近年、女性でも抜け毛に悩む方が増えているそうです。
今まで、抜け毛と言えば男性特有の悩みでしたが、女性でも起こりうる話しなのです。
そして今や、日本国内で300~600万人の女性が、抜け毛で悩んでいるというデータがあります。
では、なぜ女性でも抜け毛がおきるのか気になりますよね。
男性と同じく女性の抜け毛の原因は様々ですが、最近多く見られるのが「FAGA」という頭皮の病気です。
今回は、女性でも増えてきている抜け毛の悩み、その原因である「FAGA」について解説していきます。
FAGAとは?
AGAと言う「男性型脱毛症」がありますが、FAGAは「女性男性型脱毛症」とも言われ、女性特有の脱毛症です。
AGAと様々な共通点がありますが、決定的な違いは「ハゲ方」にあります。
男性型脱毛症のハゲ方は、頭頂部もしくは前頭部のどちらか、もしくは両方から抜け毛が進行していきます。
前頭部はM字となっていき、頭頂部はてっぺんからハゲていきます。
最終的には、頭頂部全体の髪の毛はほとんど抜け落ちます。
髪の毛が抜ける部分の髪の毛が、全く生えてこなくなる事もあります。
対するFAGAは、AGAとは違い部分的に抜け毛は進行せず、全体的に髪の毛が薄くなっていきます。
人によっては前頭部、頭頂部が中心に抜け毛が進行していく方もいますが、AGAのように一部分が顕著にハゲて行くことはほとんどありません。
また、AGAは頭部全体が完全にハゲてしまい、「一本も生えていない」という状態になる方もいます。
しかし、FAGAは抜け毛が進行しても一定量は髪の毛が生えていて、完全に「ハゲる」という状態にはなりにくいのも特徴です。
一般的に、FAGAが発症する年齢は、40代から50代が多いのですが、20代から30代と言った比較的若い年齢で発症することも珍しくありません。
比較的若いころに発症しても、「気のせいかな?」「抜け毛が多いのは季節の変わり目だから?」と思ってしまい、なかなか気づか無い時もあるのです。
AGAと違い、FAGAは髪の毛の抜け方が一部分でなく、頭部全体が少しずつ抜けていくのでAGAよりも気づきにくいのです。
そんなFAGAですが、先ほども述べましたが近年発症者が増加傾向にあります。
それは一体何故なのか?
次の記事で解説していきたいと思います。
FAGAになる原因
FAGAが発症する過程には、様々な原因が存在します。
そしてその原因には、必ずある共通点があります。
それは、人間が生きていくには無くてはならない「ある成分」が抜け毛を引き起こしているのです。
ストレスとホルモンバランス
ストレスと抜け毛は、男女共に密接な関係があります。
ストレスが溜まると、体内のホルモンバランスの乱れが発生することがあります。
ストレスによる、ホルモンバランスの乱れで引き起こされるのは、女性ホルモンの減少もしくは男性ホルモンの増加、そしてその両方です。
まず女性ホルモンは、卵巣で作られ月経周期や妊娠をコントロールする、女性にとっては非常に大切な役割を果たしています。
その女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、髪の毛の成長に関わっていて、エストロゲンの分泌量の多い方は、薄毛になりにくいと言われています。
女性は基本女性ホルモンの分泌量が多く、エストロゲンが一定量分泌されているので、抜け毛になる可能性は男性より低いのです。
しかし、ストレスが増えると女性ホルモンの分泌量が低下し、体内のエストロゲンも低下します。
結果として、髪の毛の成長に関わるホルモンの減少によって、髪の毛が抜けてしまうのです。
しかし、エストロゲンの分泌量の低下だけでは、そこまでひどい抜け毛にはなりません。
FAGAは、男性ホルモンの増加によって引き起こされます。
女性の体内も、僅かですが男性ホルモンが分泌されています。
もちろん男性ほどの分泌量はありませんが、ストレスが溜まると女性でも男性ホルモンの分泌量が増えてしまうのです。
そして、男性ホルモンの一つであるジヒドロテストステロンが、抜け毛に非常に深く関わっていて、男女共に「抜け毛の犯人」なのです。
AGAはジヒドロテストステロンの分泌量の増加によって発症しますが、FAGAもジヒドロテストステロンの分泌量の増加によって引き起こされるのです。
近年、女性は男性ホルモンの分泌量が増えていく傾向があり、男性ホルモンの一つジヒドロテストステロンの分泌量の増加によって、FAGAが発症してしまうのです。
なぜ女性なのに男性ホルモンが増えるのか?
ここで一つ疑問があると思います。
それは、「近年、女性でも男性ホルモンの分泌量が増えている」理由についてです。
その理由の一つが、「女性の社会進出」と言われています。
ひと昔前の日本は、「結婚したら夫が仕事をして、妻は家事と育児」という家庭環境が当たり前でした。
しかし現在は、「女性も大学を卒業したら就職して、子供を産んでも産休が終われば職場に復帰」といった流れが当たり前になってきています。
社会進出が、ストレスを引き起こす大きな原因となっています。
例えば、家事や育児はやらなければいけない事ではありますが、仕事と違いノルマや期限などはっきりした事は決まっていませんよね。
家事や育児は、忙しかったにしても厳しいノルマや期限などは存在せず、多少の融通は利かせられるはずです。
しかし、仕事はそうはいきません。
職種にもよりますが、ノルマや期限などに追われながら仕事をしているはずです。
その際に発生するストレスこそが、男性ホルモンの増加を引き起こすのです。
また、そういったときに発生する、「闘争心」も男性ホルモンの増加に関わっているのです。
通勤の際も、満員電車の乗り降りや、時間に対する意識もストレスの原因の一つとなり、男性ホルモンの増加に繋がっているのです。
ホルモンバランスによる、抜け毛の度合いは人それぞれですが、抜け毛に深く関わているのはまぎれもない事実と言えます。
予防、対処法
そんな、厄介なFAGAの原因を知ったところで、予防や対処法について解説していきます。
まず、ストレスが大きく関わっている事が分かりました。
そのためストレスを溜めないことが重要だと言えます。
適度なストレスは生きていくうえで必要とされていますが、過度なストレスは抜け毛以外にも色々と身体の不調を招きます。
ストレスを溜めないような生活習慣、または休日に趣味などで気分転換をする事も大事と言えます。
また、医療機関による治療もあります。
AGAで有名な薄毛治療薬は、プロペシア、ザガーロ、などがありますが、女性が服用すると胎児に影響を与える可能性があるため、内服は出来ません。
しかし、ドイツの製薬会社が世界で初めて「パントガール」と言う、女性専用の薄毛治療薬が開発されました。
パントガールは、FAGAに効果があると言われ、半年間の服用で約7割から8割の方が抜け毛が減った、と言う臨床データが存在します。
そのため、今世界で最も女性の抜け毛予防が期待できる薄毛治療薬なのです。
ただ、パントガールは保険適用外の医療薬なので、お値段は高めです。
例として、クリニックで処方してもらうと1か月分で平均約16,000円が相場です。
さらに、抜け毛の改善を実感するのに、最低半年間は服用しなければならず、服用を止めるとまた抜け毛が進行してしまいます。
そのため、抜け毛の進行を止め続けるためには、生涯服用しなければいけないのです。
まとめ
女性の抜け毛の「FAGA」いかがでしたか?
残念ながら、現在の医学では女性の抜け毛の原因である「FAGA」については、未解明な部分が多く、FAGAの治療は難しいと言われているのが現実です。
しかし、ストレスによる男性ホルモンの増加によって引き起こされているのは、ほぼまぎれもない事実と言っていいかも知れません。
もし抜け毛が気になったら、普段の生活習慣を見直してみるのもいいかもしれません。
また、多少お金はかかりますが医学的にも効果が高い、「パントガール」の使用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。