アルコールを摂取すること自体は、薄毛になるわけではありません。
しかし、間接的な部分で見た時には、過剰摂取を繰り返しているうちに薄毛の原因を作り出してしまう場合が出てきます。
アルコールを摂取すると、体でどのようなことが起きているのか理解しておくと、薄毛対策として何を注意するべきかが見えてくるのです
百薬の長も毒になる
酒は百薬の長と言いますが、体に負担がかかっているのも間違いありません。
アルコールを摂取することで、体に負担がかかっているのは誰もが感じるところです。
特に肝臓に良くないというのはよく知られている話で、大量の摂取によって大きな病気につながると言ったことも出てきます。
少量のアルコールの摂取であれば、血行を改善してくれるメリットがあるのは確かです。
ストレス発散にもつながるため、有効な方法として使われてきました。
しかし、飲み過ぎてしまえば害になるのは、酒の中に含まれているエチルアルコールに問題があります。
このエチルアルコールは肝臓で分解されますが、この時に発生させる物質に問題があるのです。
その物質がアセトアルデヒドで、名前だけでも聞いたことがある人は多いでしょう。
アセトアルデヒドは、毒性のある物質です。
体の中に大量に止まると二日酔いの原因繋がります。
肝臓は炎症を起こしやすくなり、ダメージを残してしまうのです。
シックハウス症候群の原因となることでも知られていますが、発がん性がありアルツハイマー病のような神経障害にまでつながることが分かってきました。
免疫力も低下してくるため、分解しないまま体の中においておくことはできないほどの物質で、無毒化しなければいけません。
そうしなければダメージだけでも驚くほどの状態になってしまいます。
さらに、アセトアルデヒドが白血球などの細胞を傷つけ、酸化させていくことも分かっているのです。
つまり、体がどんどんと老化してしまう状況が舞われるため、これだけでも女性の薄毛につながる可能性があると考えられるでしょう。
無毒化されると酢酸に変わりますが、この時にポイントとなるのが、アミノ酸やビタミンB、亜鉛を大量に消費してしまうのです。
このことが、薄毛につながる可能性を示唆しているのは間違いないところになります。
消費された栄養素と髪の構成
アミノ酸やビタミンB、亜鉛を消費することの何が問題かを考えてみなければいけません。
これらの栄養素は、髪を育てるうえで必要不可欠なものなのです。
人間の体の大半はタンパク質でできています。
動物であれば同じようなもので、タンパク質でできているのには変わりがありません。
食べ物でタンパク質を摂取することになりますが、このままでは使えないのが問題です。
大きすぎるため、タンパク質を必要とするところにそのまま運べません。
そこでアミノ酸にいったん分解して、必要とするところで再構築するのです。
髪も同じですが、血液に乗って栄養素が運ばれて来て、必要とするたんぱく質の形に変えていきます。
つまり、良質なタンパク質が大切な要素となり、再構築するための栄養素もともになければ髪は育たないのです。
髪を構成しているタンパク質で重要なのがケラチンです。
髪の大半はケラチンでできていますが、19種類のアミノ酸から出来上がっています。
多くのアミノ酸が必要ではありますが、再構築するためには亜鉛やビタミン類を必要とするのです。
アルコールによって消費されてしまえば、どんなに良質なタンパク質が回ってきても髪は作り出せなくなります。
さらに、人間の生命活動としての問題も考えなければいけません。
人間の髪は、生命を維持するために必須のものではないとは誰でもわかるところでしょう。
髪がなくても人間は生きていけるのです。
人間の生命活動としての優先順位としては低い場所であり、栄養の必要性としても後回しにされやすいところになります。
人間の体の各所で必要とされるタンパク質は、良質なものをしっかりと取っていなければ、髪には回ってこないと言えるでしょう。
さらに、健康状態が悪化し、他のところでタンパク質がもっと必要になれば、薄毛になってしまう可能性も出てくるのです。
アルコールを大量に摂取し、体にダメージが出てくるような状態では、髪よりも先に修復のためにタンパク質や栄養を使われてしまう可能性が出てきます。
アルコール自体が薄毛に直接関係しなくても、間接的には大きな影響を与えていることになるのです。
アルコールは糖分である事実
アルコールは糖分であるところも注目しなければいけません。
燃やすと炭になるアルコールには、さらに色々な物を混ぜて飲むこともあるでしょう。
過度な飲酒によって多くの糖分を摂取するのがさらに大きな問題点です。
脂肪を増加させることになるのも忘れてはいけません。
糖質カットをしてあることを大きく宣伝文句にしているアルコールもあるのは、それだけ多くの糖分を摂取してしまうからです。
糖分を多く摂取し脂肪に変わってしまうと、頭皮でも脂質過多の状態が生まれます。
脂質が増えれば毛穴に詰まってしまう可能性が高まり、これだけでも薄毛に繋がる要素です。
もちろん、アルコールだけの問題ではありませんが、一緒に油っぽいものなどを食べていれば加速してしまうことになるでしょう。
つまみなどを取らずにアルコールだけ摂取していれば、体の負担はさらに増えてしまいます。
どちらをとっても悪循環な状況が生まれるという最悪の構図です。
頭皮が脂っぽいと感じると、過剰に洗ってしまうような事態も生まれます。
頭皮は脂質が必要なのであり、最低限維持しなければいけませんが、洗いすぎてしまうと補おうとして過剰摂取になる可能性が出てくるのです。
これも悪循環のポイントとなるため、どこかで断ち切らなければいけません。
アルコールの過剰摂取という状況を断ち切れれば、そもそも問題は小さくなるのを見逃してはいけないのです。
どうしても飲みたい時には
アルコールを摂取することによって、ストレス発散につながっている状況も確かにあります。
ストレスがたまれば、これも薄毛に繋がってしまうのは確かです。
人間の体としても生命維持に危機を覚えるような状況が出来上がるため、早めに発散するというのが大切になります。
しかし、過剰なアルコール摂取に頼るのではなく、もっと別の方法を考えるべきでしょう。
アルコールを飲んでいると、血行不良を引き起こす問題も出てきます。
これも薄毛につながる条件の一つですが、体温が下がってしまうことでも引き起こされます。
晩酌程度の摂取であれば、体にメリットが生まれてくるのですから、過剰摂取を控えるというのはここでも大切なのが見えてくるのです。
どうしても酒を飲みたいと思う日があったら、水分摂取を忘れないことが大切です。
血中アルコール濃度を下げるという役割も持っています。
さらにビタミンを摂取もするようにしなければいけません。
一緒にフルーツなどを食べるといった方法でも、少しでもカバーできるのですから、アルコールを飲む時には注意していかなければいけないでしょう。
サプリメントなどで補給しながらカバーするのではなく、アルコールの摂取という状態をよく考え対応していかなければいけません。
まとめ
適度にアルコールを摂取するには、体には影響はありません。
しかし、過剰摂取を繰り返せば必ず影響が出てきます。
その影響が、薄毛につながる可能性を秘めている以上、健康管理を考えても深酒はしないという生活が重要になるでしょう。