避妊だけではなく、病気の治療にも使われることのあるピル。
そのピルには「髪の毛が薄くなる・抜け毛が増える」という説と、「髪の毛が増える」という説があります。
一体どちらなのでしょうか?
服用しているという人や、これから服用を考えている人は気になるのではないでしょうか?
そこで今回はピルと薄毛の関係について調査してみました。
服用の際の参考にしてみてくださいね。
Contents
ピルとは?
そもそも、ピルはどんな薬なのでしょうか?
ピルは女性ホルモンのバランスを調整する働きのある薬です。
中容量ピル、低用量ピルなど用量の違いがありますが、現在日本で処方されているピルは低用量(または超低用量)ピルがほとんどです。
避妊薬のイメージが強いかもしれませんが、
・PMS
・子宮内膜症
・生理痛
・ニキビ
・更年期障害
・生理不順
・月経過多
などの病気や症状の治療にも使用されています。
2つの違いはエストロゲンの配合量。
中用量のほうが低用量よりもエストロゲンの量が多いので、その分副作用も強く現れるものが多く、現在では低用量が主流となっています。
ピルには卵胞ホルモンであるエストロゲンと、黄体ホルモンのプロゲストーゲンの2種類のホルモンが配合されています。
この2つは女性ホルモンです。
女性ホルモンを投与することでバランスを整える仕組みになっています。
ピルは一般的な薬とは飲み方も違い、決まった飲み方が定められています。
21(疑似役含め28)日間連続で飲んだ後、休止する期間に生理が来るタイプ。
前半と後半で配合されているホルモンの用量が違うタイプ。
女性ホルモンの配合量が3段階に分かれているタイプ。
の3種類に分類されます。
一般的には連続で飲むタイプのものが多く処方されています。
1か月分が1シートになっているものがほとんどです。
エストロゲン
エストロゲンは排卵期に分泌されるホルモンで、子宮内膜を厚くする働きをしています。
女性が男性よりもお尻に脂肪がついていたり、胸が大きいといったいわゆる「女性らしい体」になるのは、このエストロゲンの働きによるものです。
プロゲストーゲン
一方、プロゲストーゲンは排卵が終わった後に分泌されるホルモンです。
エストロゲンによって厚くふかふかになった子宮内膜に受精卵が着床しやすくさせる働きをしています。
ピルに配合されているプロゲストーゲンは男性ホルモンの作用を持っているとされています。
ピルを飲むと毛が濃くなる?
ピルは女性ホルモンが主成分です。
乱れていたホルモンバランスが整うことで、抜け毛が減ることが期待できます。
また、足りていなかった女性ホルモンを補うことで、抜け毛予防になったり、一時的に毛の量が増えることも考えられます。
しかし、あくまでも一時的なものです。
薄毛治療でピルが処方されることはありませんので、効果としての「薄毛の改善」が認められる程度ではない、ということが言えると思います。
ピルを飲むと薄毛になる?
ピルを飲むと薄毛になる、と言われている理由は2つあります。
一つがプロゲストーゲンが配合されていること。
プロゲストーゲンは男性ホルモンの作用もあるホルモンなので、薄毛に関係のある男性ホルモンのせいで薄毛になってしまうのではないか、と言われています。
もう一つは服用を辞めた時に一気に抜け毛が増えることにあります。
ピルを飲んでいる最中は、妊娠中と一緒で毛の量が増えます。
しかし、ピルを辞めたことでその増えた毛が抜けてしまうので、一時的に薄毛になってしまう人がいます。
ピルで補っていたエストロゲンがピルの服用をやめたことで、外部からエストロゲンの供給がなくなってしまうので、一気に抜け毛が増える、ということになってしまいます。
これは抜け毛が増えたわけではなく、元に戻ったということになりますね。
産後の抜け毛と仕組みは同じです。
ピルは体や脳を「妊娠中」と勘違いさせるので、産後の抜け毛と同じことが起こるのです。
ホルモンバランスはしばらく経てばまた戻ってきますので、抜け毛も一時的なもので、収まってきます。
また、低用量ピルが流通する以前は、もっとエストロゲンの量の多いピルが主流でした。
その時は、やめた時にさらにエストロゲンの量に落差がありますので、低用量ピルよりも抜け毛の量も多くなります。
そういったことも、「ピルを服用すると抜け毛が増える」と言われてきた原因になっていると考えられます。
今は昔よりは安全な低用量のものが処方されますが、副作用等については医師によく確認し、納得した上で処方してもらってください。
ピルと薄毛の関係は?
ピルの副作用では
・吐き気
・胸の張り
・頭痛
・不正出血
などがありますが、薄毛に関しては明記されていません。
しかし実際にピルで「抜け毛が増えた」「毛が濃くなった」という人がいますので、多少の影響はあるのでしょう。
その影響も個人差があり、薄毛治療に使用されることも稀にありますが、薄毛の治療がメインの場合は他の薬を処方する場合が多いです。
ピルの服用で抜け毛が気になる、薄毛になってきた気がする、という人は処方してもらった医師に相談してください。
ピルはいくつもの会社が製造しているため、種類を変えるなどの対処をしてもらってもいいですね。
服用をやめた時の抜け毛に関しても一時的なので心配はありません。
しかし、気になる場合は医師に相談してみましょう。
薄毛に影響のないピルの飲み方とは?
薄毛に影響のない飲み方、というものは存在しません。
なるべく抜け毛の増減をおさえる方法としては、いきなりやめずに用量の少ないピルに移行しながら徐々に少なくする方法があります。
この場合、医師の処方が必要なので、抜け毛が気になる旨を伝えてみましょう。
大切なのは、ピルを飲んでいても飲んでいなくても
・睡眠時間
・睡眠の質
・バランスのいい食事
・適度な運動
・頭皮や髪の毛を清潔に保つ
ことです。
病気の治療ではなく、ニキビなど他の薬でも代用できる場合はピル以外の薬に変えてもらう方法もあります。
医師に相談して、話し合って決めるのが一番ですね。
また
・過度な飲酒
・喫煙
は薄毛の原因となりますので、気をつけましょう。
そもそもピルの服用中は喫煙は禁止されていることが多く、飲酒に関しても
・飲酒したことによる下痢などでピルの効果が落ちると言われています。
特に喫煙は心筋梗塞や血栓ができたりと命の危険が伴いますので、必ず医師または薬剤師に従って服用するようにしましょう。
ピルを飲む人は薄毛になりやすい?
ピルを飲んでいる、あるいは飲んだことがある人は薄毛になりやすい、という定説も存在します。
しかし、これも一概には言えません。
避妊を目的として服用している人には薄毛になりやすいかどうかは関係ありません。
しかし、婦人科系の病気や更年期障害の治療で処方されている場合、そもそもホルモンバランスの乱れやすい人、ということも言えます。
薄毛や抜け毛の原因には「ホルモンバランス乱れ」があります。
そのため、「ピルを飲む人は薄毛になりやすい」という説が生まれてしまったのではないかと考えられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ピルと薄毛の関係についてご紹介しましたが、ピルを服用しても一時的な抜け毛はあるのものの、薄毛になるということはありませんでした。
しかし、安心せずに生活習慣や食生活など気をつけて、綺麗な髪の毛を育てる生活を過ごしたいですね。