女性の薄毛

ついに解明!女性に起きやすい円形脱毛症や薄毛に効果的な治療法

年齢や男女の別なく発症する円形脱毛症。かつてはストレスや血流の悪さが原因と考えられていました。

しかし近年、自己免疫疾患で起こる免疫反応によって引き起こされることが明らかになり、効果的な治療方法が普及してきました。

医療現場で主流になりつつあるターゲット治療の観点から、新薬の開発も期待されています。

そこでこの記事では、円形脱毛症の原因を探り、効果的な治療法をご紹介していきますので、円形脱毛症にしばしば悩まされている女性は必見です!

円形脱毛症の原因

ある日突然脱毛する病気として、よく知られている円形脱毛症。その原因について詳しく見ていきましょう。

ストレスが原因って本当?

円形脱毛症といえばストレスが原因といわれがちですが、正確には「生活の一部がストレスとなっている」ということなのです。

実はストレスというのは、円形脱毛症が発症するきっかけの一つにすぎません。

仕事の忙しさ、あるいは環境の変化などのストレスは、円形脱毛症を発症させる引き金になるだけなのです。

遺伝子が原因

ストレスは円形脱毛症のきっかけに過ぎないということは、根本の原因は、ほかにあります。

それは遺伝子です。円形脱毛症になりやすい遺伝子というのがあって、この遺伝子が円形脱毛症の症状を引き起こすのですが、必ずしも発症するわけではありません。

円形脱毛症のうち、その遺伝子が9割以上の方に存在するといわれていますので、かなり関係深いとされているのです。

血液検査で遺伝子を検査できる

自分がそうした遺伝子を持っているかどうかは、血液検査をすればわかります。

しかし検査には数万円かかりますし、遺伝子を持っているから必ずなるというわけではありませんので、事前に検査をする人はまずいないでしょう。

例えば両親や兄弟姉妹などに、円形脱毛症の患者さんがいる場合は、なりやすい遺伝子を持っているといえるでしょう。

円形脱毛症にも様々なタイプがある

円形脱毛症という名前から、丸い形に脱毛するものだと誤解されがちですが、必ずしも丸い円形のものばかりではありません。

円形脱毛症は「単発型」・「多発型」・「蛇行型」・「全頭型」・「汎発型」の5つのタイプがあります。

それぞれの症状の特徴を詳しく解説していきますので、自分のものと見比べてみてください。

単発型

単発型は1か所だけ円形に脱毛した部分があるもので、最も治療しやすく、一般的に認知されている円形脱毛症の症状です。

自然に治ってしまう事も多く、最も治療しやすいのがこのタイプです。

脱毛部分が1か所で範囲が小さいと、気づかない人も多く、特に後頭部にできた場合などは、自分で気づきにくいので、美容院で指摘されて初めて気づくという人が多いようです。

多発型

多発型は脱毛している場所が2か所以上ある症状のことを言います。

自分では単発型だと思っていても、医療機関へ受診したら脱毛部分が2~3箇所見つかったということもよくあります。

蛇行型・全頭型・汎発型

首筋近くの後頭部、耳の周りの側頭部、おでこの生え際が帯状に脱毛するのが蛇行型です。

全頭型は、頭髪のすべてが抜けてしまうタイプで、頭髪だけでなく眉毛、まつ毛、ひげ、わき毛、すね毛、陰毛などの身体全体の毛が抜けてしまうのが汎発型です。

円形脱毛症のどのタイプも自己免疫疾患が原因?

遺伝子のタイプによって、どのタイプの症状になりやすいということはあるようですが詳しくはまだ解明されていません。

ただ頭皮に存在する毛包という部分に、自己免疫反応という炎症反応が起きて発症するという点は共通しています。

自己免疫反応とは

普通、免疫反応というのは体内にウイルスや細菌などの異物が侵入してきたとき、抗体をつくって異物を攻撃します。

ところが、間違って自分の正常な身体の組織に働いて起こるのが、自己免疫疾患です。

皆さんがよく知ってるものだと、甲状腺疾患などが自己免疫疾患が原因とされる病気の代表例です。

円形脱毛症との関係性

例えば、円形脱毛症になりやすい遺伝子を持っている人がインフルエンザに感染すると、インフルエンザウイルスをやっつけようとして、タンパク質をたくさん作り、免疫力を活性化。

するとその免疫反応に誘導されて、自己免疫反応まで増強され、円形脱毛症が発症するのです。

インフルエンザ以外だと誘因になるのは、風邪、胃腸炎、出産、ケガ、疲労(ストレス)等です。

円形脱毛症には前兆がある!?

円形脱毛症は脱毛以外にこれといった症状は確認されていませんが、発症すると頭皮にかゆみや違和感などの前兆が起こる場合があります。

また、爪と髪の毛は似た組織ですので、爪がボコボコとする人もいます。

正し炎症反応が起きるもは急性期(病気の初めで、症状が急激に表れているとき)で、脱毛して時間がたってしまうと炎症反応が見られなくなることも多いでしょう。

そして治療効果が高いのは炎症反応が起きている、この急性期なのです。

円形脱毛症の確認方法

円形脱毛症になると、キューティクルがあれるので、髪の感触がごわごわしてきます。また円形脱毛症を繰り返す人は、以前脱毛した部分がチクチクする、ピリピリするなど頭皮の違和感を訴える人もいます。

円形脱毛症の確認方法として、ブラッシング後など抜けた毛の根元をチェックするのも良いかもしれません。

毛の根元に毛根がついていれば、休止期の毛が抜けているだけですので問題ありません。

でも毛根のついていない抜け毛が多い場合は、毛包やその周辺で炎症反応が起きている可能性が高いといえるでしょう。

円形脱毛症の治療方法

円形脱毛症の治療方法は、年齢や脱毛のタイプによって、基本的な治療の進め方(ガイドライン)が異なります。

必ずしもガイドライン通りに治療しなくてはいけないわけではなく、患者の状況に合わせて、オーダーメイドの治療をすることが大切です。

ガイドラインの中で最も推奨されている治療方法が「局所免疫療法」と「ステロイド局所注射」です。

局所免疫療法

局所免疫療法は、化学物質を脱毛している部分に塗って、軽いかぶれを起こして、脱毛を治すというものです。

40年近い歴史のある治療法で、安全性の高い治療法とされています。

ただし塗布する化学物質を院内で作らなければいけないので、どこの施設で設けられるわけではありません。

また、保険のきかない治療ですので、自費で行う場合1回1,000円ほどかかります。

週1回の治療で、髪が生えてくるかどうかの反応を見るまで半年ほどかかります。

ステロイド局所注射

ステロイド局所注射は、ステロイドを脱毛している部分に注射する方法で、保険適用の治療です。

しかし、1回の注射で薬が行き渡る範囲が1センチ平方メートルくらいなので、脱毛範囲が広いと何度も注射しなければいけません。

この治療法は毛包が炎症を起こしている早期に行うと、特に有効だといわれています。

【まとめ】円形脱毛症は発症後のメンタルケアが大切

円形脱毛症は、命にかかわるほどの病気ではありませんが、外見が大きく変わることで、いじめの対象になったり、就職活動での差別など、円形脱毛症というだけで当事者は精神的にも社会的にも追い込まれてしまいがちです。

円形脱毛症の治療は長期戦になる場合が多く、隠さないで生活したいと考える方も少なくありません。

当事者が自分らしく自信をもって生活するためにも、この病気を一人でも多くの人に知ってもらい、正しく理解してもらうことが必要です。