肌に有効な成分として、ヒアルロン酸を挙げる人は多いでしょう。
保湿成分として注目されるようになり、さまざまな商品が作られてきました。
このヒアルロン酸は、頭皮にも役立ってくれる可能性があるため、薄毛の悩みに対しても注目していかなければいけません。
美容でも注目されてきたヒアルロン酸
学術上はヒアルロナンと呼ばれているいるのがヒアルロン酸です。
非常に保湿性が高い性質を持っており、人間の体の各所で使われています。
水分を保つために欠かせない物質で、皮膚だけではなく軟骨や眼球でも重要な役割を持っているのです。
その大半は皮膚の中に存在しており、乾燥を防ぐためにも役立ってくれています。
水分を保つことで関節などの磨耗を防ぐため、高い注目を集めるようにもなりました。
細胞同士をつなぐ役割も持っており、弾力を保つのもヒアルロン酸が一役買っています。
クッションの役割を作り出すヒアルロン酸があるからこそ、ダメージから守れるとも言えるでしょう。
このヒアルロン酸は、30代に入ると急激に減少する性質を持っています。
赤ちゃんの頃には大量にあったヒアルロン酸が、40代にもなれば半分程度までに減少するのです。
肌のハリを司っている水分が減少してしまうことにもつながるため、だんだんとたるみが目立つようになり、シワやシミの原因を作り出すのです。
そのため、美容外科などで外部から注射する方法などもとられるようになりました。
現在では頭皮に注射する方法も取られたりしますが、それほど重要な役割を持っているのは間違いありません。
水分を保つことの重要性
頭皮の構造を見ていくと、表皮と呼ばれる部分の下には真皮層があります。
この真皮層の中に毛包があり、さらに毛母細胞が存在しているのです。
この毛母細胞が細胞分裂を起こすことで、髪を作り出していきます。
毛母細胞が活発に働くためには、指令と栄養がなければいけません。
髪を勝手に作り出しているのではなく、成長ホルモンがきっかけとなり、与えられた栄養を使って細胞分裂を起こすのです。
この栄養を運んでくるのが血液であり、一緒に酸素ももたらしてくれます。
頭皮をマッサージしたりするのも、この血管が広がる隙間を作るためで、固い頭皮にならないように予防するためにしているのです。
頭皮にある血管は非常に細く、小さな毛細血管がいくつも通っています。
大きな血管のように常に隙間を作っているわけではなく、血液が押し広げながら流れてくるのです。
頭皮が硬くなればこの隙間をつくりにくくなり、血液が滞りやすくなるのはすぐに分かるでしょう。
頭皮を柔らかく保つというのは、それだけ水分を保った状態でなければいけません。
柔らかく張りがある肌がしっとりと保湿された状態なのと何ら変わらないのです。
水分を失ってしまえば、固く締まった状態となり、血管のを通る隙間も失ってしまいます。
頭皮でもヒアルロン酸などが失われていくと、必然的に固く締まった状態になるでしょう。
これが薄毛につながる原因になるのは間違いありません。
紫外線の影響も考慮する
ヒアルロン酸は優れた保湿効果を持つ物質であり、600倍もの水を保てるだけの能力を持っています。
潤いを保ち弾力のある状態を作り出せますが、髪にも影響を与えており、ツヤのあるなめらかな髪が出来上がるのです。
つまり、髪質が落ちてくる原因のひとつとして、ヒアルロン酸の減少が関わっていると考えて良いでしょう。
体内のヒアルロンが減少してくれば、生命活動に必須とは言えない頭皮や髪の状態は悪化していきます。
ヒアルロン酸の減少は、さまざまな要因が隠れているため、なかなか特定しにくい部分があるでしょう。
加齢だけが原因ではないからです。
特に紫外線などの外部刺激は大きな影響を与えることが分かっており、普段から予防していく必要があります。
帽子をかぶると抜け毛が増えて薄くなると思っている人もいますが、紫外線の効果は驚くほど強いのです。
UVカットできる素材を使った帽子を使ったり、日傘を差したりするのも有効で、晴れの日だけではなく曇りの日でも降り注いでるのを忘れてはいけません。
細胞を劣化させ、ダメージを蓄積していくのが紫外線であり、火傷したような状態にもつながるため、ヒアルロン酸の減少にもつながってしまうのです。
頭皮の保湿がアンチエイジングにつながる
ヒアルロン酸が正常な値だったとしても、水分自体がなければ保湿ができません。
どんなに器があっても入れる水がなければ意味がないのと同じなのです。
ヒアルロン酸を維持したまま出来る限り保湿できれば、頭皮は柔らかい状態をキープできるでしょう。
頭皮と繋がっている顔の肌にも影響が出てくるのを忘れてはいけません。
顔のたるみが見られる時には、実は頭皮も影響しているからです。
膨らんだ風船をイメージするとわかりますが、中の空気が徐々に抜けていくことで、全体的にハリを失いだるい状態が出来上がるでしょう。
これと同じことが頭皮と顔に起きているのです。
頭皮の保湿をしていくことで、血流の改善にもつながるのを忘れてはいけません。
血液は栄養だけではなく、酸素や水分も運んでくれます。
余計な老廃物を排出してくれるのも血液の流れのなせる業です。
エイジングケアを目指しているのであれば、頭皮を含めた環境も注目しなければいけないと言えるでしょう。
ヒアルロン酸を補給する方法
ヒアルロン酸を補給する方法はいろいろと考えられるようになりました。
手軽にできる方法としては、外部から浸透させる方法です。
化粧品に使われているヒアルロン酸がその方法ですが、ヒアルロン酸原液を使うのも良いでしょう。
1%の溶解度限界値として作られているヒアルロン酸原液は、水にギリギリまで溶かされた状態です。
直接頭皮に塗ることも出来ますし、全身に使っても問題ありません。
そのままでは使いにくいというのなら、化粧水に配合してみるのも良いでしょう。
注意しなければいけないポイントは、添加物を配合をしていてもヒアルロン酸原液として販売されているものがある点です。
成分を確認することではっきりとしてきますので注意しておきましょう。
頭皮用のローションも販売されているので、こちらを利用するのも保湿ケアに役立ちます。
育毛剤として販売されているものなら、頭皮環境の改善にもぴったりです。
髪を育てるために配合された栄養や臭いやかゆみなどを抑える成分が、頭皮環境の整備を手伝ってくれます。
使いやすい状態に配合されているため、自分で化粧水に混ぜたりするような手間がかかりません。
育毛剤の場合には、副作用の心配もほとんどないため、使用量さえ守れば安心して使っていけるのもメリットです。
シャンプーにもヒアルロン酸配合のものが販売されるようになりました。
注意しなければいけないのは、あまり強力な洗浄力を持つシャンプーを選ばないところでしょう。
頭皮環境を悪化させやすい問題があるためで、頭皮にも髪にも優しい素材を選ぶべきです。
使う際には、熱いシャワーなどにせず、少し緩いと思うような温度で利用していきます。
あまり高い温度にすると、頭皮の皮脂が落とされすぎて保湿できなくなるためです。
まとめ
人間の体にとって、ヒアルロン酸は欠かすことができない成分です。
美容に役立ってくれるだけではなく、体の動きを維持するためにも水分の保持は欠かせません。
頭皮の環境も同様であり、保湿できなければ抜け毛を増やす原因にもつながります。
ヒアルロン酸を効率的に頭皮に届けるのは簡単ではありませんが、日々のケアを繰り返していくことが大切ですので、薄毛に悩まされないためにも、少しずつ生活に取り入れていきましょう。