百害あって一利なしの代名詞とされるのが喫煙です。
さまざまな健康被害が出るのが指摘されている喫煙は、薄毛にも影響します。
薄毛になりたくないと思ったら、禁煙するべき理由を考えてみる必要があるでしょう。
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ニコチンが及ぼす影響
近年、分煙が徹底され、喫煙者と非喫煙者の空間が分けられるようになってきました。
タバコを喫煙すると、身体にさまざまな影響を与えます。
これは、本人だけではなく、周りにいる人も副流煙を吸い込むことで、さらに影響を受けることがわかったからです。
タバコに含まれているニコチンは、摂取すると血管を収縮させます。
かなり強烈な作用をもたらし、髪の成長にも大きく影響するのが問題点です。
血管が収縮すると、中を通る血液も少なくなります。
毛細血管などはつぶれてしまい、末端まで届きにくくなる状態です。
頭皮でも同じ現象が起き、栄養がいきわたらなくなります。
血液は栄養素や酸素などを運んでくれる細胞の成長に欠かせない存在です。
それがタバコを吸うことで阻害されるため、髪にとっては大変迷惑な存在になるでしょう。
では、ニコチンの少ないタバコであれば、頭皮の影響は少ないのかといえば、そうともいえません。
少量のニコチンでも身体は反応するため、喫煙自体がマイナスです。
刺激が少ない分、肺まで入り込みやすくなり、吸収されやすくなります。
軽ければ影響が少ないわけではないのがわかるポイントです。
副流煙の問題もあります。
タバコから直接出る主流煙よりも有害物質が多いとされ、受動喫煙の危険性も取り上げられるようになってきました。
自分でタバコを吸っていない人にも、重い負担をかけることにもなるのです。
これがストレスにつながることも出てきており、社会的な問題となっています。
もちろん、これも血管が委縮する原因につながるため、薄毛などと無関係とはいえません。
ビタミンCなどを失い活性酸素を増やす
喫煙者特有の栄養素の問題もあります。
ニコチンを摂取すると、特有の栄養素が排出するために消費されるのがわかっているのです。
その栄養素がビタミンCで、吸えば吸っただけ消費してしまいます。
ビタミンCと薄毛の関係
なぜビタミンCなのかといえば、体内に入ってきた有害物質を退社して排出する役割を持っているからです。
ビタミンCの役割は、血管を丈夫することです。
頭皮もそのひとつで、消費してしまえばその分補わなければいけません。
現実的に簡単なことではなく、どんどん不足する状況になるでしょう。
血流も悪化しますし、栄養も運ばれていかなくなるため、薄毛の原因を作り出します。
ニコチンによって、ビタミンCばかり消費されると思っていたら、実はビタミンB群やEも影響を受けることがわかってきました。
新陳代謝に必要なビタミンですし、血行も促進させるために使われます。
こうした栄養素を無駄に消費するため、薄毛には最悪の環境となるでしょう。
活性酸素と薄毛の関係
喫煙は同時に活性酸素を生み出すこともわかっています。
活性酸素は老化現象の原因にもつながる危険な存在ですが、たばこ1本数だけで、100兆個もの活性酸素を生み出すといわれているのです。
非常に大きなリスクであり、薄毛だけにとどまらない影響が出る可能性があります。
活性酸素は、身体が新陳代謝を起こすときに、さまざまな成分に反応していたずらするのです。
体内で細胞の外側にある不飽和脂肪酸と結びついてしまうのも問題で、そのまま過酸化脂質に変化します。
酸化している状態で、金属が錆びてしまうのと同じようなことが細胞単位で起こるのです。
この活性酸素が頭皮にもおよび、毛母細胞に影響を与えるケースもあります。
毛母細胞の力がなくなり、分裂しにくくなれば、結果として髪が生えにくくなるでしょう。
仮にヘアサイクルが正常であっても、活性酸素が邪魔をしてしまう可能性が高いのです。
悪玉コレステロールが増えていく
喫煙者の悪玉コレステロールの問題も重要です。
血中コレステロール値はLDLとHDLに分けられます、
悪玉コレステロールことLDLが増加し、善玉コレステロールであるHDLが減少するのです。
悪玉コレステロールは、さまざまなものに影響を及ぼしますが、動脈硬化まで引き起こす危険があります。
この動脈硬化のプロセスが、髪の成長にも影響してくるとしたら、薄毛の大きな問題につながるでしょう。
血液中に悪玉コレステロールが増えると、どんどんどろどろの血液に変わっていきます。
これが血管の内部に付着して、今度は弾力性まで奪ってしまうのが動脈硬化です。
血管が収縮してもいないのに、血液の流れが悪くなってしまいます。
頭皮も例外ではなく、栄養がいきわたらなくなるため、発毛のトラブルを引き起こすのです。
マッサージなどをしても簡単に回復する状態ではなく、常に栄養不足に陥ります。
ヘアサイクルに影響を与え、気が付いたときには薄毛になってしまうのです。
頭皮も力を失っていくため、刺激を与えれば、簡単に抜けてしまいます。
タバコを吸っているだけで、これだけの影響を頭皮にも与えるのです。
百害あって一利なしの意味が見てくるでしょう。
対処方法はいたって単純
喫煙者の薄毛に対する対処法は、単純に禁煙です。
タバコをやめるだけで、根本的な問題を解決できます。
ただし、タバコをやめたからといって、いきなり改善するわけではありません。
やめてもしばらくの間は体内にニコチンが残ります。
すべて抜けていくまでには48時間から72時間かかるといわれているのです。
禁煙から8時間で血中一酸化炭素レベルが正常域に戻ります。
24時間たてば、心臓発作の確率が下がり、48時間で嗅覚と味覚が正常な状態に復活しはじめるのです。
体循環が改善するまでには2週間から3週間は必要で、5年禁煙できると肺がんの確率は半分に減ります。
これほど時間をかけて健康な状態にしていきますが、髪はもっと時間が必要です。
ヘアサイクルは7年前後のスパンを持っており、髪の成長から抜け落ちて力を蓄えるまでの流れを持ちます。
いったんニコチンによって影響を受ければ、薄毛の状態から正常な段階へと取り戻すためにヘアサイクルが正常に戻るまで耐えなければいけません。
早い段階で禁煙できれば、大きな影響が出てくる前に正常に戻せます。
薄毛に気が付いてから禁煙したのでは、さらに長い時間が必要です。
それでも、禁煙しなければ、どんどん薄毛が進みます。
改善したいと思ったときにでも禁煙をはじめなければ、さらに進行が進んでしまうのです。
実際に身体の不調が出てくることもあるでしょう。
狭心症や心筋梗塞、高血圧のもとになるのはよく知られている症状です。
ガンはもちろんのこと、脳梗塞や糖尿病といった怖い病気にもつながります。
肌の老化も進みますし、肩こりなど冷え性の原因にもなります。
身体に非常に多くの影響を与えるため、薄毛解消だけではなく、なにかのきっかけでやめようと思ったときがチャンスです。
まとめ
喫煙と薄毛の関係は、身体の健康という部分でつながります。
不健康な状態になるからこそ、薄毛にもなるのです。
タバコがやめられないという人は、失うものはなにもないことに気が付かなければいけません。
ストレス解消のためにタバコを吸うというのは幻想です。
吸っていない人は、普段からストレス解消ができているのですから、理由をつけたりせずに禁煙を目指すべきでしょう。