頭皮ケア

女性で薄毛が気になったらまずは頭皮を温めよう!蒸しタオルが効果的

薄毛の予防や改善には、頭皮を温めることが効果的です。
その方法としてよく推奨されるのが頭皮マッサージですが、習慣づけるのはなかなか大変ですし、間違った方法はかえって頭皮を傷めてしまいます。

そこでもっと手軽にできる、「蒸しタオル」を使った方法をご紹介します。

頭皮はどんな状態になっている?

顔の肌についてはチェックしていても、頭皮を気にすることはあまりないでしょう。

まずは、私たちの頭皮がどういう状態におかれているのか、知りましょう。

頭皮の温度は体温より低い

日本人の平均体温は心臓が40℃以上、それ以外が36.6~37.2℃といわれており、その温度が内臓や組織が最も効果的に働くようにできています。

ところが頭皮は心臓から遠いためそれより約2℃~5℃低く、身体の中心に比べると血管が収縮しがちです。

すると頭皮に栄養が届きにくくなるため、髪の毛が成長途中で止まり細毛や薄毛になりやすいのです。

頭皮は運動で温度を上げることができない

筋肉を動かすことで体温が上がり、血行が良くなります。

しかし、頭部には簡単に動かせる筋肉がありません。

特に最も目立つ頭頂部には帽状腱膜という膜しかなく、それを前頭筋や側頭筋、後頭筋が引っ張っている構造になっています。

しかも、前頭部や側頭筋、後頭筋は普段の生活でほとんど動かさない筋肉なので、帽状腱膜はどんどん硬くなってしまいます。
するとその下にある毛細血管を圧迫して血流が悪くなり、栄養が届きにくくなるのです。

頭皮や髪は栄養不足になりやすい

頭皮が栄養不足になりやすい原因には血行不良の他、血液そのものの栄養不足もあります。

頭皮の角質や髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質で、これは食べたタンパク質がアミノ酸に分解され、再度合成されたものです。

しかし、再合成の際に必要なビタミンCや亜鉛は、日本人が常に不足している成分です。
さらに、どちらもストレスによって大量消費されてしまうため、ケラチンタンパク質が作られにくくなり、頭皮も髪も不健康になりやすいのです。

頭皮のターンオーバーは乱れやすい

皮膚は常に新陳代謝を繰り返していますが、加齢とともに時間がかかるようになります。

よく、サイクルは28日といわれますが、これは20代の場合。

30代になると約40日、40代は約55日、50代は約75日もかかります。

しかもこれは正常な場合で、頭皮の場合1年中紫外線を浴びているため、新陳代謝速度はもっと遅くなります。

これは紫外線が肌の奥まで浸透し、細胞のDNAを傷つけてしまうからです。

髪は毛穴奥の毛母細胞が新陳代謝を繰り返すことで伸びていきます。

そのため、紫外線によって毛母細胞が傷つくと、髪の成長が滞ってしまいます。

頭皮の血管がなくなることも

血管には動脈と静脈、それから分岐して動脈と静脈をつなぐ毛細血管があります。

頭皮の場合、耳から上は髪の毛の1/10の太さの毛細血管しかなく、血行不良が続くと消滅してしまうことがあります。

これをゴースト血管といい、消滅した部分には栄養が行かなくなるため、髪の毛が抜けてしまいます。

頭皮を蒸しタオルで温めて薄毛対策をしよう

特にケアしない頭皮は、上記のように決して良い環境とはいえません。

そこで蒸しタオルで温めると、たくさんのメリットがあるのです。

頭皮の血行が良くなる

頭皮は元々温度が低めで、しかも筋肉がなかったりあまり動かさなかったり、さらに血管が非常に細いなど、血行が悪くなる条件が揃っています。

血行を良くするために良いといわれる方法には頭皮マッサージがありますが、力の入れ具合が難しく、血管を傷つけてしまうことがあります。

そこでお勧めなのが、蒸しタオルで温める方法です。

頭皮が気持ち良いと感じる38℃~40℃のお湯で温めた蒸しタオルを頭皮に乗せると、すぐに血管が拡張して血流が良くなるので、毛母細胞に充分な栄養が届くようになるのです。

頭皮のうるおい成分が増える

皮膚の角質層にはセラミドや天然保湿因子があり、高い保湿効果があります。

これらは皮膚の新陳代謝によって作られるので、加齢などによって新陳代謝に時間がかかるようになると頭皮からうるおいがなくなり、フケやかゆみの原因となります。

そこで蒸しタオルを使うと、血行が促進されて新陳代謝の速度が促進され、うるおい成分が充分分泌されるようになるので、フケやかゆみがなくなります。

また、これらの成分がたっぷりあると皮膚バリアとなって紫外線のダメージを防ぐ作用を発揮し、毛母細胞がダメージを受けにくくなるのです。

毛穴の老廃物が落としやすくなる

毛穴の内部には皮脂腺があり、そこから皮脂が分泌されています。

さらに毛穴上部には汗腺がつながっており、毛穴内は常に湿った状態になっているため、ほこりや老廃物が詰まりやすくなっています。

そこに紫外線が当たったり空気に触れたりすると酸化し、毛母細胞のDNAを変質させてしまうのです。

また、溜まった皮脂汚れは髪の根元にもつくため髪がぺしゃんこになりやすく、悪臭の原因にもなります。

蒸しタオルを使用すると、毛穴が緩んで皮脂汚れが出やすくなり、シャンプーで洗い流しやすくなります。

すると毛母細胞が分裂しやすくなり、髪の成長が良くなっていく上、髪が根元から立ち上がるため、ボリュームアップ効果も出るのです。

成長ホルモンの分泌が良くなる

成長ホルモンは睡眠中に分泌され、細胞の修復や生まれ変わりを促進する働きがあります。

しかし、このホルモンは入眠後30分~3時間の間の「熟睡中」でないとあまり分泌されません。

そこで蒸しタオルで頭皮を温めると、血管が広がって副交感神経が活性化します。

副交感神経には心身をリラックスさせ眠りを誘う作用があるため、熟睡しやすくなります。

すると成長ホルモンの分泌も盛んになり、薄毛対策になるのです。

日本女性の睡眠時間は先進国の中で最も睡眠時間が短く、2017年の調査では平均6時間40分という調査結果が出ています。

睡眠時間は長ければ良いというものではありませんが、毎朝目覚めにスッキリ感がない場合は、熟睡時間が不足していると考えましょう。

蒸しタオルの作り方と効果的な使い方

頭皮を温めることが薄毛対策になることがおわかりいただけたでしょうか。

ここでは、実践方法について解説します。

電子レンジで簡単にできる

お湯に浸して絞るより、電子レンジを活用しましょう。

頭皮全体を覆えるサイズのタオルを濡らしてラップに包み、30秒ほどチンすればOK。

一度広げて適度に冷ましてから使いましょう。

この時、シャワーキャップを上から被るとさらに頭皮が温まって効果倍増です。

入浴時に使うのが最も効果的

入浴時は、できれば入ってすぐに蒸しタオルを被り、シャンプー後またお湯で温めたタオルを被りましょう。

シャンプー前に使用することで、毛穴内の汚れが浮きやすくなります。

また、シャンプー後は頭皮がマッサージされて血管が広がりやすくなっているため、蒸しタオル効果で血流が良くなって頭皮全体に栄養が行き届くのです。

眠りが浅い人は就寝前に

毎朝すっきり起きられないという人は、就寝前に蒸しタオルを被りましょう。

血行が良くなり副交感神経が活性化するので、ぐっすり眠れるようになります。

また、熟睡すると成長ホルモンの分泌量がアップするので、薄毛対策に効果が期待できます。

冷めにくいようにアルミ製のキャップを被ったり、蒸しタオルを何本か用意しておいたりすると良いでしょう。

蒸しタオル+トントン叩くとさらに効果アップ

蒸しタオルは効果的ですが、すでに血管がなくなってしまっている部位は温めても血液が届きません。

そこで頭皮に刺激を与えると、周りの血管が広がって消滅した血管が再生され、薄毛が改善されやすくなります。

しかし、前述したように頭皮マッサージは力の入れ方によっては血管を傷つけてしまいますし、タオルの上からではうまくできません。

お勧めなのが、特に薄毛が気になる部分を中心に、指先やブラシの先で軽くトントン叩くことです。

頭皮表面と毛細血管は数ミリしか離れていないため、力を入れなくても充分刺激を与えることができるのです。

まとめ

薄毛になるとヘアスタイルを楽しむことができなくなりますし、貧弱で年齢を感じさせてしまいます。

蒸しタオルは簡単な方法ですが、頭皮環境を改善し薄毛対策にとても効果的です。

薄毛が気になり出したら、まずはお金のかからないこんな方法を試してみてくださいね。