私達が現在、普通にしているヘアケア。
江戸時代などの昔の人はどうしていたのか?
昔は今よりも薄毛の女性が少なかったという話を耳にしたので、ケアの仕方、頻度などから、現代のヘアケアとどう違うのか、そしてその違いから薄毛になる原因を探ってみたいと思います!
Contents
江戸時代の女性の髪型
江戸時代の女性の髪型には種類かあり、実際に結われていた髪型はなんと数百種類にものぼると言われています。
その髪型は年齢、職業、身分によって違っていました。
ここで、年齢、職業、身分別の主な髪型を紹介します。
農民
農民の女性は年齢に関係なく、みな髪の毛を高い位置で結ったり、整えることはせず、ただ、後ろの低い位置でひとつに紐などで束ねているだけの髪型でした。
髪を切ったりもせず、伸びっぱなしだったようです。
農民ではあるものの、その中でも身分の高い庄やの娘や、奥方などは「高島田」を結っている人もいました。
庶民
庶民は1本の笄(こうがい)という簪(かんざし)のようなものを髪み巻きつけて挿してまとめる、現代でいうとお団子頭のような髪型をしていました。
これは家事などの作業をする際、長い髪が垂れていると邪魔になるためで、実用的な髪型だったことが伺えます。
江戸時代も後半のほうになってくると、町民の娘でも高島田など、気に入った髪型を結ったりするようになってきます。
武家の娘
「士農工商」は身分制度ではなかったことがわかり、小学校の教科書から消えたとのニュースがありました。
「士農工商」は「士も農も工も商もみんな、全ての人」という意味で決して身分差別のことではないということでした。
しかし、実際江戸時代には身分制度があり、農民の上が町民(庶民)その上が武士という順番でした。
そのため、武家の娘の身分も高く、髪を結うのに専門の職人「女髪結い」という女性の美容師さんがおうちまで訪問してセットしていました。
江戸時代の前期はこの髪結いを呼ぶのは遊女などを除くと、身分の高い人に限られていました。
後期になるとだんだん髪型の種類も増え、庶民の女性も髪結いに頼んだりするようになりましたが、それは贅沢だとして幕府が禁止令を出します。
しかし、オシャレな女性たちはこっそり内緒で髪結いを呼んでいたそうです。
江戸時代も髪の毛は女性にとって、とても大切なものだったんですね。
江戸時代の女性の洗髪の仕方
江戸時代にはシャンプーなどありません。
どのようにして洗髪していたのでしょうか?
まず、結われた髪の毛をほどきます。
この際、結う時に鬢付け油でガッチリと固められていたのでほぐすのが大変だったようです。
鬢付け油(びんづけあぶら)は現在でもお相撲さんのマゲを結うのに使用したり、舞妓さんの髪結いに使用しています。
しっかりとほぐしたら、櫛でよく溶かします。
絡まった髪の毛をほぐす役割と、髪の毛についたほこりやフケ、脂などを浮かせる目的があります。
それが終わればようやく洗髪です。
熱湯にふのりという海藻を溶かし、うどん粉を混ぜてシャンプーを作ります。
そしてそれを髪や頭皮に刷り込みます。
熱いうちに刷り込むと、地肌がすっきりして、髪の毛に潤いを与えるので、つやつやになったと言われています。
乾かし方ですが、現代のようにドライヤーなどないので、てぬぐいなどで水気を拭いたら基本的には天日干しです。
ですから、洗髪は天気のよい日を選んで行っていたということです。
江戸時代の女性の洗髪の頻度
現代に比べて、とっても手間や時間のかかりそうな江戸時代の洗髪。
洗髪するのは乾かす時間も入れると半日もかかるそうです。
洗髪の日は他になにもできませんね・・・。
時間がかかること、そしてせっかく結った髪型をなるべく維持したいので、江戸時代の女性の洗髪の頻度は10日に1回が平均的だったようです。
しかも、10日に1回洗っていたのは江戸の女性で、上方と呼ばれる京都や大阪の女性はめったに洗わなかったということです。
遊女も月に1回、遊郭が休業する日しか許されていなかったといいます。
現代でも、髪の毛を結い上げている舞妓さんは週に1回、おすもうさんは3日から1週間のスパンで洗髪するようですね。
やはり、結い上げた髪の毛をキープしておきたいこと、そして鬢付け油を落とすのが相当大変で毎日洗っていられないという理由です。
こんなにシャンプーの種類も豊富になり、シャワーもある現代において、江戸時代と理由が一緒なのはおもしろいですね!
毎日洗わないで匂いはどうしていたのかというと、匂油といって現代でいうところの香水のようなものを付けたり、お香を炊いて髪の毛に匂いを染み込ませりして、ごまかしていたと言われています。
江戸時代の女性のヘアケア
日常的なケアにはつげの櫛が使われていたようです。
櫛で梳くことで、汚れを取り除き、頭皮に適度な刺激を与えるので、育毛や薄毛対策になっていたのではないでしょうか。
また洗髪後には椿油で頭皮と髪の毛にうるおいを与えるケアをしていました。
椿オイルは現代でも人気ですよね。
そして、なんと江戸時代にはプロポーズにつげの櫛を贈っていたのです。
女性には毎日必要な道具である櫛。
く「苦」し「死」にかけて、「苦労も共に分かち合い、死ぬまで一緒に添い遂げよう」というメッセージが込められていたのだとか。
とってもロマンチックですよね♪
江戸時代の女性のヘアケアにかかる費用はどのくらい?
江戸時代の女性のヘアケアにかかる費用は主に
・髪結い費用
・洗髪に使用するふのりとうどん粉の費用
・櫛
・椿油の費用
です。
それぞれ算出してみると、
・髪結い費用:現代の金額で1回約1300円
・ふのり:1袋800円
・うどん粉:1kg450円
・櫛(初期費用:10000円)
・椿油:1瓶1000円
これを一ヶ月に換算すると、約6000円。
(つげの櫛はプロポーズでもらえたり、毎月買うものではないので含んでいません)
質素倹約の時代にかなりの出費ですよね。
でも、このくらいの費用をかけてもいいと思うくらい、女性にとって髪の毛は大切なものであることがわかります。
江戸時代の女性に薄毛は少なかった?!
江戸時代の女性は現代の女性よりも薄毛が少なかったのではないかと言われています。
確かに昔の浮世絵をみても、髪の毛の薄い女性はいませんよね。
なぜなのでしょうか?
江戸時代の女性に薄毛が少ない理由
薄毛の原因で主なものは
・食生活
・生活習慣
・紫外線
・ストレス
です。
食生活
江戸時代の食事は粗食が主で農民や庶民は基本的に一汁一菜で、白米、味噌汁、漬物でした。
江戸時代後期になると、ようやくイワシやサンマが食卓に登場します。
生活習慣
江戸時代の人は早寝早起きでした。
行灯や提灯もありますが、油だったタダではありません。
節約のためにも、暗くなったら寝て日が昇ると起きる生活でした。
また、江戸時代は農民が8割だったといいます。
それも、早寝早起きの人が多い理由になっています。
また、電車や車などありません。
基本、徒歩の生活です。
普通に生活しているだけでかなりの運動になったのではないかと思われます。
紫外線
江戸時代はまだ今ほど、オゾン層も破壊されておらず、紫外線量も大幅に少なかったと考えられます。
そのため、髪の毛に受けるダメージもそれほどなかったのではないでしょうか。
農作業をする人は日差しよけのためにてぬぐいで、ほっかむりをしていました。
暑さに負けないで作業するためで、肌や髪のためではなかったとは思いますが、それも紫外線によるダメージを軽減していたのでしょう。
江戸時代の女性は井戸端会議でストレスを発散していたと言います。
現代はいろんなしがらみや、SNSの発達により、うかつに愚痴も言えませんよね。
江戸時代の女性はうまくストレスを解消していたのですね。
江戸時代と現代のヘアケアの違いから薄毛の対策がわかる?
江戸時代に薄毛の女性が少ない理由、ヘアケアの違いから、分かってきた薄毛の対策は
・食生活の見直し
・睡眠時間の見直し
・適度な運動
・紫外線予防
・ストレス解消
です。
少しずつ、出来ることから初めてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
江戸時代の女性と比べてみたら、薄毛の対策が分かってきましたね!
脂っぽい食事は控えめに、適度な運動をすれば夜も寝付きやすくなります。
そしてストレスを溜めないように意識して生活してみましょう。
帽子や日焼け止めなどで、紫外線をカットすることも有効です。
ぜひ、出来ることから生活に取り入れて見れくださいね!