。
ゴマには髪に良い成分がぎっしり
ゴマはあの小さい粒の中にぎっしり栄養を含んでいます。
タンパク質、炭水化物、脂肪酸の他、ビタミンB1・B2・B6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンE、ナトリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅など、
健康食品として注目されるにふさわしい成分になっています。
また、ゴマには脂肪酸が多く含まれています。
そのため、食べ過ぎるのはよくありませんが、健康に良いリノール酸とオレイン酸、パルミチン酸などが入っています。
リノール酸
体内で作られない必須脂肪酸の一つで、血中コレステロール濃度や血圧、血糖値を降下させる働きがあります。また、高い保湿効果があり、皮膚や髪の老化防止にも役立ちます。
不足すると髪がパサついたり抜け毛が増えたりすることがわかっています。オレイン酸
悪玉コレステロールを減らす作用によって、血管の健康維持や生活習慣病の予防改善に効果があるといわれています。また、腸のぜん動運動を促進するので、便通が良くなります。
さらに近年の研究で、活性酸素によって細胞がダメージを受けるのを防御する働きがあることが報告されています。パルミチン酸
抗酸化作用があり、皮脂の酸化を防ぐ作用があります。
また、新陳代謝を促進するので、肌のターンオーバーが正常になり、シワやシミ、ニキビなどに働きかけてくれます。
これらの脂肪酸は摂り過ぎると身体の害になりますが、健康を維持するのに必要でもあります。
ゴマを大さじ1杯など毎日大量に摂らない限り、心配する必要はありません。
ゴマ特有成分「ゴマリグナン」とは
ゴマには、特有の成分「ゴマリグナン」が含まれています。
ゴマの成分のわずか1%ながら高い抗酸化作用を持っています。
セサミン、セサモリン、セサモール、セサミノールなどで構成されており、特に注目されているのがセサミンです。
薄毛対策に良いセサミン
セサミンには、肝機能を高める働きがあります。
肝臓から作られるコレステロールは、分子の大きさによってHDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールに分かれます。
悪玉コレステロールが血中に増えると血液がドロドロになって血行不良を引き起こし、頭皮に充分届かなくなります。
また、届いた血液も質が悪く、髪を健康に育てることができなくなるのです。
セサミンには悪玉コレステロールを抑制する作用があり、日本で行なわれた実験で高コレステロール患者の数値が改善されたと報告されています。
また、セサミンには過酸化脂質の生成を抑える働きもあります。
過酸化脂質はコレステロールなどの脂肪が活性酸素によって酸化してできたもので、細胞のDNAにダメージを与えるのです。
これが頭皮の毛母細胞に起こると、髪の成長に支障が出てしまいます。
頭皮の皮脂が紫外線に当たると活性酸素が発生し、過酸化脂質となって毛穴に入り込み、毛母細胞の機能を劣化させてしまうのです。
セサミンには過酸化脂質を食い止める働きがあるため、紫外線を浴びた皮脂の酸化を防ぎ、髪の生育を助けてくれます。
他の成分にも高い抗酸化作用がある
セサモリン、セサモール、セサミノールなどは、ゴマを炒ったり擦ったりゴマ油を作ったりする過程で変化します。
セサモリンは活性酸素の増殖を抑える抗酸化機能のある成分ですが、これが焙煎されるとさらに強い抗酸化作用のあるセサモールに変化します。
また、セサミノールはセサモリンがゴマ油の製造過程で変化したもので、こちらもセサモリン以上の抗酸化作用を持ちます。
活性酸素は酸素に2%含まれているといわれ、呼吸しているだけで体内に入り込んでしまいます。
また、紫外線や大気汚染、ストレスなどによっても増え、体内を酸化させて老化を早めてしまいます。
そこで抗酸化作用のあるゴマを摂取することで、活性酸素による細胞の老化を防ぐ効果が期待でき、髪にも良い影響を与えてくれるのです。
女性ホルモンに似た作用がある
ゴマリグナンは植物性エストロゲンの一種で、女性ホルモンのエストロゲンに非常に似た働きがあります。
エストロゲンは美髪の維持に大切なホルモンで、髪の成長期を長くする作用があります。
女性が男性に比べ2~3年髪の寿命が長いのは、このホルモンの働きによるものです。
しかし、女性ホルモンの分泌は30歳前後を境に少しずつ減っていき、40代に入るとガクンと減少します。
そのため、30代後半から抜け毛が増え始め、更年期に向かってどんどん悪化してしまうのです。
ゴマリグナンはエストロゲンと同じような作用があるので、薄毛や抜け毛が気になり出した女性の育毛をサポートしてくれます。
ゴマは正しく食べましょう
栄養豊富で美髪効果が期待できるゴマですが、注意点もあります。
ゴマは外皮の処理が大切
ゴマは外皮が硬いため、そのまま食べても消化しにくく、大半がそのまま排出されてしまいます。
特に黒ゴマはほとんど消化されません。
摂取する時は、炒りゴマや練りゴマ、擦りゴマの形で摂取しましょう。
なお、ゴマは抗酸化作用があるためすぐには酸化しないものの、市販のものの大半は香りが飛んでしまっています。
できれば使用する直前に、炒ったり擦ったりすることをお勧めします。
ゴマは食べ続けることで効果が出る
ゴマは非常に栄養価が高い食品ですが、脂質も多いため、一度に大量に摂ると悪玉コレステロールが増えるなど逆の作用が出てしまいます。
また、ゴマには約10%の食物繊維が含まれているため、胃腸が弱い人が一気に食べると下痢をしてしまう危険性もあります。
炒りゴマや練りゴマ、擦りゴマの形でご飯に振りかけたり、バターやマーガリンの代わりにパンに塗ったりと、少量を毎日摂るようにしましょう。
ゴマで違和感が出たら注意!
近年、ゴマアレルギーを発症する人が増えています。
子供に多く、大人になると改善するケースが大半ですが、特に擦りゴマや練りゴマで発症しやすいといわれています。
食べた後にかゆみや炎症、鼻水などが出た場合は、一度アレルギーテストをすることをお勧めします。
まとめ
ゴマは小粒ながら薄毛の改善に良い成分がぎっしり詰まっています。
これまであまりゴマを食べなかったという方は、ゴマ団子やゴマ入りプリン、ゴマせんべいなどをおやつにしたり、
おにぎりにたっぷりまぶしたりと、簡単にできることからやってみてくださいね。